じじぃの「意識の流れ・自己認識とパラドックス!逆説の雑学」

生理学 神経ゾーン⑦ 「脳幹」「間脳 視床/視床下部

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=F7qzkQ4mvcY

視床下部とは


視床下部・下垂体疾患

玉田クリニック
視床下部とは
視床下部とは10g程度の重さですが、脳の一番奥で下垂体の真上に位置する脳のきわめて重要な部位です。
体温、食欲、睡眠、体の水分量や塩分量の調整をしています。さらには近くの海馬と連携して記憶や意識の調整をしているとも言われています。また、下垂体とは直接つながっていて下垂体から出るホルモンの調整を行います。

下垂体が「様々なホルモンの分泌調節の中枢」と下垂体の項で書きましたが、視床下部はそのさらに上位の調整の中枢です。
https://tamada-clinic.jp/pituitary.html

『フューチャー・オブ・マインド 心の未来を科学する』

ミチオ・カク/著、 斉藤隆央/訳 NHK出版 2015年発行

第2章 物理学者から見た「意識」 より

レベルⅢ:未来をシミュレートする

主としてホモ・サピエンスと関連づけられる最高レベルの意識はレベルⅢ(視床下部を中心とした脳の部位)の意識だ。
この意識では、世界のモデルを手にしてから、未来へ向けてシミュレーションをおこなう。
われわれはこれを、人や出来事にかんする過去の記憶を分析し、その後多くの因果関係を考えて「因果の」木を作ることによっておこなっている。カクテルパーティーでいろいろな人も顔を目にするとき、人はこんな単純な疑問を自分に投げかける。どうしたらこの人は私の助けになるのかな? ここで交わされるうわさ話は、将来どんなふうに広まるのかな? だれか私をやっつけようとしているのかな?

あなたが職を失ったばかりで、新しい仕事を必死に探しているとしよう。この場合、カクテルパーティーでいろいろな人と話をしているときに、あなたの心は話し相手のひとりひとりとの未来を懸命にシミュレートしている。あなたは自問する。どうしたらこの人に私を印象づけられるかな? うまくいくためには、どんな話題を持ち出すべきかな? 私に仕事をくれるかな?

最近の脳スキャンでは、脳がどのように未来をシミュレーとしているかについて、解決のヒントが少し与えられている。そうしたシミュレーションは、主に脳のCEOである背外側前頭前皮質で、過去の記憶を使ってなされている。未来のシミュレーションで望ましい満足な結果になれば、脳の快楽中枢(側坐核視床下部にある)が光る。
一方、問題のある結果になれば、眼窩前頭皮質が活動してわれわれに危険を知らせる。すると、脳のなかで、(望ましい結果にも望ましくない結果にもなりうる)未来に関わる異なる部位のあいだで闘争が起きる。最後には、背外側前頭前皮質がそれを調停して最終的な判断を下す(一部の神経学者は、この闘争がおおざっぱに見てフロイトの自我とイドと超自我との対立関係にも似ていると指摘している)。

自己認識の謎

意識の時空理論が正しければ、それは自己認識の厳密な定義も与えてくれる。曖昧で堂々めりの言い方をするのではなく、検証可能で有用な定義を提供できるはずなのだ。そこで自己認識を次のように定義しよう。

  自己認識とは、世界のモデルを構築し、自分がいる未来をシミュレーとすることである。

したがって、動物にはいくらか自己認識がある。将来生き延びて配偶者を得るつもりなら、自分がどこに存在するかを知る必要があるからだ。しかしそれも本能のせいでかなり限られている。

ほとんどの動物は、鏡の前に連れていくと、映った像が自分だとはわからず、無視するか攻撃する(「ミラーテスト」といい、ダーウインのころからある)。ところが、ゾウや大型類人猿、バンドウイルカ、シャチ、カササギといった動物は、鏡に映った像が自分だとわかる。

一方、ヒトはそれより大きく前に出て、いつでも自分が主役として存在する未来のシミュレーションをおこなう。デートに行く、求職する。転職するといったさまざまな状況――どれも本能では決定しない――に自分が直面するのを絶えず想像するのである。
ヒトの脳に未来のシミュレーションをやめさせることはきわめて難しいが、それを試みる巧みな方法もあれこれ考案されている(瞑想など)。

夢想と言う行為ではおおむね、目標をなし遂げるために、考えられるさまざまな未来が演じられる。われわれはみじからの限界も強みも知っていることに自信があるので、自分をモデルのなかに入れて「再生」ボタンを押し、バーチャルな芝居の役者であるかのように、仮想のシナリオを演じはじめるのだ。

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じじぃの日記。

ミチオ・カク著『フューチャー・オブ・マインド』という本に、「自己認識の謎」があった。

自己認識はどこで行っているのだろうか?

デカルトは共通感覚の座としての脳の「松果体」を心身の結合の場とみなした。

「そうしたシミュレーションは、主に脳のCEOである背外側前頭前皮質で、過去の記憶を使ってなされている。未来のシミュレーションで望ましい満足な結果になれば、脳の快楽中枢(側坐核視床下部にある)が光る」

人間は五感(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)から情報を得ている。
特に視覚は、全体の約80%もの多くの情報を目から得ている。

視床下部は、五感からの情報取得の他、体温調節や睡眠の制御までおこなっているのだとか。

この本によれば、脳の司令塔は「側坐核」と「視床下部」が担っているのだとか。
   
東京大学の研究チームは、マウスの脳内神経ネットワークを独自のアルゴリズムで解析。主観的な体験である「意識」と、神経ネットワークの双方向接続との関係について明らかにした。 「意識」は脳領域同士が成す複雑なネットワークが担っていると考えられているものの、脳のネットワークのどの部分が意識を担うのかは明らかになっていない。
https://ascii.jp/elem/000/004/099/4099149/

なんとなく、脳の「自己認識の謎(パラドックス)」は「視床下部」にあるような気がする。