じじぃの「カオス・地球_316_LIFESPAN・第4章・なぜ赤身肉は危険なのか」

がん診断後の食事「肉は制限すべき?」

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=mnrQQ72g9j4

えっ!赤身肉ってヘルシーだと思ってた!


赤身肉で大腸がんになる?

2023年4月24日 ひだ胃腸内視鏡クリニック
世界中で行われた研究の結果から、「赤身肉」の摂取は大腸がんができやすくなる危険因子であることが分かっています。
「えっ!赤身肉ってヘルシーだと思ってた!」
「じゃあ、脂身の多い霜降り肉やったら大丈夫なんや!」

・・・と、どえらいポジティブ?な勘違いをされる方もおられますが、決してそうじゃありません。
https://nishinomiya-naishikyo.com/%E8%B5%A4%E8%BA%AB%E8%82%89%E3%81%A7%E5%A4%A7%E8%85%B8%E3%81%8C%E3%82%93%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B%EF%BC%9F/

LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界

【目次】
はじめに――いつまでも若々しくありたいという願い
■第1部 私たちは何を知っているのか(過去)
第1章 老化の唯一の原因――原初のサバイバル回路
第2章 弾き方を忘れたピアニスト
第3章 万人を蝕(むしば)む見えざる病気
■第2部 私たちは何を学びつつあるのか(現在)

第4章 あなたの長寿遺伝子を今すぐ働かせる方法

第5章 老化を治療する薬
第6章 若く健康な未来への躍進
第7章 医療におけるイノベーション
■第3部 私たちはどこへ行くのか(未来)
第8章 未来の世界はこうなる
第9章 私たちが築くべき未来
おわりに――世界を変える勇気をもとう

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『LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界』

デビッド・A・シンクレア、マシュー・D・ラプラント/著、梶山あゆみ/訳 東洋経済新報社 2020年発行

第4章 あなたの長寿遺伝子を今すぐ働かせる方法 より

アミノ酸を制限する――なぜ肉は危険なのか

動物性タンパク質にマイナス面のあることは、ほとんど議論の余地がない。動物性に片寄った食生活を送っていると、心血管系疾患による死亡率とがんの発症率が共に高まるおとが数々の研究で報告されている。加工した赤身肉はとくにいけない。ホットドッグやソーセージ、ハムにベーコン。素晴らしく美味であっても、恐ろしく発がん性が高い。そのことは何百という研究で指摘されており、結腸・直腸がん・膵臓がん、前立がんとの関連が確認されている。赤身肉にはカルニチンという物資が多く含まれて、これが腸内細菌によって変換されるトリメチルアミン-N-オキシド(TMAO)になる。心臓病の原因になることが疑われている化学物資だ。
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mTORを活性化させるアミノ酸の接種量を控える

では、制限するのはどの必須アミノ酸でもいいかといえば、そうでないこともしだいに明らかになっている。
アメリ国立衛生研究所(NIH)のラファエル・デ・カーボと、、ミシガン大学のリチャード・ミラー、それからハーバード大学医学大学院のジェイ・ミチェルは、必須アミノ酸メチオニンに注目している。メチオニン含有量の少ない餌をマウスに与えると、とりわけmTOR(mammalian target of rapamycin、細胞外の栄養状態や細胞内エネルギー(ATP量)等の情報が感知して、細胞成長・増殖へ結びつける上で中心的な役割を担うリン酸化酵素)抑制効果の高いことを見出したのだ。具体的には、体の防御機能を働かせ、手術中の臓器を低酸素症から守り、健康寿命を20%長くするという結果が確かめられている。
私のかつての教え子で、今はウィスコンシン大学に研究室を構えるダドリー・ラミングは、肥満マウスのメチオニン摂取を制限すると体脂肪が大幅に減少することを突き止めた。しかも短時間で、ラミングが「ぐうたら族」ラミングと名づけたマウスでさえ、運動もせずに好きなだけ食べ続けても1ヵ月で体脂肪が約79%減った。おまけに、血糖値も下がったのである。

人間はメチオニンなしでは生きていけない。しかし、それを摂り込む量を制限すれば、もっといい生き方ができる。牛肉、仔牛肉、鳥類の肉、豚肉、卵にはメチオニンが豊富に含まれる一方で、植物性タンパク質ではおしなべてメチオニンが少ない傾向にある。いわば生命の火を灯し続けるには十分だが、生物としての満足感を味わうには足りない量だ。

同じことがアルギニンや、分岐鎖アミノ酸と呼ばれるロイシン、イソロイシン、バリンの3つにもいえる。いずれもmTORを活性化する働きをもつものだ。これらの接種量を控えると、寿命が延びるという相関関係が確認されている。また、人間を対象にした研究からは、分岐鎖アミノ酸の摂取量を減らせば、代謝機能の指標となる数値が大きく改善することもわかっている。

どれも生きるうえで欠くことがアミノ酸だとはいえ、たいていの人は少ない量でも間違いなく耐えられる。その量を抑えるには、一般に「良質の動物性タンパク質」とされる鶏肉や魚や卵を減らせばいい(ただし、身体がストレスを受けているときや怪我からの回復期を避けて行うのが得策だ)。

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肉好きよりもベジタリアンのほうが心血管系疾患やがんに圧倒的にかかりにくいのは、こうした背景があるからかもしれない。もっとも、そこにはほかの要素も働いている。たとえば、カロリー摂取量の低さや、ポリフェノール摂取量の多さ、さらにはほかの人類に対する優越感も一役買っている。最後の優越感はさておき、ベジタリアンのほうが寿命も健康寿命も長い理由としては、どちらの要素も十分に納得のいくものだ。

ただし、低タンパク質で野菜中心の食事を心掛けて長生きしたとしても、それだけでは寿命を最大限に延ばすことにはならない。なぜなら、体にとってのストレスを栄養の面でつくっているだけだからだ。それでは、長寿遺伝子のもてる力をすべて発揮させるところまでは行かない。だから、物理的なストレスも加えてやる必要がある。それがないと、サバイバル回路をより一層働かせる大事な機会を失ってしまう。たとえるなら、美しいスポーツカーをもっているのに、毎週日曜の朝に次の信号まで走らせるだけで戻ってくるようなものだ・長寿遺伝子が宝のもち腐れになって、あまりにもったいない。

これは大変な馬力のある車なのだ。とにかくエンジンをふかして、遠くまで一走りしてくればいい。