じじぃの「老化・寿命を決める複合要因・その宿命にあらがうか従うか!ヒューマニエンス」

簡単学生理学 1章 生理学基礎⑩(ミトコンドリア)

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Ot6hoVgGOOU

寿命を決める複合要因


“老化” その宿命にあらがうか 従うか - ヒューマニエンス 40億年のたくらみ

2022年4月12日 NHK BSプレミアム
【司会】織田裕二藤井彩子 【出演】いとうせいこう 【解説】今井眞一郎、原英二、岡野栄之
「老化」を治療する夢に研究者たちが挑んでいる。
寿命を迎えるまで老化せず、元気な状態でいるための研究キーワード、それが「サバイバル・システム」、「老化細胞」、「百寿者の健康長寿遺伝子」、「iPSでの細胞若返り治療」だ。
だが、それらの最新研究が進む中で明らかになったのは、なんと生命が老化を積極的に利用してきたということだった。老化は本当に悪いことなのか?「老化とは何か」を90分にわたって探究していく。
https://www.nhk.jp/p/ts/X4VK5R2LR1/episode/te/K9K4PJWX6J/

『ヒトはなぜ病み、老いるのか―寿命の生物学』

若原正己/著 新日本出版社 2017年発行

第8章 いかに生きるか より

いくら長生きしても寝たきりでは困ることも多い。そこで健康寿命という考えが出てきた。人生の質(QOL)ということも強調されるようになってきた。
これまで述べてきたように、生物学的に見ればヒトが老化をし、寿命があるのは当然なので、それにあえて逆らわずに生きることが大事だろう。

寿命を決める複合要因

第7章で説明したように哺乳動物の寿命は体の大きさによって決まっている。つまり体の大きい動物ほど寿命が長く、小さい動物ほど寿命が短いという経験則がある。その理由は、小さい動物ほど時間が速く流れる。その基礎にあるのは生理的な代謝時間という考え方だ。しかし、ヒトの場合はその線から大きく外れているので、一筋縄にはいかない。
以前は染色体に末端にあるテロメアが細胞老化・細胞寿命の基礎になるという考えが主流だったが、それだけで寿命がきまっているわけではないことがわかってきた。最近は長寿遺伝子と呼ばれるサーチェインが一世を風靡したが、どうやらサーチェインだけでは十分だとは言えない。結局、1つや2つの要因でヒトの寿命が決まっているわけでなく統合的に考えなければならないというのが本当の所だろう。まるでふりだしにもどったという感じで、結局寿命を決める要因は1つには絞れないということだ。
ヒトの寿命は図12(画像参照)で示したように、テロメアミトコンドリア(酸化ストレス)、免疫能力、サーチェイン遺伝子、分子修復能、再生能力、そのほかに心理的な要因も重要だろうと考えられる。
こうした要因の1つひとつが総合的に寿命に関連していて、そのすべてが満足されれば120歳という寿命を迎えることができるが、そのうちのいずれかが欠けていくと命が尽きるという考えだ。

老いを生きる

ヒトは必ず死ぬので、年をとれば残りの人生は間違いなく少なくなる。これまで述べてきたように不老不死もなければ「夢の若返り」などもない。だから、残された時間を有効に過ごす以外にない。その中でやりたいことをやることが極めて大事だ。
長寿の秘訣は、ふつう①1つか2つの趣味をもつこと、②知的好奇心を持ち続けること、③適度に体を動かすこととまとめられる。さらに言えば、④よく笑うこと、⑤集団の中で孤立せず生きること、などが指摘されている。私はそれらに加えて、⑥だれかの役にたつこと、を加えたいと思う。

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どうでもいい、じじぃの日記。
再放送だったが、「“老化” その宿命にあらがうか 従うか - ヒューマニエンス 40億年のたくらみ」を観た。
若原正己著『ヒトはなぜ病み、老いるのか―寿命の生物学』と言う本によれば、ヒトの寿命は7つの要因からなるそうである。
最新の研究から見ていこうと思う。
テロメア
私たちは、細胞分裂によって新しい細胞を作り、生命を維持しています。細胞が分裂すると染色体が同じようにコピーされますが、染色体の末端にあるテロメアだけはコピーされず、細胞が分裂するたびに徐々に短くなっていきます。
テロメアは老化だけではなく寿命にも関係しているとも言われています。
しかし、人だけが生殖可能期間を終えてもなお長く生きることができます。
ミトコンドリア(酸化ストレス)
免疫は、病原体から体を守る大切な機能ですが、加齢とともに衰え、「免疫老化」が進んでしまいます。免疫の働きを活性化して老化を防ぐには、細胞の中にある「ミトコンドリア」が重要な役割を果たしています。
細胞の活動に必要なエネルギーの90%以上はミトコンドリアで生産され、それぞれの細胞に供給されています。ミトコンドリアがしっかりと働いてくれることで、それぞれの細胞が元気よく役目を果たし、生命が維持されるのです。
●免疫能力
免疫は、細菌やウイルスから、からだを守ってくれている防御システムのことです。
腸内細菌が免疫をコントロールするという話もあります。病原性大腸菌などが侵入した時、腸内細菌が免疫系を刺激して排除するように仕向けるらしい。
●サーチェイン遺伝子
サーチュイン遺伝子の活性化で寿命が延びる。
カロリーを減らすことで、サバイバルシステムを活性化させて老化を抑制させる仕組み。
ちょっと小太り体型の人の方がカロリー制限をするらしい。
●分子修復機構
細胞は分裂時25,000の遺伝子コピーを行う。100~200はコピーミスを起こす。それ以上の分裂を避けて回避。
老化は生物が作った賢いシステム(がんとのトレードオフ)。
加齢で老化細胞が増えると慢性炎症を起こす(SASP因子により)。
人は本来の寿命より長寿になったためこの症状に苦しむ(ジレンマ)。
老化は環境因子が7割あると言われ、研究のハードル要因。
面白いネズミがいる。
ハダカデバネズミ。老化しないネズミ。39歳になっても生存(がんにならない)。
驚異的長寿。体内の状態は3歳と32歳で大差なし。
通常の動物は年齢と共に死亡率が高くなる(加齢による要素)がハダカデバネズミにはその傾向がない。
ハダカデバネズミでは細胞のコピーミスが起こりにくい。修復能力が高い。ゲノム配列自体も変異が起こりにくい。
ただし、環境に合わせた対応が困難。太陽に長く浴びると死んでしまう。
自然下では、エチオピアケニアソマリアの地下に数十~数百匹の集団で生息する。
●再生機構
iPS細胞は2006年に誕生した新しい多能性幹細胞で、再生医療を実現するために重要な役割を果たすと期待されています。
人間の皮膚や血液などの体細胞に、ごく少数の因子を導入し、培養することによって、様々な組織や臓器の細胞に分化する能力とほぼ無限に増殖する能力をもつ多能性幹細胞に変化します。
この細胞を「人工多能性幹細胞」と呼びます。英語では「induced pluripotent stem cell」と表記しますので頭文字をとって「iPS細胞」と呼ばれています。 名付け親は、世界で初めてiPS細胞の作製に成功した京都大学山中伸弥教授です。
iPS細胞は若返り細胞とも呼ばれ、近年、欧米の研究者が増えているそうです。
NHK 「ヒューマニエンス」では、後5年もすれば実現するのではないか、と言っていた。
●性格(心理的な要因)
よく笑うこと。
免疫が活性化するらしい。
●センチナリアン
センチナリアン(centenarian)とは、100歳以上の長寿者のことである。
なお、FOXO3A遺伝子が平均寿命に肯定的な影響を与えることが知られており、100歳以上の人に極めて多く見られるという。