The Limbic System
大脳辺縁系の機能・概略
大脳辺縁系のおはなし――前帯状皮質 帯状回 扁桃体 視床 視床下部 海馬
Akira Magazine
●前帯状皮質 (血圧・心拍数・情動に関連する部位)
前帯状皮質(ぜんたいじょうひしつ)は、血圧や心拍数の調節のような多くの自律的機能の他に、報酬予測、意思決定、共感や情動といった認知機能に関わっているとされています。前帯状皮質が持つそれぞれの機能は、実行 (前側部)、評価 (後側部)、認知 (背側部)、情動 (腹側部) の4つの領域に分けられます。
前帯状皮質は前頭前皮質と頭頂葉の他、運動系や前頭眼野とも接続して、刺激のトップダウンとボトムアップの処理や他の脳領域への適切な制御の割り当ての中心的役割を担っています。
●扁桃体 (情動反応に関連する部位)
扁桃体は、神経細胞の集まりで情動反応の処理と短期的記憶において主要な役割を持ち、情動・感情の処理(好悪、快不快を起こす)、直観力、恐怖、記憶形成、痛み、ストレス反応、特に不安や緊張、恐怖反応において重要な役割も担っています。
味覚、嗅覚、内臓感覚、聴覚、視覚、体性感覚など外的な刺激を嗅球や脳幹から直接的に受けています。
また、視床核(視覚、聴覚など)を介して間接的に受け、大脳皮質で処理された情報および海馬からも受け取っている。偏桃体は、側頭連合野(前方部)、眼窩前頭皮質、海馬、帯状回と相互的に結合が密接。
https://www.akira3132.info/limbic_system.html
PartⅢ 脳の可能性は無限大――動物と人間の違いは何かという究極の問い より
情動と感情
ヒトを人間たらしめる要素はなんでしょうか。動物と人間は何が違うのでしょうか。ヒトで発達している前頭前野の働きは間違いなく、人間らしさの1つといえます。これまでご紹介した、ワーキングメモリやありとあらゆる欲求に打ち克つ理性の動きなどは人間ならではのものだと考えられます。
また、ドーパミンの働きで、報酬を期待し、報酬が最大になるように行動を選択するという生物的な性質は、過去から学び、未来を志向するという脳内タイムトラベルを可能にします。あの時こんなことがあった、という経験に基づく記憶であるエピソード記憶は、ヒトを人間たらしめる要素の1つではないかと考えられています。動物にもエピソード記憶を持つものがいるという報告もありますが、ヒトでは、エピソード記憶を保持できる期間が他の動物よりも長期間におよぶため、自己同一性が長期にわたって保持されています。そのため、子どもの頃の記憶から一貫して覚えており、果ては遠い未来のことまでを思い描くことができるのです。
これによって、想像力を働かせ、壮大な計画を立てて、計画を実現するために適切な行動を起こしたり、やる気を持続させたり、新しいことにチャレンジしたりということが可能になります。
前頭前野は、どちらかというとそういったドーパミン系から湧き上がってくる無限の欲求に対してブレーキをかける働きがあると考えられます。事実、ドーパミン神経系の回路は、前頭前野にも作用しますが、フィールドバックしてくる回路もあることが知られています。幼い子どもやお年寄り、依存症の患者では、この前頭前野の働きが未発達だったり弱まったりしているために、抑制が効かなくなると考えられています。
前頭前野は、理性に基づいてビンバシと白黒つけていくようなイメージがありますが、実際はそうではないということも示されています。理性は単に選択肢を増やすだけで、意思決定には関与できないのです。
実際に、我々がエイヤと決定する時に働いているのは、前帯状皮質と呼ばれる共感や情動などにも関与する領域であるといわれています。この領域に障害を負ったある女性は、選択肢が増えるだけで、まったく何も決定できなくなってしまったといいます。
情動と感情の区別
情動についてはここまでにも取り上げましたが、似たような言葉に「感情」というものがあります。しかし、情動と感情は明確に区別するべきであると思います。
とはいえ、情動と感情の区別は難しいのですが、最近私がもっとも腑(ふ)に落ちたのは、アメリカの認知神経者のマイケル・ガザニガによる説明です。ガザニガによれば、感情とは「情動を脳で解釈した結果の産物」であるといいます。つまり、体で感知した快や不快、恐怖などを言語化したものが感情として理解されるというのです。
脳にはさまざまな情報が入ってきますが、すべての情報に対応していたのではパンクしてしまいますし、場合によっては判断が遅れて命が危険になるかもしれません。そのため、情報が取捨選択され、情報の大半は情動として処理されます。しかしそれは言語化されないので、意識にのぼることがありません。仮に後から意識にのぼったとしても、うまく言葉にすることができない感覚として認識されます。「生理的に無理」や「なんとなくいや」「本能的に危険」などのあの感覚です。
これらの処理がすべて済んだ後に、脳で言語化されて、ああ怖かったとか、悲しいとか感情として意識されることになるといいます。
情動は、ヒトだけでなく、動物や昆虫などでも共通して見られる根源的な生理機能であることはすでに述べてきたとおりです。一方、感情は、言語によって解釈される必要があるという定義に則(のっと)れば、言語を持たない動物や昆虫には感情に相当するものは存在しないといえそうです。
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どうでもいい、じじぃの日記。
動物と人間の違いは何か?
「あの時こんなことがあった、という経験に基づく記憶であるエピソード記憶は、ヒトを人間たらしめる要素の1つではないかと考えられています。動物にもエピソード記憶を持つものがいるという報告もありますが、ヒトでは、エピソード記憶を保持できる期間が他の動物よりも長期間におよぶため、自己同一性が長期にわたって保持されています。そのため、子どもの頃の記憶から一貫して覚えており、果ては遠い未来のことまでを思い描くことができるのです」
人の意思決定には「前頭前野」と「前帯状皮質」が深く関わっているらしい。
叉、共感や感情に関与する「帯状回」とか「扁桃体」なども深く関係しているらしい。
「生理的に無理」や「なんとなくいや」「本能的に危険」などのあの感覚です。
そういえば、共感とか感情とかは、いかにも人間といった感覚だ。
この本によれば、この辺の感覚は「言語」と結びついているのだとか。