What is a Photon?
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Ⅱ 原子核の奥へ より
光子とは何ですか
アルベルト・アインシュタインが特殊相対性理論と、一般相対性理論を発見したことは、たいていの人が知っているだろう。しかしアインシュタインが量子物理学の誕生にも貢献していたことは、あまり知られていない。1905年、特殊相対性理論を発表し、空間と時間、質量とエネルギーを統一したのと同じ年に、アインシュタインはもうひとつ仮説を提出していた。光はプランクが提案したように、放出されたり吸収されたりするときに塊になるだけでなく、存在そのものからして塊になっている、と論じたのである。最初のうち、物理学者はそうした電磁エネルギーの量子を「微粒子」と呼んでいた。1926年に、アメリカの物理化学者ギルバート・ルイスが「光子」という名称を提案してから、その用語が定着するようになる。
英語では光子のことを「フォトン」といい、末尾の「オン(-on)」は、その単語が粒子であることを意味する。たとえば電子はエレクトロン、陽子はプロトン、ミュー粒子はミューオン、パイ中間子はパイオンである。しかし実際のところ、物理学者たちは最初から光子をれっきとした粒子として迎え入れたわけではなく、1930年代初めに、光子と電子との相互作用に関する反駁しようのない理論が出てきたところで、初めてこれが粒子であることを完全に認めるようになる。最初のうちは、明らかに波の特性を持っているものを粒子として考えることに、どうしても抵抗があったのである。波と粒子の二重性という性質を受け入れてからでさえ、質量を持たない粒子というのはなかなか想像しづらかった。
現在、わたしたちは光子を、電子やニュートリノやクォークとまったく同じように、粒子の一種だと認めている。ほかの粒子と同様に、光子にもエネルギーがあり、運動量があり、スピンがある。そして光子も生成と消滅ができる。