膵頭十二指腸切除術(PD)と再建法まとめ【腹部画像診断のコツ】
動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=U9n8KkcoG18
膵全摘術
すい臓がんの手術
すい臓がんドットコム
手術は、最も高い治療効果が期待できますが、体への負担が大きく、合併症の危険も伴います。したがって、できるだけ手術の経験豊富な(手術件数の多い)病院で受けることが大変重要です。
●膵全摘術
がんがすい臓全体に広がっているときには、全摘術になります。切除範囲は、すい臓全部と十二指腸、胆管、胆のうです。切除後は、小腸と残った胆管、胃をつなぎ、食べ物と胆汁の通り道を確保します
https://suizogan.com/treatment/operation.html
すばらしい医学―あなたの体の謎に迫る知的冒険
【目次】
はじめに
第1章 あなたの体のひみつ
第2章 画期的な薬、精巧な人体
第3章 驚くべき外科医たち
第4章 すごい手術
第5章 人体を脅かすもの
おわりに
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『すばらしい医学―あなたの体の謎に迫る知的冒険』
山本健人/著 ダイヤモンド社 2023年発行
第1章 あなたの体のひみつ
なくても生きられる臓器、生きられない臓器 より
臓器の役割
私たちの体に無駄な臓器は1つもない。ただし、「なくても生きられる臓器」は多い。いくつか例をあげてみよう。
胆石などが原因で、胆嚢(たんのう)を摘出する手術を受ける人は多く。胆嚢は、なくても生活に大きな影響を与えない臓器ある。肝臓でつくられた胆汁を一時的に溜めておく「ため池」が胆嚢であり、何かを産出するわけではないからだ。
大腸も、実はすべて摘出できる臓器である。さまざまな大腸の病気で「大腸全摘」が必要になる。もちろん、生活に不便が生じるのは事実だ。大腸がないと便の水分量が多くなり、排便回数が増えてしまう。大腸全摘は、やむを得ないときのみに行なわれる手術である。
一方、小腸をすべて摘出すると生きられない。小腸は、生きるために必須の栄養分の吸収を行っているからだ。点滴で栄養分を補えばある程度は生き続けられるが、厳密にすべての栄養素を点滴のみで補うのは難しい。ただし、数メートルもの長い臓器であるため、部分的に切除することは容易にできる。
膀胱がんなどで、膀胱をすべて摘出することもある。膀胱はなくても生きていけるが、「代役」が必要だ。小腸を使って尿を溜める袋(人工膀胱)をつくるのが一般的である。これを尿路変向術と呼ぶ。
腎臓は左右に2つあるため、片方を摘出しても生きていけるのはもちろんだが、両方摘出しても生きていける。ただし機械に腎臓の代わりをしてもらわなければならない。これが「透析」である。もちろん、生きている限り定期的に病院に通って透析を受け続けなければならないため、生活に与える影響は大きい。
一方、肝臓をすべて摘出しては生きられない。肝臓は500以上の化学反応を担う人体の化学工場といわれ、その機能をすべて肩代わりできる機械は実用化されていない。機能があまりに多様すぎるのだ。
ただし、肝臓がんなどの病気で肝臓を部分的に切除することはある。健康な肝臓であれば、6~7割くらいまでは切除が可能だ。残りの肝臓が再生し、もとの機能を維持するからである。
なお、腎臓や肝臓は他人から移植することができる。肝臓も、他人の臓器で替えがきくという意味では、全摘出は一応可能だ(なしでは生きていけないが)。
似たようなことは、肺や心臓にもいえる。肺や心臓なしで人は決して生きていけないが、他人から移植することはできる。
では胃はどうだろうか?
正解は、「すべて摘出が可能な臓器」である。胃がんなどで、胃をすべて摘出する手術を「胃全摘」と呼ぶ。また、胃を部分的に切除し、3分の1から4分の1ほど残す手術もある。病変の位置によって胃を残せるか否かが決まるのだ。
全摘すると補充が必要になる物質
胃をすべて摘出すると、数ヵ月から数年で貧血が起きる。貧血とは、赤血球の数が減ることである。なぜだろうか?
実は、赤血球をつくるのに必要な鉄分とビタミンB12の吸収に、胃が関わっているからである。
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胃のように、「すべて摘出はできるが、何かの補充が必要になる臓器」は他にもある。代表的なのが膵臓だ。