じじぃの「科学夜話・第3講・電子・シュレーディンガーの猫!宇宙の雑学」

シュレーディンガーの猫とは?物理たんが解説!

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=V14KukYnNB0

水素の原子モデル


第1回:原子の構造

2017.01.20 産業技術総合研究所
1.2. 量子力学
電子は点ではなく、もやあとした確率の雲で表現される。
つまり、電子がこのあたりにいる確率が高いとか低いといった表現で表される(ただし、電子が存在する確率が高い場所をつなげると軌道と思われる形になることはなる、下の図(画像参照)はそうやって描かれた)。
https://staff.aist.go.jp/a.ohta/japanese/study/REE_ex_fc1.htm

『宇宙とは何か』

松原隆彦/著 SB新書 2024年発行

第3講 ミクロの世界へ

電子はどこにあるのか? より

ともあれ、ミクロの世界では、古典力学はまったく使えません。もう考え方からして違っていて、「電子がここにありますよ」という記述すら、間違っています。

原子は、原子核と電子で構成されいると、学校で習いました。
図(画像参照)の左の図が、学校の教科書に載っているような原子モデルです。でも、これはわかりやすく描いただけで、誤解を恐れず言ってしまえば嘘ですね。電子は右のように、ぼやーっと広がっちゃっています。なぜなら、波の性質を持つからです。粒と違って、波って場所がよくわからない。それと一緒なのです。

でもたとえば水素なら電子が1個みたいに数はわかるわけですよね。

そうです。数は数えられます。なのに、場所はわからない。これがもうみんな、それこそ物理学者から何からもうみんな、わけが分からなくなってしまい、「そんなバカなことがあるのか」みたいなことを散々議論したわけです。しかし実際そうなのだから、最終的に「もうこれを受け入れるしかないよね」というのが、量子力学なのです。
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シュレーディンガーは、粒子が持つ並の性質を数学的にあらわす方程式を探し当て、量子力学を発展させました。

ただ、方程式を見つけた当初は、その「波動関数」が何をあらわしているのかわかりませんでした。「確率をあらわしているのだ」という解釈をしたのはマックス・ボルンという理論物理学者です。いつ、どこで、粒子が見つかりやすいかを教えてくれる関数なのだということです。

しかし、逆に言うと、確率しかわからないというのが、奇妙に感じます。
古典力学では、理論に基づいて物体の運動を確実に予言することができます。ところが、量子力学では、確率的に予言するすることしかできません。あるのは波動関数という確率の波だけ。それも、位置や速さがはっきりあらわされるわけではなく、どの位置にありやすいか、どれだけの速さを持ちやすいかという漠然としや情報です。

ただ、人間が観測した瞬間に、複数あった可能性が1つの結果に決まります。たとえば電子の位置の確率は雲のように広がっていたのに、測定した瞬間に、見つかった位置の確率が1となり他の位置にある確率が0になります。

シュレーディンガーの猫

シュレーディンガーの名前は「シュレーディンガーの猫」という有名な思考実験で一般に知られています。非常に難しい話ではありますが、なるべく簡単に説明してみましょう。

量子力学の世界では、すべては確率的なものであって、人間が観測した瞬間に1つの結果が決まるということがわかりました。これを世界全体に広げてみると、実はすべてのものが複数の結果が重ね合わさった状態にあり、人間が「見る」ことによって1つの確定した世界だけを選び取ってしまうのだと考えることができます。

人間の意識が測定値を判断するまでは、複数の結果が共存して重ね合わさっている状態なのだ。数学者のジョン・フォン・ノイマンや、物理学者のユージン・ウィグナーはそのように考えました。

そこで出てくるのが「シュレーディンガーの猫」です。シュレーディンガーは、彼らの考え方に対して「いや、それは変じゃないか?」と言うために、こんな思考実験を例として挙げました。

ラジウムなどの「放射線元素」は、放っておくと放射線を出して崩壊し、別の元素に変ってしまうという性質があります。いつそれが起こるのかは量子力学的な確率に左右されるため正確に予言できません。これを使って、ある装置を作ります。放射性元素から出た放射線を検出したときに毒ガスが出るよう設定した箱です。そこに猫を入れます。

箱を開けてみるまで、猫が生きているのか死んでいるのかわかりません。この装置をセットして一定時間を置いたときに、放射性元素が崩壊している確率、つまり毒ガスが出ている確率が50%だったとしましょう。

人間が見ることで1つの結果に決まるが、見なければ複数の結果が重ね合わさった状態であるなら、箱を開けるまで猫の生死も決まった状態にないということになります。生きている猫と死んでいる猫が重なり合っていて、箱を開けて見た瞬間にどちらかに決まるわけです。

「そんなおかしなことがあるだろうか?」というのがシュレーディンガーが言いたかったことです。

私たちの常識に照らして考えたら、そんなことはありえないと言いたくなりますね。箱を開ける前からそこのは、死んだ猫か生きた猫のどちらかがいるわけです。死んだ猫と生きた猫の重ね合わせだなんて! しかし、量子力学的な解釈では確かにそうなります。どっちなのでしょうか。

電子だったらいいんです。目に見えないミクロの世界の話なら、直感とずれていても別に構わない。でも、猫となると、直感と合わないことがどうしても気になります。

ただ、2023年になって、肉眼でギリギリ見えるサイズでの実験が成功したと報じられました。スイス連邦工科大学の実験では、原子を1京個集めた塊を量子的な重ね合わせ状態にできたというのです。

それなら、猫のような大きさでも確かに量子力学的な重ね合わせが起きるのではないか。そう考えることも、間違いではありません。

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じじぃの日記。

松原隆彦著『宇宙とは何か』という本に、「シュレーディンガーの猫」というのがあった。

「原子は、原子核と電子で構成されいると、学校で習いました。図(画像参照)の左の図が、学校の教科書に載っているような原子モデルです。でも、これはわかりやすく描いただけで、誤解を恐れず言ってしまえば嘘ですね。電子は右のように、ぼやーっと広がっちゃっています。なぜなら、波の性質を持つからです。粒と違って、波って場所がよくわからない。それと一緒なのです」

光は粒でしょうか、波でしょうか。

光に限らず、ミクロな世界では粒子が波の性質を持つのです。

水素原子のように原子核の周りを回っている電子は、波のように揺らいで回っているので電子がどこにあるのかは不確定で、雲のように広がっているというのはイメージしやすい。

「電子だったらいいんです。目に見えないミクロの世界の話なら、直感とずれていても別に構わない。でも、猫となると、直感と合わないことがどうしても気になります」

「それなら、猫のような大きさでも確かに量子力学的な重ね合わせが起きるのではないか。そう考えることも、間違いではありません」

アインシュタインは、サイコロを振るみたいに確率でしか位置が分からないような理論は「不完全」なものだ、と考え、量子論を生涯受け入れなかったという。

私にも、「シュレーディンガーの猫」はどうしても受け入れられません。(^^;;