じじぃの「あるすい臓がん患者の闘病記・内臓の手術としては最難度!いのちとがん」

すい臓がん

すい臓がん:5つの初期症状

みんな健康 ウエルネス
1.下腹部の痛み
2.下腹部消化器官の異常
3.黄疸が出る
4.急激な体重の減少
5.便の変化
https://minnakenko.jp/suizou-gan-utagau-itsutsu-shokishoujou/

〈いのち〉とがん

岩波書店 著者 坂井律子
“絶体絶命”の状況を人はいかに生き得るのか.
突然の膵臓がん宣告,生きるための治療選択,届かぬ患者の声,死の恐怖.
患者となって初めて実感した〈いのち〉の問題を,赤裸々に真摯に哲学した「がん時代」,未来への提言.

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『〈いのち〉とがん 患者となって考えたこと』

坂井律子/著 岩波新書 2019年発行

治療――突然がん患者になった私 より

入院から手術まで2週間。毎日なんらかの検査と、その結果説明がある。ドクターだけでなく、病棟看護師、薬剤師、栄養士、そして手術に向かって、手術看護師、麻酔科医とさまざまな人たちが病室を訪れた。このなかで、私の担当となった看護師からの「術後についてのレクチャー」に。私たち夫婦は震え上がった。
まず、示されたのが「術後、こんな感じでICUから帰ってきます」という説明用のイラストだった。そこには、包帯でまかれ、管を何本も体から出した患者の姿が描かれているのだがどう見ても、「瀕死のミイラ」にしかみえない。
とにかく、私が受ける手術は「消化器分野でもっともむずかしく、患者負担が大きいものの1つ」である「膵頭十二指腸切除」なのである。

学ぶ――患者としての好奇心 より

私の病気は「湿潤性膵管がん」であり、手術と化学療法、放射線治療を組み合わせた治療を行う。これを「集学的治療」と言う。
手術は膵頭十二指腸切除、門脈に湿潤している可能性が高いため、門脈合併切除を行う。手術時間は8~9時間、切除に5~6時間、その後つなぐのに3時間かかる。出血量は500cc胃内。開腹して肝転移や離れたリンパ節への転移がみつかると、切除しないで手術を中止する。
手術の合併症は膵液漏(膵液が漏れて内臓を溶かす)と、胃内容排泄遅延、短期的には感染症エコノミークラス症候群、肺炎、せん妄など。3週間ほどで退院の予定だが、退院後は体重減少、低栄養、胆管炎、血糖値上昇などのリスクがある。
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私は、主治医がごく最初に出した「集学的治療」という言葉が印象に残った。「チーム医療」という言葉は聞いたことがあるが、「学を集める=集学」という言葉は初めて聞く言葉だった。どういうことなのか、もう少し聞きたい気がした。
また、「膵頭十二指腸切除」の言葉が出た時には、パソコンに「膵頭十二指腸切除の歴史」というパワーポイントが映し出されていた。主治医は、「1930年代から行われてきたんですが、これをやっていると時間がないので……」とその資料を飛ばして先に進んだ。
膵頭十二指腸切除は、がんができた膵臓の十二指腸寄り(膵頭部)と、十二指腸、胆のうすべて胆管、胃の一部、周辺のリンパ節を切除する大がかりな手術である。消化器の集中する要のような場所であり、重要な神経や血管も数多い。このため、内蔵の手術としては最難度、かつ患者の負担の最大、と言われる。その手術が1830年代から行われてきたという。

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どうでもいい、じじぃの日記。
『〈いのち〉とがん』の著者は、2016年5月にすい臓がんの診断を受けた。
最初 胃の痛みに「逆流性食道炎」と診断された。その後のエコー検査で黄疸がわかった。
すい臓はちょうど胃の後ろにある長さ20cmほどの薄っぺらな臓器で、十二指腸の内側に接して連続しており、左の端は脾臓につらなっている。
すい臓がんの5年生存率は9%なのだそうだ。
著者は、2018年11月に58歳で亡くなった。