じじぃの「ジム・ロジャーズ・2030年世界地図・第1章・BRICS・インド!お金の雑学」

Top 30 Economies by 2030 - IMF's GDP Forecast

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=cqTbKlUlX7I


   

India’s GDP to Grow 3-fold by 2030

24/04/2017 Money Musingz
India is well poised to become the third-largest economy by 2030, surpassing four developed nations - Japan, Germany, Britain and France - according to projections by international agencies.
https://moneymusingz.in/indias-gdp-to-grow-3-fold-by-2030/

『2030年 お金の世界地図』

ジム・ロジャーズ/著、花輪陽子、アレックス・南レッドヘッド/訳 SBクリエーティブ 2024年発行

ガザ・イスラエル紛争、ウクライナ戦争、台湾有事……。私たちは、人類史上類を見ないほどの混迷の時代を迎えている。世界的混乱はこれからの世界の「お金の流れ」を大転換させつつある。これからの日本と世界は、一体どこへ向かうのか。10年後のお金の世界地図!

第1章 未曽有の大潮流に乗り遅れるな――戦争、世界インフレ、一体一路構想……

BRICSは、机上の空論にすぎない より

私がBRICSに懐疑的な理由
BRICSとは、ブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド( India)、中国(China)、南アフリカ(South Africa)の5ヵ国の頭文字を合わせた造語である。

南アフリカを除く4ヵ国を示すBRICsについて、ゴールドマン・サックスが2003年に発表したレポートの中で「2039年までに経済規模が現在のG6(米日独仏英伊)の合計を上回る」と予測したことで注目が集まるようになった。

BRICS5ヵ国は広大な国土と豊富な天然資源を有し、人口も多いという共通点がある。国土面積でいえばロシアが世界1位、中国4位、ブラジル5位、インド7位、南アフリカ24位であり、合わせれば世界の約3割に相当する。人口は5ヵ国で世界人口の約4割を占め、世界経済に占めるシェアは2022年には26%に上っている。

BRICSは中国、ロシアを中心に加盟国の拡大を目指しており、2023年8月首脳会議ではアルゼンチン(後日、加盟取りやめを表明)、エジプト、エチオピア、イラン、サウジアラビアUAEの新加盟を決定している。

ただ、私はBRICSについて懐疑的な立場を取っており、中身の伴わない集合体だと考えている。

BRICSは、リアルな世界を知らない人間が地図を広げ、大きな国を集めてみただけに過ぎない。同列に取り上げるのは無理がある。

秀逸な略語を思いつき、流行させたセンスには関心するが、一枚岩となって世界経済にインパクトをもたらすとは考えにくい。要するにBRICSの経済協調は「机上の空論」ということだ。

ブラジルが抱える諸問題
ここからは個別の国に目を向けていこう。
ブラジル人に会うと「次の大国はブラジルだ」という話を聞くが、彼らは昔から同じ話を繰り返しているだけで、現在を見ればブラジルの経済成長率は中国やインドに比べてかなり見劣りする。

ブラジルは商品の暴落の振れ幅が大きいところに問題がある。相場が急騰するときは素晴らしいのだが、軍時クーデターが起きたりするとすべてが崩壊して、一気に下落する。
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2022年のブラジルの実質GDP国内総生産)成長率2.9%と、2年連続でプラス成長を維持しているが、私自身はブラジルが経済大国になることはないと考えている。

インドは世界第2位の大国にはなれない
インドは世界第7位の国土面積を有し、14億1717万人(2022年)の人口を抱える大国である。

今や中国を抜いて世界一の人口大国となったインドは、人口ボーナス期の恩恵を受け、経済成長のただ中にある。2027年にはGDPアメリカ、中国に次ぐ世界第3位に浮上すると予測されており、中国に次ぐ超大国はインドになるという見方も多い。

しかし、私自身はインドをそれほど高く評価していない。

インドはこれまで国境を閉じ、経済規制を行って国内産業を保護しようとしてきた。

私はモディ首相の就任後1年間の政権運営を踏まえて、持っていたインド株をすべて売却した。それまでは改革に期待していたのだが、一向に変わる気配がなく失望してしまったからだ。

インドの債務残高は毎年、右肩上りで増え続けている。モディ政権は、外資規制緩和、大型インフラ投資計画などに取り組んでいるものの、大幅な財政赤字が慢性化している。

しかも2024年に総選挙を控えていることもあり、本格的な財政再建は後回しにされている。本来は歳出を減らす取り組みを勧めるべきなのだが、現状はそれができていない。

インドを評価する人の多くは、自分の足でインドを訪れたことがないか、訪れたとしてもタージマハルなどの有名な観光地をめぐっただけなのだろう。

インドの実情に目を向ければ、発展を阻害する要因がいくつも見つかるはずだ。
たとえば、この国がインド・アーリヤ族、ドラビダ族、モンゴロイド族などの民族が共存する多民族国家であることは、その要因の1つだ。

紙幣に17の言語が書かれていることからもわかるように、インドには数多くの言語が存在している。
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インドでは英語が使われているイメージもあるが、実は英語を使用できる人は人口の10%強で、流暢(りゅうちょう)に話せる人となると4%ほどしかいない。

また、宗教も非常に多様であり、人口の8割を占めるヒンドゥー教徒以外にも、イスラム教徒14.2%、キリスト教徒は2.3%、シーク教徒1.7%、仏教徒0.7%、ジャイナ教0.4%と多種多様だ。細かく分けると2000もの宗教があるとされている。

中でもヒンドゥー教イスラム教の対立は根強く、2020年以降は過激派ヒンドゥー教徒によるイスラム教徒襲撃事件が多発している。

大気汚染と水不足が深刻化しているのも大きな足かせとなっている。

インドは広大な国土に、多様な民族、宗教、言語を持つため、国家の統一に多大な労力を要してきた。彼らが国家を統一する手段として確立したのが、強力な官僚制度である。

インドが経済発展を遂げるにあたって、官僚制度が大きく貢献してきたのは否定できない。一方で、官僚制度が持つ硬直性が経済停滞の大きな原因となっているのも事実だ。

インドの汚職金権政治は世界最強レベルといわれており、縁故主義がまかり通り、特定の人たちに利権が集中する構図が固定化されてしまっている。

彼らは官僚主義の弊害を改善しようとしているが、その歩みは決して速いとはいえない。そのせいで、イランやサウジアラビアが行っているような対外開放に向けた大きな動きは見られていない。

歴史上、まとまりのない国は成功しない
私の知るかぎり、まとまりのとぼしい国家は、大きな成功を収めることができない。

たとえば、アメリカは英語という1つの言語を通じて国家としてのまとまりを形成してきた歴史がある。アメリカに移民する場合、英語を使いこなす必要があり、移民たちは成功するために必死で英語を身に付けてきた。

しかし、インドではヒンドゥー語を学ばなくても生活していくことができる。国家的にまとまりがないのも当然だ。

もちろん、優秀なインド人実業家を見つけることができれば、インドに投資する価値はある。ただし、インドでは教育レベルの高い優秀な人材がアメリカをはじめとする海外に流出する状況に歯止めがかかっていない。

そもそもインドでは初等教育の就学率が100%に近い一方で、劣悪な教育環境や教員の質の低さなどから、中退者が多く中等教育に進む生徒が少ない。国内に優秀な人材を増やすためには、抜本的な改革を行う必要がある。

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じじぃの日記。

ジム・ロジャーズ著『2030年 お金の世界地図』という本に、「インドは世界第2位の大国にはなれない」というのがあった。

ジム・ロジャーズ、

「しかし、私自身はインドをそれほど高く評価していない」

人口14億人を超えるインド。
目覚しい経済成長で注目されるこの国は、「世界最大の民主主義国」を自負する国である。

そのインドは世界一のネット遮断国なのだそうだ。

デジタル人権擁護団体のアクセス・ナウが28日に公表した報告書によると、2022年にインターネットの接続遮断件数でインドが他国を圧倒的に上回り、5年連続で首位となった。
          ロイター(Reuter) より

インド政府は、SNS上で広まったデマに煽られた暴力や暴徒を防ぐために、遮断が必要だと主張している。

ジム・ロジャーズ、

「インドを評価する人の多くは、自分の足でインドを訪れたことがないか、訪れたとしてもタージマハルなどの有名な観光地をめぐっただけなのだろう」

もうすぐ、フランスのパリでオリンピックが始まる。(2024年7月26日~8月11日)

オリンピックでのメダル獲得数は国力を表す指標の1つだ。

インドはオリンピックでのメダル数は上位30ヵ国にも入っていない。

2030年にはGDPアメリカ、中国に次ぐ世界第3位になると予測されているが、本当だろうか。