じじぃの「未解決ファイル_325_シオン賢者の議定書」

世界の奇書をゆっくり解説 第13回 「シオン賢者の議定書」

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=T5dywBXX7rc

シオン賢者の議定書


The Protocols of the Elders of Zion

The University of Chicago Library
https://www.lib.uchicago.edu/collex/exhibits/red-press/protocols-elders-zion/

ホロコースト
ウィキペディアWikipedia) より
ホロコースト(The Holocaust)とは、第二次世界大戦中の国民社会主義ドイツ労働者党(ナチ党)支配下ドイツ国ナチス・ドイツ)やその占領地においてユダヤ人などに対して組織的に行った絶滅政策・大量虐殺を指す。
ホロコーストで犠牲となったユダヤ人は600万人以上とされている。

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『絶対に明かされない世界の未解決ファイル99』

ダニエル・スミス/著、小野智子+片山美佳子/訳 日経ナショナルジオグラフィック社 2022年発行

シオン賢者の議定書 より

【未解決ファイル 過激な反ユダヤ主義をあおった偽文書】
『シオン賢者の議定書』は19世紀末から20世紀の始めにかけて出回った偽書で、高位のユダヤ人指導者”シオンの長老たち”が集まり、世界征服計画について話し合った議事録とされている。1921年にねつ造文書であることが確認されているにもかかわらず、文書はロシアから全世界へと、反ユダヤ主義をあおり立てながら恐ろしい方向へ独り歩きする。この偽文書を書いたのはいったい何もだったのだろうか。

最初に『議定書』が公開されたのは1903年で、その数年前に開かれた会議の議事録という体裁をとっていた。ユダヤ人が非ユダヤ人の道徳を破壊し、世界の銀行やメディアの操り、世界制覇を実現しようとする陰謀が記されているのだという。古くから消えることがない反ユダヤ神話と融合して、それから3年の間に多数のロシア語版が生まれた。

当時ロシアは、1905年の日露戦争での敗北や、それに続く革命運動が生んだ社会不安をユダヤ人のせいにしようとする動きが強まっていた。議定書が出回ったのは、改革派に譲歩すれば世界支配を企むユダヤ人の思うツボだということを、ロシア皇帝ニコライ2世に納得させるのが目的だったという見方もある。

1917年の10月革命後、国外に逃れた反政府派の「白系ロシア人」たちが議定書を西側に持ち込んだ。ユダヤ人は、革命を主導したレーニン率いるボリシュビキ派だと主張するためだ。議定書は特にヨーロッパで多くの読者を獲得し、さらに米国では自動車王ヘンリー・フォードが自ら出資して印刷し、50万部を発行した。

しかし早くも1921年には、議定書はねつ造だっとという強力な証拠が存在していた。ポーランドのカタジナ・ラジビウ侯爵夫人がニューヨークで行なった講演で、議定書についてこう語った。夫人はかつて1905年に議定書を見せられたことがあり、ロシア情報機関の高官の命令の命令に従って2人のロシア人ジャーナリストが書いたものだと聞かされたのだという。夫人の証言は間もなく英国の有力紙「タイムズ」の暴露記事によって裏付けられることになった。議定書の大部分は、1864年にフランスの政治風刺家モーリヅ・ジョリーの書いたナポレオン3世の統治を批判する作品からの盗用であることが明らかにされたのだ。
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だが、主な原著者の謎が解けたからといって、議定書がピョートル・ラチコフスキー自身(偽の議定書を指示した人物)の思いつきだったとは考えにくい。どこまで遡れば、ねつ造を命じた元締めにたどりつくのだろうか。他にどんなロシアの大物が、憎むべき贋作を本物と偽るのに手を貸したのだろうか。その反響の大きさや範囲を考えると、議定書は途方もない恐るべき陰謀の産物だと疑わざるをえない。

おそらく、この話に潜むもっとも深い闇は、人を欺くために造られた偽書どという確かな証拠があるのに、自分の政治主張を正当化するために議定書を利用する者が、いまだにあとを絶たないということだ。もともと20世紀初頭のロシアで、弱腰の皇帝ニコライ2世に、国政の敵に屈しないように促すための巧妙な策謀だった。それが、ユダヤ人に対する恐ろしい犯罪を正当化するために100年以上にわたって利用される道具へと変わってしまったのだ。

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じじぃの日記。

ダニエル・スミス著『絶対に明かされない世界の未解決ファイル99』という本に、「シオン賢者の議定書」というのがあった。

ユダヤ人差別

  ユダヤ人に対する差別と迫害は、ことにヨーロッパにおいては長い歴史をもっています。今から2000年ほど前、国を追われたユダヤ人たちは世界中に散らばっていきました。キリスト教の広まったヨーロッパでは、宗教や生活・文化の違いからさまざまな差別が起こり、また、国の政策が変わると、ユダヤ人が犠牲となることが多くありました。この反ユダヤ主義は、中世にはますます激しさを加え、十字軍の時代(12世紀~14世紀)には、たくさんのユダヤ人が殺されました。ペストの病気がはやったりすると、それもユダヤ人のせいにされ、大虐殺が起きました。15世紀には、ユダヤ人はスペインから追放され、放浪をくり返さなければなりませんでした。フランスやイギリスなど多くの場所で、このような悲劇がありました。
https://hecjpn.org/holocaust.html

なぜユダヤ人が憎しみのまとに?

  ユダヤ人に対する差別は、中世以来、すでにヨーロッパのキリスト教社会に根付いていました。キリスト教徒にとってイエス・キリストは救世主。それを認めないユダヤ人は、「キリストを十字架にかけて殺した罪びと」のレッテルをはられた。信仰の違いから忌み嫌われ、キリスト教への改宗を拒めば、追放、虐殺されることもありました。

  ユダヤ人は、土地を所有したり、職人の組合(ギルド)に加入したりすることを許されませんでした。すると、キリスト教徒が忌み嫌う「金貸し」の仕事をユダヤ人が担うようになり、「金の亡者」などという偏見が生まれます。経済的に豊かになるユダヤ人もいましたが、それはほんの一部にすぎませんでした。
https://www.npokokoro.com/why

ということで、いろいろな国でユダヤ人が迫害にあったのですが、特にロシアでひどかったようだ。

未解決ファイル 過激な反ユダヤ主義をあおった偽文書

「シオン賢者の議定書(プロトコル)」は、1905年にロシアで最初に出版された。

この議定書は、ユダヤ人が世界制服を企むための会議の議事録として世に出た。

ヒトラーは、「シオン賢者の議定書」を「中身が正しいかどうかどうでもいい」としながら広め、反ユダヤ感情を煽るのに利用した。

ナチスがこれを拡散させ、ユダヤ人弾圧を正当化したことで、ホロコーストにつながった。

この議定書は、「史上最悪の偽書」ともいわれる。