じじぃの「消化管内視鏡・まだまだ日本・世界シェア70%を占める!人体の雑学」

7月14日 なぜ内視鏡だけが世界シェア1位を取れたのか?

2022年7月13日 質問力マニア
内視鏡
調べてみました。
驚くのは日系企業のシェアがほぼ100%であることです。
他の医療機器では日本企業のシェアは非常に低くなっています。
NTTデータ研究所「我が国医療機器・ヘルスケア産業における競争力調査」のなかで、NEDOのデータをもとに機器別の市場規模と日系企業の世界シェアと売上高をまとめたものがあります。
https://note.com/kuuie/n/n0e0e49f90e5b

『すばらしい人体 - あなたの体をめぐる知的冒険』

山本健人/著 ダイヤモンド社 2021年発行

第5章 教養としての現代医療 より

内視鏡にまつわる誤解

内視鏡」というと、まず胃カメラや大腸カメラを思い浮かべる人も多いのではないだろうか?
これらももちろん「内視鏡」の1つだが、胃カメラや大腸カメラで覗くのは消化管の中、すなわち、食道や胃、大腸の内腔である。一方、腹腔鏡や胸腔鏡では、消化管の外の壁は見えても、内腔を見ることはできない。消化管の壁を隔てて内と外、見ている世界は別である。

厳密にいえば、消化管の中は「体の中」ではなく「体の外」である。消化管の中は、外の世界と連続した空間だからだ。口の中を含め、消化管内には多くの細菌がすみ着き、私たちと共生しているのは前述の通りだ。一方、消化管の壁を隔てた領域は正真正銘「体の中」であり、無菌の空間である。腹腔鏡や胸腔鏡で見るのは、後者のほうだ。

余談だが、腹腔鏡で胃がんや大腸がんの手術を行う際、消化管の内腔は見えないため、「外壁」に変化を起こさない初期段階なら、がんの位置がわからない。従来の開腹手術なら手で触って位置を確認できるが、内視鏡手術ではお腹の中に手は入らない。よって、このままでは「どこを切ればいいのか」が外科医にはわからない。

そこで、手術前に胃カメラや大腸カメラを用い、腫瘍の近傍に墨汁を注入し、外壁から黒い色調を確認できるようにするのが一般的だ。あるいは、手術中に胃カメラや大腸カメラを行い、その場で位置を確認しながら切るラインを決めることもある。

同じ「内視鏡」でも、その用途は全く異なるのである。

世界最初の胃カメラ

生きた人間の胃の中が初めて覗き見られたのは、1868年である。
ドイツの医師アドルフ・クスマウルが、剣を呑み込む大道芸人を相手に試したのが最初だ。このとき使われたのは、直線的な金属の音であった。

一方、胃の中を写真撮影できる世界初の胃カメラを開発したのは、日本企業のオリンパスである。1952年のことだ。この時点ではまだ静止画の撮影しかできず、その名の通り「胃カメラ」でしかなかったが、本体は「軟性(フレキシブル)」で曲げることができた。

1960年代には、ついにリアルタイムで胃の中を観察できるようになった。新たな素材、グラスファイバーによって実現した技術だ。光を伝える「曲がるガラス繊維」である。この後、映像技術の進歩とともに内視鏡は急速に進歩し、現在はハイビジョンシステムによって高画質な映像が実現されている。

近年は、単に観察するだけだった胃カメラや大腸カメラを使い、ごく初期の胃がんや大腸がんを削り取る治療が広く普及した。これを一般に「内視鏡治療」と呼ぶ。ある程度の深さを超えると手術が必要になるが(無理やり削り取ると穴が開いてしまう)、浅いものは手術なしで治療できてしまうのである。

消化管内視鏡については、オリンパスは世界市場の約7割と圧倒的なシェアを占めている。この領域で世界をリードするのは日本企業なのだ。

                  • -

どうでもいい、じじぃの日記。

「消化管内視鏡については、オリンパスは世界市場の約7割と圧倒的なシェアを占めている。この領域で世界をリードするのは日本企業なのだ」

内視鏡」などは、一種の光学機械だ。

スマートフォンなどは、あまり高度なレンズを使っていなので日本製はほとんど占めていない。

高度なレンズを要求される業務用コピー機(複合機)の世界シェアは日本が70%を占めている。
https://big-up.co.jp/zerocopy/post_column/column-0019-copy_manufacturer_ranking/

中国が、日本製の複合機を分解して調べているのだとか。
(中国政府は2022年、複合機などオフィス機器の技術に関する「国家標準」の策定を開始した。外資メーカーに中国での開発、生産を迫っている)

高性能の半導体製造装置なんかも、日本がかなりのシェアを占めているようだ。

まあ、「消化管内視鏡」などは、マネされてしまうような感じがしていたのだが、それでも世界シェア70%を占めているのだとか。