狹路相逢勇者勝!6月3日晩,中國軍艦斜插到闖入台灣海峽的美軍軍艦前,最近距離僅137米!
狭路相逢勇者勝
エコノミスト360°視点 米国との「極限状況」に備える中国 より
ブリンケン米国務長官が6月に中国を訪問した。米政権の低姿勢で執拗な要請の末の訪問だった。現在の米中関係は、それほどまでに悪化の一途をたどっている。
その一方、経済分野では欧州だけでなく米国でも、「デリスキング(リスク低減)」が「デカップリング(分断)」に代わって、対中政策のキーワードとなっている。地政学的には最大の競争相手であり、価値観・イデオロギーで対立しつつも、経済的利益は享受するアプローチだ。
中国も政経分離のアプローチで、米政権に揺さぶりをかけている。米マイクロソフトの創業者、ビル・ゲイツ氏を習近平(シー・ジンピン)国家主席との会談で厚遇したのはその一例だ。
筆者はかねて「冷和」というコンセプトで米中関係を分析してきた。そのコンセプトで現状を描くと、両国の対立は冷戦時代の米ソに匹敵、ないしはそれ以上のレベルに先鋭化しているが、ともに経済という「和」にしがみ付こうとしている。
米国と中国は、政経分離である種の共存関係が形成できると期待しているようだが、その可能性は極めて低いだろう。当面、米国が覇権国のステータスを放棄し、自由民主主義の守護神の座を降りることはない。中国も、自らの伝統文化と共産党体制の結びつきで普遍性を持つ文明を築いたことに、大きな自信を持つようになったからだ。
民主主義国の政治家は、選挙や利益集団などに影響されがちだが、中国共産党指導者の最重要課題は常に政権維持だ。米中衝突の不可逆性に対しても、より的確な認識を持っているのかもしれない。
習主席は5月30日の党中央国家安全委員会で幹部に対し、ボトムライン思考(最悪の事態を想定した思考)を意味する「底線思維」だけでなく、「極限思維」(極限的な状況を想定した思考)という言葉を使い、「強風と荒波による厳しい試練に備えよう」と強く求めたという。習主席はこれまで「底線思維」を強調してきたが、「極限思維」を用いたのは初めてだ。 党中央専門家の説明によると、「極限思維」は劇的に悪化した外部環境への対応として考案されたコンセプトだという。明言はしていないが、主として米国との関係を指しているとみてよかろう。
昨今の中国の対米アプローチをみると、「極限思維」が既に2つの点で大きなインパクトを与えているようだ。1つは戦争に備えること、もう1つはより有利な環境を整えるため、あえて極限的な状況を作り出すことだ。
中国には「狭路相逢勇者勝」ということわざがある。衝突が避けられない狭い道で対峙すると、勇ましい方が勝つという意味だ。
最近、米軍機と中国軍機のニアミスや、米軍艦と中国軍艦の異常接近が相次いだ。「極限思維」で改めて考えれば、中国がどうして米国との軍事対話再開を拒否したのか、おおよその理由が分かるような気がする。
今後しばらくの間、「デリスキング」と「極限思維」は米中関係の大枠を形作ることになりそうだ。