じじぃの「歴史・思想_589_福島香織・台湾に何が・第4次台湾海峡危機が近い」

緊急!第4次台湾海峡危機に政治への提言を進めています!小野田治元空将 江崎道朗 渡瀬裕哉 倉山満【チャンネルくらら】#新常態 #EEZ

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=BdWDjlM2bn4


報道1930

2022年9月29日 BS-TBS
【キャスター】若林有子、松原耕二 【コメンテーター】堤伸輔 【ゲスト】高原明生(東京大学大学院教授)、柯隆(東京財団政策研究所主席研究員)、江藤名保子(学習院大学教授)
習近平国家主席は29日、日中国交正常化50周年に合わせて、日本の岸田文雄首相と祝電を交換した。

両国のメッセージから読み取れるもの

中国共産党や軍のトップにも立ち、中国国内の権力を一手に握っている習近平国家主席
松原耕二、「絶対的な権力者である習近平氏がメッセージの冒頭、『私は中日関係の発展をとても重視している』と語った。『私は』という言い方、意外とこの言葉は中国国民に強い印象を与えたのではないか」
https://bs.tbs.co.jp/houdou1930/

「台湾有事は日本有事」が現実に 中国演習で高まる脅威

2022/8/5 産経ニュース
中国が台湾周辺で4日に開始した軍事演習の想定に、沖縄・与那国島など日本への攻撃が含まれているとの台湾当局の分析が明らかになったことで、「台湾有事」が「日本有事」となる事態が起きうる現実が浮き彫りになった。
中国軍は今回、演習地域を台湾東部に拡大。1995~96年の第3次台湾海峡危機と比べ、台湾侵攻のシナリオに沿った、より実戦的な演習を行っており、脅威の度合いが高まっている。
https://www.sankei.com/article/20220805-RSTUBEU2VFNGXIMO4KL3JUZAWM/

『台湾に何が起きているのか』

福島香織/著 PHP新書 2022年発行

第1章 今、台湾に迫る危機 より

徹底した「戦狼外交」に舵を切る

米国のニューヨーク・アデルファイ大学文理学部院長で政治学教授の王維正は、この会談(7月28日の米バイデン大統領と中国の習近平国家主席とのテレビ会談)についてボイス・オブ・アメリカVOA)に対してこう語っていた。
「もともと第20回党大会前の敏感な時期に、習近平は米中大局を重んじて、この会談でバイデンから両国の経済問題などのテーマでうまく討論したいという思惑があった。しかし習近平は外交辞令をいわず、気勢を上げて人を責めるタイプの人間であったので、この会談では何らコンセンサスは得られなかった」
習近平は下手な戦狼外交で、非常に強引な話をした。来たる党大会で安定的に第3期目の任期を継続したいなら、本当は中米関係をうまくすることが絶対重要だったのに」「なのに、火遊びをする者は自らを燃やす、などといってしまった。習近平は米国が台湾問題を扱う態度を火遊びと形容した。それで、彼の発言は彼の部下の戦狼外交と何ら変わらないものになってしまった。中国外交は現在上から下まで全部強硬派となった」

こうして習近平は党大会直前のタイミングで、徹底した戦狼外交に舵(かじ)を切ったのだった。

この習近平の戦狼外交ぶりに、ネット民たちは多いに盛り上がり、それをさらに煽(あお)るように『環球時報』の元主筆で特約評論家の胡錫進(こしゃくしん)は、ツイッターで米国を挑発するような暴言を次々と吐いた。
ペロシが台湾に行くなら、人民解放軍戦闘機が一定の距離を保ってペロシを乗せた専用機と並行して飛んでいって、一緒に台湾島に侵入し、ペロシの専用機が着陸する上をかすめるように飛んで大陸に帰ってきたらいい。台湾が我々の戦闘機に向かって攻撃することはできないだろう」

私たちは第4次台湾海峡危機の瀬戸際にいる

ペロシ訪台に関して、習近平政権として5日、対米8項目の抵抗措置(八項反制)を発表している。

①中米両軍の管区幹部間の通話の一時停止。
②中米国防部工作会談の事務レベル会談の一時停止。
③中米海上軍事安全交渉メカニズム会議の一時停止。
④中米不法移民送還に関する協力の一時停止。
⑤中米刑事司法協力の一時停止。
⑥中米国際犯罪取り締まり協力の一時停止。
⑦中米麻薬取り締まりに関する協力の一時停止。
⑧中米気候変動協議の一時停止。

さらに、米中軍事高官の直接連絡ルートも遮断したという。オースティン国防長官、ミリー統合参謀本部議長らは、本来、魏和鳳国防部長や李作成・中央軍事委員会連合参謀部参謀長と直接連絡がとれるルートを確保している。だがこの演習期間、米軍高官からの連絡に中国側軍部高官は一切応じていないらしい。おそらく軍総師である習近平の許可なしに、軍幹部たちが米軍側と対話することは許さない、ということだろう。

この状況を冷静に見れば、すでに私たちは台湾有事の入り口に立っている、ということではないか。少なくとも第4次台湾海峡危機の瀬戸際にいるという認識は持っていたほうがよいだろう。

この原稿を書いている段階で事態は激しく推移しており、先行き不透明な部分が大きすぎるので何ともいえないのだが、習近平が秋の党大会で連任することと、第4次台湾海峡危機が勃発するかどうかはかなりリンクしており、この動きは中台関係のみならず、日本や米国、そしてインド太平洋周辺国が関わる安全保障の枠組みを揺るがす大きなうねりになるかもしれない。