じじぃの「迷走神経・不細工な適応が脳を大きく発達させた?禁断の進化史」

ネアンデルタール人が絶滅したのはなぜ?|私たちの体に流れるネアンデルタール人の血!

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=YZQSSHQrwp0

人類最強のネアンデルタール人はなぜ絶滅したか?

2016.9.20 ほっこりと湯の山ブログ
環境に適合して生き残った種は、殆どその後大繁栄を築くことが多いようです。
これを人類に当てはめると、人類最強のネアンデルタール人は、体格に恵まれていたため、気象が安定してた時代には食べ物に苦労しませんでした。

しかし気象の大変革期には環境に適合できなくて絶滅しました。
しかし、ホモ・サピエンス=人は弱いがために、コミュニケーションが発達し、集団で助け合って生活するようになり、文明が生まれました。
やがて、それは文字の発見につながり、現在の大繁栄に繋がりました。
https://yunoyama.jp/blog/mikio/column/11782/

『禁断の進化史 人類は本当に「賢い」のか 』

更科功/著 NHK出版新書 2022年発行

第1部 智慧の実はどこにあったのか より

第6章 個性と自然淘汰

進化の道筋を疑う

一般に私たちヒトは知能が高いと考えられているが、その土台は、すでに人類と他の類人猿が分かれるまえに築かれていた。ここまでそういう話をしてきたが、少し長くなったので、簡単にまとめておこう。

霊長類の祖先は、おそらく捕食者を避けるために、木の上で生活するようになった。そのため、枝から落ちないように、距離を測りやすい前方を向いた眼が進化した。そして、霊長類の脳は、2つの眼から取得した情報を統合して距離を計算するようになった。

木の上で生活していたので、霊長類は果物を食べるようになった。そのためには、いつどこで果実が熟すのかを予測するようになる。その結果、空間的かつ時間的な地図を頭のなかにつくるために、脳の発達が促された。

果実を食べるようになった霊長類は体が大きくなった。しかし、そうなると、枝が折れて、地面に落下する危険性が高くなる。そういう事態を避けるために、木の柔軟性や力学的強度を理解する必要があった。

以上のような過程で脳が発達した霊長類は、脳を維持するため、あるいはさらに脳を発達させるためにも、深く眠ることが必要になった。そのため、木の上に寝床をつくるものが現れた。そして、寝床以外にも、さまざまな道具を使うようになった。それらはおもに木の道具で、地中の根を食べるための掘り棒や、シロアリ釣りに使う葉を取った枝などであった。
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私たちは、結果的にあのような道筋を通ってきたけれど、別の道を歩む可能性だってあっただろう。それはすばらしい進化の道筋だったかもしれないし、最低最悪の道筋だったのかもしれない。それはわからないけれども、私たちヒトが今のような状況になったのは必然ではなく、別の進化の道筋をたどる可能性もあったということだ。そのことは、いつも頭の片隅に置いておいたほうがよいだろう。

進化とは不細工なものである

進化のメカニズムは4つである。
自然淘汰遺伝的浮動(集団の遺伝子頻度が偶然によって変化すること)と突然変異と遺伝子交流(集団の間で遺伝子交換されること)だ。これらのうち、生物が生きていくために有利な形質を進化させる力があるのは、自然淘汰だけである。

生物の体はじつにうまくできている。空を飛ぶ鳥の翼や、超音波を出して暗闇でも周囲を「見る」ことができるコウモリの反響定位という能力に、私たちは目を見張る。あまりにもうまくできているので、これらが無計画な自然現象によってつくられたとは、にわかには信じがたいほどだ。

そのため、何らかの超越的な存在が生物をつくったのだ、と勘違いする人が出てくるのも無理はない。しかし、よく見ると、生物の体はうまくできているところばかりではない。とても非効率的で不細工なところもたくさんある。
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なぜ、こんなことになっているかというと、迷走神経が、心臓の近くの血管の下をくぐっているからだ。キリンの祖先は首が長くなかったのだが、それから首がどんどん伸びていった。そのため、首が長くなるのに連れて、迷走神経も遠回りするようになったのである。

こういう不細工なところがあるのは、生物に歴史があるからだ。昔は、今とは違う形をしていたからだ。全体の形が変化すると、その変化にうまく対応できない部分が、どうしても出てしまう。つまり、生物は進化によって作られたために、適応的な部分と不細工な部分の両方を持っているのだ。

それは、脳についても当てはまる。おそらく知能が高くなったことは(少なくとも部分的には)適応的なことだったと思われるが、いっぽうで意識が生じたことは、かならずしも適応的ではなく、進化的には不細工なことだった可能性がある。

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どうでもいい、じじぃの日記。

ダーウィンは言った。
「強いものではなく、環境に適応したものが生き残る」

この本の「終章 愚か者たちの楽園」にこんなことが書かれていた。

ネアンデルタール人(学名はホモ・ネアンデルターレンシス)はもっとも有名な化石人類である。私たちヒト(ホモ・サピエンス)より大きな脳を持っており、私たちと共存していた時期があった」

脳の大きさで我々人類より優れていたネアンデルタール人が、なぜ滅びたのか。

たまたま、気候変動にうまく対処できなくて滅びた可能性があり、もしかしたら、我々人類の代わりに彼らが生き残った可能性もあるのだ。

脳もたまたま、人体の一部が不細工になったためにそれを補うため脳が大きくなっただけかもしれない。

ついでに、
クラゲは脳を持たない生き物だ。
約6億年前に誕生したが、その頃から形がほとんど変わらず、進化とは無縁の生き物なのである。