じじぃの「認知革命・私たちは何を望みたいのか?サピエンス全史」

Yuval Noah Harari: What explains the rise of humans? 動画 TED
https://www.ted.com/talks/yuval_noah_harari_what_explains_the_rise_of_humans
Lion Man 2.0 - The Experiment 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=hgbvT9_pjzo
ライオン人間

サピエンス全史(上) 文明の構造と人類の幸福 ユヴァル・ノア・ハラリ 2016 amazon
なぜ我々はこのような世界に生きているのか?
ホモ・サピエンスの歴史を俯瞰することで、現代世界を鋭く抉る世界的ベストセラー!
「歴史と現代世界の最大の問題に取り組んだ書」 ──ジャレド・ダイアモンド
第1部 認知革命
第1章 唯一生き延びた人類種
不面目な秘密/思考力の代償/調理をする動物/兄弟たちはどうなったか?
第2章 虚構が協力を可能にした
プジョー伝説/ゲノムを迂回する/歴史と生物学

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クローズアップ現代+ 「“幸福”を探して 人類250万年の旅 〜リーダーたちも注目!世界的ベストセラー〜」 2017年1月4日 NHK
【キャスター】鎌倉千秋 【インタビュアー】池上彰
ビル・ゲイツ氏、FaceBookザッカーバーグ氏、日本でもジャーナリストの池上彰氏らが注目する、その本の名は『サピエンス全史』。
人類250万年の歴史を斬新な視点で切り取り、世界48か国で200万部以上のベストセラーとなっている。
この本の特徴は、人類250万年の歴史を全く新しい切り口で解釈している点です。
7万年前に起きた「認知革命」、1万2000年前の「農業革命」など、人が発展を遂げたターニングポイントを4つの時代(認知革命、農業革命、人類の統一、科学革命)に分けているんですが、作者が全ての時代において重要だと考えているのが、私たち人間が「フィクションを信じる力」なんです。
いったい人類発展とどんな関係があるのでしょうか?
http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3912/index.html
『サピエンス全史(下) 文明の構造と人類の幸福』 ユヴァル・ノア・ハラリ/著、柴田裕之/翻訳 河出書房新社 2016年発行
ホモ・サピエンスの時代へ (一部抜粋しています)
何十億年もの間、知的設計などという選択肢は存在しなかった。なぜなら、ものを設計できるだけの知性が存在しなかったからだ。つい最近まで、地球に唯一存在する生き物だった微生物は、驚くべき偉業を達成できる。1つの種に属する微生物が、まったく別の種に由来する遺伝子コードを自分の細胞内に取り込んで、抗生物質への耐性といった新たな能力を獲得できる。とはいえ、私たちの知識の限りでは、微生物には意識も、生きる目的も、前もって計画を立てる能力もない。
ある段階で、キリンやイルカ、チンパンジーネアンデルタール人のような生き物は、意識と前もって計画を立てる能力を進化させた。だが、たとえ、ネアンデルタール人が、空腹のときにはいうでもさっと捕まえて抱き上げられるほどの動きの遅い肥えた鳥のことを空想したとしても、その空想を現実に変える手立てはなかった。だから彼らは、自然選択の産物である鳥たちを狩るしかなかった。
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次世代の遺伝子工学を前にしたら、善玉の脂肪酸を持ったブタなど、子供騙しに見えることだろう。遺伝学者たちは、線虫の平均寿命を6倍に延ばしてのけたでなく、格段に進歩した記憶力と学習技能を示す天才マウスも遺伝子工学で創り出した。ハタネズミはマウスに似た、小さなずんぐりした齧歯類で、そのほとんどの種類が乱交型だ。だが、オスとメスが永続的な一夫一婦関係を結ぶ種が1つある。遺伝学者たちは、ハタネズミの一夫一婦制の原因となる遺伝子を単離したと主張している。遺伝子を1つ加えただけで、ハタネズミのドン・ファンを誠実で愛情深い夫に変えられるなら、齧歯類動物(と人類)の個々の能力だけでなく、社会構造も遺伝子工学で改変できる日は、遠くないのではないだろうか?
とはいえ、遺伝学者の願いは、今生きている生物を改変することにとどまらない。彼らは絶滅した生物を蘇らせることも目指している。それも、『ジュラシック・パーク』の中でのように恐竜を復活させるだけではない。ロシアと日本と韓国の科学者から成るチームが最近、シベリアの氷の中で発見された凍った古代のマンモスのゲノムを解析した。そして今度は、今日のゾウの受精卵を取り出し、ゾウのDNAに代えて復元したマンモスのDNAを移植し、その卵細胞をゾウの子宮に着床させることを計画している。彼らは着床からおよそ1年10ヵ月後に、マンモスが5000年ぶりに誕生することを見込んでいる。
だが、マンモスで終わりにする必要があるだろうか? ハーヴァード大学のジョージ・チャーチ教授は最近、ネアンデルタール人のゲノム計画が完了したので、今や私たちは復元したネアンデルタール人のDNAをサピエンスの卵子に移植し、3万年ぶりにネアンデルタール人の子供を誕生させられると述べた。チャーチは、自分ならこの課題は、わずか3000万ドルでできると主張している。代理母になることを申し出た女性も、すでに数人いるそうだ。
では、どのような目的にネアンデルタール人が必要なのか? 生きたネアンデルタール人を研究できれば、ホモ・サピエンスの起源と独自性にまつわる厄介きわまりない疑問のいくつかに答えられると主張する人もいる。ネアンデルタール人ホモ・サピエンスの脳を比較し、構造の違いを洗い出していけば、どのような生物学的変化が、今、私たちの経験しているような意識を生み出したかを突き止められるかもしれない。倫理的な理由もある。ネアンデルタール人が絶滅したのはホモ・サピエンスのせいなら、私たちは彼らを再生させる道徳的義務があると言う人もいるのだ。
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ホモ・サピエンスを取るに足りない霊長類から世界の支配者に変えた認知革命は、サピエンスの脳の生理機能にとくに目立った変化を必要としなかった。大きさや外形にさえも、格別の変化は不要だった。どうやら、脳の内部構造に小さな変化がいくつかあっただけらしい。したがって、ひょっとすると再びわずかな変化さえありさえすれば、第二次認知革命を引き起こして、完全に新しい種類の意識を生み出し、ホモ・サピエンスを何かまったく違うものに変容させることになるかもしれない。
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唯一私たちに試みられるのは、科学が進もうとしている方向に影響を与えることだ。私たちが自分の欲望を操作できるようになる日は近いかもしれないので、ひょっとすると、私たちが直面している真の疑問は、「私たちは何になりたいのか?」ではなく、「私たちは何を望みたいのか?」かもしれない。この疑問に思わず頭を抱えない人は、おそらくまだ、それについて十分考えていないのだろう。

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どうでもいい、じじぃの日記。
7万年前頃、アフリカにいたホモ・サピエンスが全世界に拡散していった。
すでにこの頃、我々の祖先は宗教的・抽象化されたものを理解する能力を身に付けていたと考えられている。
ユヴァル・ノア・ハラリ著『サピエンス全史(上) 文明の構造と人類の幸福』にこんなことが書かれていた。
「このように7万年前から3万年前にかけて見られた、新しい思考と意思疎通の方法の登場のことを、『認知革命』という。その原因は何だったのか? それは定かではない。最も信じられている説によれば、たまたま遺伝子の突然変異が起こり、サピエンスの脳内の配線が変わり、それまでにない形で考えたり、まったく新しい種類の言語を使って意思疎通をしたりすることが可能になったのだという」
そして、『サピエンス全史(下) 文明の構造と人類の幸福』にはこんなことが書かれていた。
ホモ・サピエンスを取るに足りない霊長類から世界の支配者に変えた『認知革命』は、サピエンスの脳の生理機能にとくに目立った変化を必要としなかった。大きさや外形にさえも、格別の変化は不要だった。どうやら、脳の内部構造に小さな変化がいくつかあっただけらしい」
アインシュタインの脳はそれほど我々の脳と違わなかったらしい。
でも、アインシュタインは「第2の認知革命」を開けた最初の人間のように思える。