Neanderthals had sex with humans? | New evidence that Neanderthals interbred with humans
Sex with humans killed Neanderthals?
Sex with humans killed Neanderthals, study claims
July 30, 2021 New York Post
Looks like the Neanderthals were dying to get some ー literally.
A new study claims that sex with modern humans drove Neanderthals to extinction after finding a rare blood disorder present in their babies.
https://nypost.com/2021/07/30/sex-with-humans-killed-neanderthals-study-claims/
文藝春秋 進化を超える進化
【目次】
序章
創世記
第1部 火
第2部 言葉
第3部 美
第4部 時間
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『進化を超える進化――サピエンスに人類を超越させた4つの秘密』
ガイア・ヴィンス/著、野中香方子/訳 文藝春秋 2022年発行
創世記 より
第2章 誕生――ネアンデルタール人でなく人間を生き延びさせたもの
進化の行進
数千世代も前に生きた別の人類のことを振り返るには、さらに豊かな想像力と共感が必要とされる。とは言え、それらの人類は、あなたとそれほど大きく異なるわけではない。かれらもまた食料や安全な住みかを必用とし、仲間を求め、人生で出会う社会的問題や技術的問題を解決しようとした。そして彼らは成功した――ほんの束の間だったが、中には、ホモ・エレクトスのように、100万年以上にわたって成功し続けた人類もいた。まれにではあるが、これらのはるか昔に消え去った人類の、目的のある走りを支えた大腿骨や、思慮に富む心を宿した頭蓋骨が発見されることがある。しかし、わたしたちの心に強く訴えるのは、化石となった彼らの骨ではなく、彼らが作った道具や、壁に残した印など、装飾への衝動を今に伝える痕跡だ。
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最も早い時期の候補は、およそ180万年前に出現した人類の祖先、ホモ・エレクトスだ。この時までに、ホミニン(ヒト族)の脳のサイズは、600立方センチメートルから1300立方センチメートルに倍増していた。これらの賢く、社会性のあるホミニンは、多段階のプロセスを記憶することができた。300万年前に生きた初期のホミニドの道具は単純で、誰かに教わらなくても1人で作ることができたはずだが、ホモ・エレクトスの道具はそれらと違って、洗練されていた。ホモ・エレクトスは火と道具の扱いに通じた社会性のあるハンターで、アフリカからアジア、ヨーロッパの端までを征服した。彼らは言語を使用したと思われ、簡単な舟を作って遠方の島々へ渡った可能性もある。
自らの運命を決められる種
およそ8万年前、現生人類の最初の種数の集団がアフリカから脱出した。当時、ネアンデルタール人は、シベリアからスペイン南部までの広域で繁栄していた。わたしたちの遺伝子の中には彼らの痕跡がかすかに残っている。なぜならわたしたちの祖先は、他の人類に出会うたびに交配していたからだ。わたしを含め、現代のヨーロッパ系の人は遺伝子の中にネアンデルタール人のDNAを持ち、ヨーロッパではネアンデルタール・ゲノムの20パーセントが今も受け継がれている。おそらく、それらの遺伝子がヨーロッパでの生存を助けたからだろう。その他の古代の人種も、現生人類の中に遺伝子を残している。オーストラリアの先住民はデニソワ人に由来する遺伝子を持つが、デニソワ人についてわかっていることはきわめて少ない。一方で、まだ確認されていない古代の人種が、わずか2万年前のアフリカ人を含め世界中の人々の遺伝子に影響を与えている。わたしたちの祖先が、適応に役立つ遺伝子をさまざまなホミニンからこれほど多く集めることができたのは、おそらく好色だったからで、その性質は、祖先たちが世界のさまざまな環境に広がっていくのを助けたにちがいない。
人間が、同様の文化的実験を試みる別の人種と遭遇していた時代を想像してみよう。当時の人間は何と脆弱だったことか。そして、文化だけを頼りに、恐ろしい動物や過酷な気候に立ち向かうのはどれほど危険なことだったろう。環境はあまりにも厳しく、対して人類の身体はひ弱だったので、人類はその歴史の大半を通じて、常にぎりぎりのところで生き延びてきた。たとえばわずか7万4000年前、インドネシアにあるトバ火山が起こした超巨大噴火は、人類の祖先をほぼ一掃し、その人口は数千人にまで激減した。そうして今日、類人猿は数種類生き延びているが、人類で生き延びたのは人間だけだ。
つまり人間だけが、文化的な賭けに勝ったのである。同等の能力をもつ親類はすべて絶滅し彼らが生きた数十万年は地球にわずかな痕跡を残すのみとなった。しかし、わたしたちの驚くべき成功を文化の賜物と見なすとしても、その成功が当然の結果ではなかったことも認めるべきだ。絶滅した親類、ネアンデルタール人の試みが悲劇的結末を迎えたことは、それを何よりはっきりと語る。彼らも豊かな文化を持ち、わたしたちの祖先より強靭で、脳は大きく、凍てつく環境でうまく生き延びてきた。
ではなぜ、人間だけが生き残ったのだろう。いくらかは、運がよかったからだ。
気候は、サバンナのハンターにとって有利な方向に変化した。あるいはネアンデルタール人が免疫を持たない病気を、わたしたちの祖先がヨーロッパに持ち込んだのかもしれない。しかし最も重要なのは、ネアンデルタール人はホモ・サピエンスと出会うまでに近親荒廃が進んでいて、しかも、人口は同時代のホモ・サピエンスのおよそ10分の1だったことだ。
遺伝学者の推定によると、彼らの進化的適応度――ある種が生き延びて繁殖できる可能性――は、ホモ・サピエンスより少なくとも40パーセント低かった。このことが彼らの人口と遺伝的多様性をさらに減少させた。人口、移住パターン、生態学的要因に基づいて、コンピューターでシミュレーションしたところ、ネアンデルタール人は、ホモ・サピエンスの到来から1万2000年以内に絶滅すると推定された。
結局のところ、進化上の成功は数によって測られる。じわじわとヨーロッパに侵入していくホモ・サピエンスは、やがてネアンデルタール人よりも多くなった。しかし、なぜだろう?
一般に知られているように、わたしたちホモ・サピエンスは知的に優れていたので、彼らを出し抜くことができたのだろうか。そうかもしれないが、あらゆる証拠が示しているのは、脳のサイズと道具の使用に関して、ホモ・サピエンスとネアンデルタール人に差はほとんどなかった、ということだ。それでも、わたしたちの生態あるいは文化に関する何かが、わたしたちの数を増やし、世界の陸地の3分の1が氷に覆われるほど過酷な時代を生き延びることを可能にしたのは確かだ。
思うに、遺伝子プールの大きさと多様性が、豊かで多様な文化を導いたのだろう。ホモ・サピエンスは数が多く、緊密につながっていたので、利用できる文化的知識が多かった。また、社交が少々上手で、互いから学ぶのが少々うまく、世界に対する好奇心が少々強かったのだろう。