「目がある人工脳」を作り出すことに成功、視神経もあり光を検知
2021.08.19 ナゾロジー
人工培養された脳がはじめて世界をみました。
8月17日にドイツのハインリッヒ・ハイネ大学の研究者たちにより『Cell Stem Cell』に掲載された論文によれば、人工的に培養された脳(脳オルガノイド)にビタミンAを加えたところ、完璧に近い目が形成されたとのこと。
新たに形成された目は水晶体(レンズ)・角膜・網膜といったパーツだけでなく、脳細胞と接続した視神経も備えています。
https://nazology.net/archives/94840
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『禁断の進化史 人類は本当に「賢い」のか』
更科功/著 NHK出版新書 2022年発行
はじめに より
ガラス瓶に培養液が満たされ、そのなかに脳が浮かんでいる。脳にはいくつかのチューブがつながり、培養液のなかを、酸素を供給する泡がユラユラと昇っていく。
脳には、何の感覚器官もつながっていない。だから、ガラス瓶の外を見ることも、脳を浸している培養液の温かさを感じることもできない。
こういう脳は、どういう世界を生きているのだろう。意識だけがある、真っ黒な世界だろうか。いや、視覚がないのだから、真っ暗と感じることもないだろう。しかし、ひょっとしたら反対に、とてもカラフルな明るい世界を生きている可能性もある。
何となれば、そもそも私たちが感じている世界は、すべて幻想だからだ。
あなたが小高い丘の上に座って、青い空を見ながら涼しい風に吹かれていると思っていても、実際にはそんなものはない。私たちが住んでいるこの世界に、本当は青い色なんてないし、涼しいと感じる温度もない。あるのは、ただの電磁波と、分子の運動だ。ある波長の電磁波を青い色と感じ、ある分子の運動レベルを涼しいと感じるのは、あなたの脳がつくり出した幻覚にすぎない。
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これは、ただのおとぎ話ではない。培養された脳が意識を持つかどうかは、すでに深刻な問題になっている。なぜなら、近年、脳オルガノイドが作成されているからだ。
脳オルガノイドは、人工的につくられた脳に似た組織である。どんな細胞にでも分化できる多能性幹細胞(たとえばiPS細胞)を使って、実験室でつくられたものだ。現在の脳オルガノイドは未熟な脳みたいなものだが、将来的には完全なヒトの脳にきわめて近いものがつくられるかもしれない。
脳オルガノイドは、脳の病気に関する実験などで使われており、とても有効な研究手法となっている。しかし、脳オルガノイドから、ヒトの脳波のような電気活動が測定されたことから、脳オルガノイドが意識を持つ可能性が懸念されるようになった。おそらく現在の脳オルガノイドに意識はないだろう。しかし、この先、意識を持つ可能性は十分にある。このような問題に対処するためには、意識や脳について理解することが必要だ。
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どうでもいい、じじぃの日記。
多能性幹細胞・・・ほぼ無限に増殖する能力(自己増殖能)と、個体を構成するあらゆる細胞(肝臓、膵臓、腎臓、腸、肺、心臓、脳など)に分化する能力(多分化能)を併せ持つ細胞のこと。
ここ数年の急速な技術進歩により、あらゆる種類の細胞に変化できる「iPS細胞」から、人工培養された臓器(オルガノイド)を作成することが可能になってきた。
最近の研究で、動物の持つ目は、脳の一部が変化して体の表面に露出することで獲得されることがわかった。
アメリカでは、実験室で育てた人間の脳細胞をコンピュータに接続して数式を解くことに成功したとか。
「意識」とは、脳の神経細胞(ニューロン)の発火現象のことらしい。
MRIなどの脳画像法を駆使すれば、脳のどこで発火していることが分かるようになってきた。
人工的に作られた「脳オルガノイド」が発火したら、人工脳が意識を持ったことになるのだだろうか。
信じるか信じないかは、あなた次第です!