実用化に動き出すダイヤモンド半導体
2023/3/24 電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
●日本の研究機関がリードしてきたダイヤモンド半導体
筆者はこれまでにも本コラムでダイヤモンド半導体を取り上げたことがあるが、改めてその特徴を振り返ってみよう。
表(画像参照)に示されているようにダイヤモンドはバンドギャップ、絶縁破壊電界、電子移動度、熱伝導率といった諸特性でほかの半導体材料を大きく凌駕する。
先行して実用化が進むSiCやGaNにも勝る特性を持つのが「究極の半導体」と称されるゆえんだ。耐放射線特性にも優れ、半導体化が実現できていない宇宙用への応用も期待されている。また、半導体デバイスのほかに量子センサー用も期待されており、量子コンピューティング分野の研究活発化を背景に大学や研究機関で開発が進められている。
国プロレベルにおいても、ダイヤモンド半導体はSiCやGaNなど先行する次世代半導体と比べて関心が高いとは言えなかった。実用化への動きが複数出てきた今こそ、国や業界からも踏み込んだ動きが必要とされるのではないだろうか。
https://www.sangyo-times.jp/article.aspx?ID=8037
『週刊ダイヤモンド』 2023年5月27号
日本のパワー半導体業界の再編が始まりそうだ。
経済産業省は、電気自動車(EV)時代の戦略物資となる次世代パワー半導体「SiC(シリコンカーバイド、炭化ケイ素)」の国内生産能力の増強を図るため、巨額の補助金を用意して日本メーカーの設備投資を支援しようとしている。事態は動くのか。
自動車産業のEVシフトとともに、次世代パワー半導体が注目を浴びている。パワー半導体とは、EVの電動システムをコントロールしてドライバーの操作に合わせたスムーズな駆動を実現するために欠かせない重要部品のことだ。
特に、化合物「SiC」を使ったパワー半導体は、現在主流のシリコン製のパワー半導体に比べて電力消費を大幅に抑えることが可能で、EVの航続距離を伸ばす戦略部品になろうとしている。
米テスラが2017年に「モデル3」に初採用したのを手始めに、海外自動車メーカーを中心に、SiCパワー半導体の採用が加速しており、生産増強の投資が過熱している。
それを象徴するのが、今年2月に欧州で発表された米半導体大手ウルフスピードの巨額投資だ。ドイツ西部のザーランド州に約30億ドル(約4500億円)を投資して、世界最大級のSiCパワー半導体工場を建設する計画だ。
これに対して日本のパワー半導体業界では動きが鈍い。ローム、三菱電機、富士電機、東芝、デンソーがSiCを手掛けているが、日系自動車メーカーのEV化の遅れもあり、設備投資の規模やスピードは見劣りがする。
このため経済産業省は、日本の半導体メーカーを支援するため巨額の補助金を用意して、業界再編を促す姿勢を鮮明にしている。
思惑が渦巻く中で水面下では動きが出てきているようだ。その軸になりそうなのが「ローム・東芝連合」と「レゾナック陣営」だ。次ページでは、日本のパワー半導体業界を取り巻く危機を描くと共に、再編“最終形”の姿に迫る。
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どうでもいい、じじぃの日記。
YouTubeから
“ダイヤモンドの半導体”を使い世界最高の出力電力を達成したとして、佐賀大学の研究グループが、専門紙が選ぶ今年の「半導体・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。
半導体は電子機器の電力をコントロールするもので、現在はシリコン製が主流ですが、性能がはるかに高い次世代の素材としてダイヤモンドが注目されています。
今回、佐賀大学の研究グループは、ダイヤモンドの半導体を使い世界最高の出力電力・出力電圧を達成し、電子デバイスの専門紙が選ぶ今年の「半導体・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。
ダイヤモンドの半導体はシリコン製と比べて5万倍の電力を制御でき、活用の場は現在普及が進む「5G」をさらに進化させた「6G」や、宇宙空間にまで広がるということです。
佐賀大学の研究グループは「3年から4年後の実用化を目指し開発をさらに加速させたい」としています。