日本発 “コスパ最強”酸化ガリウムパワー半導体はゲームチェンジャーとなるか【橋本幸治の理系通信】(2022年1月12日)
動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=jzRy9NESnms
図1 酸化ガリウムSBDが2023年に相次いで実用化
軍事・宇宙でポストSiCに参入余地、あの電磁砲で使われる可能性も
2022.11.18 xTECH
【執筆者】土屋丈太 日経クロステック
パワー半導体材料で注目株の酸化ガリウム(Ga2O3)が、2023年にいよいよ市場に登場する(図1)。
シリコン(Si)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)に次ぐ久々の新材料だ。デバイス構造はショットキーバリアダイオード(SBD)で、電源の力率改善(PFC)回路などでの活用が見込める。今後Ga2O3が急拡大して、2030年にGaNの市場規模を抜くとの予測も出ている。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02262/111700003/
次世代パワー半導体 電力損失を小さくできる次世代素子 より
ウルトラワイドバンドギャップ(UWBG)半導体とも呼ばれる。材料として、酸化ガリウム(Ga2O3)、ダイヤモンド、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、ルチル型二酸化ゲルマニウム(r-GeO2)、立方晶窒化ホウ素(c-BN)などがある。
すでにパワー半導体として使われているシリコンカーバイド(SiC、炭化ケイ素)やガリウムナイトライド(GaN、窒化ガリウム)より優れた材料特性を持つ。
大電流・高耐圧に優れるSiCパワー半導体は、電気自動車や鉄道、太陽光発電用のインバーターなどで採用が広がっている。
高周波特性に優れ、機器の小型化に向くGaNパワー半導体は小型電源やLiDAR(レーザー光による測距技術)などに使われ始めた。いずれも2030年代には現行のシリコンと共に、パワー半導体の主役になると目される。
さらにSiCやGaNを使うパワー半導体の次を狙う、材料の研究が始まっている。最も早く進んでいるのが酸化ガリウムパワー半導体で、京大発ベンチャーFLOSFIA、タムラ製作所からカーブアウトしたノベルクリスタルテクノロジーの2社がそれぞれ、素子の開発に成功し、高耐圧ダイオードで量産・実用化に入ろうとしている。
酸化ガリウムパワー半導体のパワーデバイス性能(バリガ性能特性)はSiCの数倍とされる。原理的にはSiCパワー半導体より安価に作れる製造プロセスが使える。SiCと比較して電力損失が約3分の1、価格はチップレベルで約2分の1から3分の1になる可能性がある。
酸化ガリウムパワー半導体の研究開発が本格化したのは2000年以降のこと。そこから基礎研究・デバイス開発。実装というステップを順調にこなして実用化寸前まで来た。2030年にはSiCパワー半導体の本丸ともいえる電気自動車のモーター駆動インバーターへの採用を目指す。そうなればGaNパワー半導体の市場規模を一気に抜くという予測も出ている。
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レアメタル30の個性 より
原子番号31 ガリウム Ga
【地殻中での存在量】17.5ppm
【主な生産地】中国、ドイツ、カザフスタン、ウクライナ
【性質】比重:5.907、融点:29.78℃、沸点:2200℃、灰色。
気温次第で液体状態。ガリウムの95%は半導体に使われる。
【用途】
・ダイオード・・・ダイオード(Diode)は電流を一定方向にしか流さない電子素子。交流を直流に変換する。
・LED・・・・・・ダイオードのなかには、電流を通すと発光するものがあり、それを発光ダイオードという。ガリウムは青色に発色する青色ダイオードの原料となる。
・低融点金属・・・ガリウム、インジウムIn、スズSnの合金であるガリンスタンは融点がマイナス19℃である。
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どうでもいい、じじぃの日記。
中国は8月1日から、8種類のガリウム(Ga)製品と6種類のゲルマニウム(Ge)製品について輸出規制を行なった。
ガリウムはレアメタルの一種で、LEDの青色ダイオードの原料などに使われている。
ガリウムは通常、アルミニウムや亜鉛の採掘の副産物として発見されることが多い。
中国は、ガリウムの最大の生産国である。
パワー半導体の性能では、シリコンカーバイド(SiC)よりも酸化ガリウム(Ga2O3)の方が高い。
つまり、SiCよりもGa2O3の方がパワー半導体としてより優れた特性を秘めている。
実際、より高性能なGa2O3デバイスを開発する取り組みが進められている。
ガリウム、ゲルマニウムを含むレアメタルの価格が2倍以上に高騰している。
来年はどうなっているのだろうか。