じじぃの「科学・地球_120_半導体とは何か・需要急伸中・パワー半導体」

ROHM SiCパワーソリューション

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=t-XGSchaNCk

ロームの次世代半導体、吉利がEVに採用 技術提携

2021年8月4日 日本経済新聞
ロームは、中国自動車大手の吉利汽車と省エネ性能が高い次世代半導体分野で技術提携したことを明らかにした。
吉利汽車は現在開発中の電気自動車(EV)の基幹システムにローム製の次世代半導体を採用するほか、今後は同分野での共同開発も進めるという。
このほど両社は次世代半導体分野で戦略的パートナーシップを締結した。ロームは次世代半導体材料とされる炭化ケイ素(SiC)を使って、電力を制御し効率化するパワー半導体を手掛ける主要企業の一社。SiCパワー半導体は従来のシリコン製よりも消費電力を減らせる特性がある。EVの基幹システムに活用すれば、電池の小型化や航続距離を伸ばす効果が見込める。
吉利汽車もEV事業の強化を急いでおり、EVの省電力化が見込めるSiCパワー半導体に注目。ロームとの提携に踏み切った。まずは2022年にも発売するEVの車種に搭載する見通しだ。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO74473990T00C21A8TB2000/

半導体が一番わかる』

内富直隆/著 技術評論社 2014年発行

需要急伸中!パワー半導体 より

前節までで説明した各種のトランジスターは、ディスクリート(個別)半導体のなかでも主に低電圧で電気信号を制御するための電子回路用デバイスです。これに対して、高電圧で電力を制御するための電気回路用デバイスがパワー半導体です。以前は、電子回路用を弱電用、電気回路用を強電用と表現することもありました。
1970年代、半導体を電力制御に利用しようというパワーエレクトロニクスの研究を盛んになり、大電力を扱うためのパワー半導体を開発されました。
たとえば、それまでの電車の速度制御は、抵抗を使って電力を熱消費させてモーターに供給する電力を制御していましたが、半導体バイスサイリスタで電力制御ができるようになったおかげで、抵抗で発熱させる必要がなくなり、暑かった地下鉄のトンネル内が涼しくなったのがこの時代です。
パワー半導体の主な機能は、大電流の整流とスイッチングです。交流電源を直流に変えるコンバータと直流電源を交流に変えるインバータ、直流電圧の変圧(昇圧と降圧)、交流電源の周波数変換などでパワー半導体が大きな役割を担っています。
パワー半導体は、交通機関の電力制御や、周波数の異なる電力系統網間の電力融通など、社会インフラを支える分野で活躍していますが、近年では、太陽光発電燃料電池といった直流発電システムでつくった電力を、従来の交流配電網に流すためのインバータ装置や、電気自動車の電力制御など身近なものへの需要が高まっています。
パワー半導体に求められるものは、どれだけの大電力に耐えられるかという点です。大電圧、大電流でどれだけ高性能な整流やスイッチング特性を維持できるかが研究課題です。さらに、電力ロスが少ないことや、小さな信号で大電力を制御できることも重要になります。そのため、シリコン材料だけでなく、SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)などの化合物半導体材料を用いたパワートランジスターの研究が進んでいます。