じじぃの「脳科学・最強のボツリヌス毒・薬と毒は紙一重!面白い雑学」

【ゆっくり解説】からし蓮根を食べて次々と倒れる人々 入っていたのは自然界最恐の毒素でした『からし蓮根食中毒事件』【1984年】

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=3Ekk-LbU400

ボツリヌス菌 カラシレンコン事件の検体


(2008年5月発行)食品内で毒素を産生する食中毒菌について ~加熱調理は食品安全を確保できるか?

4. ボツリヌス症

ボツリヌス菌とは異なる菌種を代表する「グループ名」である
ボツリヌス菌は酸素がない条件でのみ発育可能な偏性嫌気性菌で、耐熱性のある芽胞の状態で土壌や泥中に常在し、農産物や魚類を汚染します。医学的に重要であるとの観点から、例外もありますが、ボツリヌス毒素を産生する菌がボツリヌス菌であるということが分類・同定の基本になっています。
ボツリヌス菌はタンパクや糖の分解性などの生化学的性状が異なる、すなわち分類学的に異なるI群~IV群の複数の菌種を一括したもので、いわば「グループ名」と解釈されます(表3)。食品分離株を16SrRNAのホモロジー検索により同定したために、誤ってボツリヌス菌と決定され慌てて相談を受けたこともあります。この菌は毒素を産生しなかったので、I群ボツリヌス菌分類学的に区別できないスポロゲネス菌となりました。あくまでも毒素産生性がボツリヌス菌同定の基本であるという事を念頭に置いてください。
http://www.mac.or.jp/mail/080501/01.shtml

『面白くて眠れなくなる脳科学

毛内拡/著 PHP研究所 2022年発行

PartⅠ もっと知りたい!脳のはなし――薬と毒は紙一重 より

毒のさまざまな種類

「その花の根には毒があるから食べちゃだめ」などとよくいわれます。あるいは、フグや熱帯魚、ヘビやサソリやクモなども毒を持っているため危険な生き物です。このような生き物が持つ毒というのはなぜ効くのでしょうか。
毒といっても多種多様な成分がありますが、たとえばハチの毒などには、さまざまな生理活性、中でも特に免疫反応を過剰に引き起こすものがあります。そのため、痛みや、腫(は)れ、痒(かゆ)みを引き起こすのです。
また、ある種の植物や微生物、ヘビやサソリやクモを持つ毒は、神経毒と呼ばれます。神経毒とは、神経に作用して、神経伝達を遮断したり過剰にしたりする毒のことで脳まで届かずに、末梢神経に作用して、筋肉の働き等に影響をおよぼします。脳に届く代表選手はカフェインとニコチンですが、これらは神経毒ではありません。
有名どころでは、フグが持つ毒で、テトロドトキシンといいます。これは前に述べた、ナトリウムイオンを選択的に通すチャネルの働きを阻害する化学物質で、摂取することによって、神経が電気を発生したり、発生した電気を伝道することができなくなったりすることで、麻痺を引き起こします。これが、呼吸や心拍をつかさどる神経や筋肉に作用することで死に至ります。
トリカブトという花が持つ毒の主成分は、アコニチンと呼ばれており、これは逆にナトリウムイオンチャネルの働きを過剰にする作用があります。いずれにしても神経伝達が正常に行なえず死に至ります。
ヘビやサソリやクモが持つ毒には、前にもご紹介した、シナプス伝達に作用して、神経情報のリレーができなくなる作用を持つものがあります。これによって、神経からの情報が、筋肉に伝わらくなり、麻痺や呼吸困難、ひいては心肺停止を引き起こすため大変危険です。
植物由来の窒素化合物であるアルカロイドの中には、神経に作用をおよぼすものも少なくありません。先ほどご紹介した、アコニチンもそうですが、カフェインやニコチンやモルヒネなどが挙げられます。

最強のボツリヌス毒

ある種の毒キノコに含まれるアルカロイドの一種、ムスカリンは、ニコチンと同様筋肉の収縮を引き起こす作用があります。筋肉を動かしている運動神経から放出される神経伝達物質アセチルコリンですが、ムスカリンは、アセチルコリンを受け取る受容体を活性化する作用があるため、筋収縮を引き起こすのです。この受容体は、ムスカリンによって動作するためムスカリン受容体とも呼ばれます。しかし、致死量を摂取すると当然、強い筋収縮が持続し、呼吸困難、心肺停止となります。
一方、チョウセンアサガオの成分であるアトロピンと呼ばれるアルカロイドは、逆に、ムスカリン受容体の機能を阻害するはたらきがあります。つまり、筋弛緩をひきおこしますが、やはり致死量を摂取すると死にいたる劇薬です。眼科に行って視力検査をする際に点眼されるのは、ごく薄いアトロピンですが、これは瞳孔の動きを制御している筋肉を弛緩させ作用があります。これによって、目本来の働きを正確に測ることができるのです。

微生物が持つ毒の中にも怖いものがあります。テタヌス菌が発生する毒は、運動ニューロンが伝達物質を放出する働きを阻害する作用があり、抑制性ニューロンの伝達が止まると、体中の筋肉が硬直した状態になり、興奮性のニューロンの伝達が止まると、全身が弛緩して死に至ります。テタヌス菌の毒は、別名、破傷風毒素ともいわれており、大抵の人は、乳幼児に予防接種を受けます。

世界最強と呼ばれる毒であるボツリヌス毒も、同様に神経伝達物質の放出に作用することで、死に至らしめる毒物ですが、その殺傷能力は、1グラムで100万人とも1000万人ともいわれています。

はちみつに微量が含まれているため、赤ちゃんにはちみつを与えてはいけないのはそのためといわれています。
また、このボツリヌス毒を弱毒化して、硬直した筋肉に投与することで、筋肉の強張りを取り除く、ボトックス治療法も普及しています。
ニューロンが放出する100種類の以上の化学物質」でも触れたとおり、私たちが摂取する薬の多くは、神経や筋肉の受容体をターゲットにしています。後に見ていくように、脳は化学物質の非常に微妙なバランスで成り立っていますから、麻薬や向精神薬と呼ばれるような薬は直接脳に作用して、私たちの精神機能に影響を与えます。
一方、解熱鎮痛剤(いわゆる頭痛薬)や酔い止めなどは、一見、脳に直接作用しているように思えますが、じつはいた木や吐き気を脳に伝える末梢神経に作用して、痛みや吐き気の元となる物質の発生を抑えたり、脳への刺激伝達を遮断したりする働きがあります。
しかし、これらの物質も当然、摂りすぎると毒になります。
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まさに薬と毒は紙一重といえます。

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どうでもいい、じじぃの日記。
ボツリヌス毒素は、自然界最強の毒素なのだそうだ。
ボツリヌス菌は、酸素の少ない環境下で増殖するという特徴があるため、真空包装された食品や缶詰などが原因でボツリヌス菌食中毒を発症することがあります。
とか。
缶詰などは、加熱殺菌されているため何となく安心感がある。
ボツリヌス菌事件のことを、聞いた覚えがある。

まさに薬と毒は紙一重といえます。

ボツリヌス菌も人の役にたっているのだとか。
何となく、ヤーネ。