おでこ、眉間のボトックス治療のリスクについて解説します。
ボトックス注射による眉間しわ、額しわの治療
眉間・額ボツリヌス菌(ボトックス)注射
銀座S美容・形成外科クリニック
●ビフォーアフター
ボツリヌス菌で表情筋の動きが弱まり、力を入れてもしわが出なくなりました。
定期的に注射することで、折り込まれて生じるしわ、いわゆる刻みジワを予防することができます。
https://www.ginza-s.jp/blog/case/15203/
『化学トリック=だまされまいぞ! 化学推理クイズ』
山崎昶/著 ブルーバックス 2008年発行
トリック10 「ボトックス」は猛毒か より
少し前の週刊誌に、さる女優さんがアメリカまで美容整形にいってきたという話が載っていた。なんでも「ボトックス」とかいう薬を注射して、若返り治療をしてもらったのだという。この治療はあちらでなくてはできないとその記事には書いてあった。
これを思い出したエス嬢が同僚に話かけた。
「でも、ボトックスってボツリヌストキシンのことだっていうよね。ものすごく強力な毒だって聞いたけど」
「そういえばオウム真理教の連中がつくろうとしていたって新聞で見たなあ。500グラムあったら、世界中の人間を一掃できるなんて物騒なことが書いてあったぞ」
「そんな物騒なもので注射してもらってどうするのかしら」
「なんでも『ボトックス治療』とかいうのは、顔のシワをみごとに消すんですってよ」
「へーえ、そんなことをして大丈夫なの? 命が危ないなんてこと、ほんとうにないのかしら」
「最近では日本でもやってくれるクリニックがふえてきたみたいよ。でもそんな猛毒だなんてこと、知らない人が多いんじゃないかなあ」
ほんとうにそんなものを注射して大丈夫なんだろうか?
【解決編】猛毒「ボトックス」が若返り治療に効くわけ
ボツリヌストキシンは、おそらく地球上に存在する毒物のなかでもっとも強力なものです。
食中毒の原因としても有名なボツリヌス菌の産生するたんぱく質系の毒素で、分子量が15万ほどもある大きな分子です。半数致死量は体重1キログラムあたり0.6マイクログラム。神経毒素で筋肉を弛緩させてしまうので、重傷の場合には横隔膜の筋肉が弛みっぱなしでまったく動かなくなり、呼吸困難となって死に至る恐ろしいものです。ボツリヌス中毒は古代ローマ時代から知られていて、もっぱら腸詰め(ソーセージ)が原因であることがわかっていました。「ボツリヌス」という細菌の名称も、もともとラテン語のソーセージを意味する「botulus」に由来しています。何年も前に熊本名産の辛子蓮根がボツリヌス菌で汚染されていて大騒動になったことがありましたが、いまでも食中毒の報告は少なくありません。ただ、抗毒血清が開発されたおかげで、以前のように「症状が出たら、半分から3分の1は助からない」なんてことはなくなりました。
ところが「毒変じてクスリとなる」ということわざどおり、筋肉の痙攣(けいれん)を抑えるためにはきわめて微量でも有効なのです。体の筋肉が急激に痙攣してしまう筋ジストニアという珍しい病気があって、以前はまったく治療法がありませんでした。症状を抑えることすらできず、患者さんは大変に苦しまれたのですが、この痙攣時に微量のボツリヌストキシンを筋肉に注射すると、痙攣がとまって筋肉が弛緩し、症状が軽くなることがわかったのです。ジストニアにはいろいろな種類があるらしく、全部に効くわけではないのが難点ですが、そのほか、眼瞼(がんけん、まぶた)の痙攣症や痙攣性の斜頸(しゃけい)の治療にも十数年前から使われるようになりました。
でも、同じように顔面の筋肉(表情筋)の緊張を弛めることで、顔面に現れるシワを目立たなくすることが可能になったのは、アメリカの食品医薬品局(FDA)が2002年に美容用途としても許可しているからです。それ以前はアメリカでも未承認治療でしたから、失敗に終わったケースも多く、医療訴訟のタネとなった例も少なくありませんでした。
なお、「ボトックス」というのはアメリカのさる薬品メーカーの商品名なのですが、あまりにも有名になったためか「ボトックス治療」はもはや完全に普通名詞扱いになっています。
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どうでもいい、じじぃの日記。
『化学トリック=だまされまいぞ! 化学推理クイズ』という本に、「ボツリヌス菌」のことが書かれていた。
私は糖尿病もちで、毎日インスリンをお腹に打っている。
実は、いくら食いだめしても血糖値が上がらない毒トカゲがいる。
このトカゲから、インスリン分泌が促されることが研究で確認され、薬として開発が始まりインスリンが作られたのだとか。
食中毒の原因としてたびたびニュースに出てくるボツリヌス菌。