じじぃの「トリカブト・猛毒アルカロイドのアコニチンとは!世界毒草百科図鑑」

1986年 トリカブト保険金殺人事件 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=TRSQBXhpgWo
トリカブト

フグの毒とトリカブト併用で完全犯罪が可能!? テトロドトキシンの恐すぎる作用「ゆっくりして逝ってね」 2016年8月8日 エキサイトニュース
1986年(昭和61年)、沖縄の那覇空港に到着した夫婦。しかし、個別行動中に妻が突然中毒死するという事件が起こり、司法解剖が行われたものの“急性の心停止”ということしかわかりません。
しかし、不審に思った担当医は血液を冷凍保存し、数年後に再調査を行うとアコニチンが検出されます。さらにその間、夫は莫大な保険金を受け取るために保険会社と裁判を行っていたことも判明。しかも、2人の前妻も同様に心不全で死んでいるという事実が明るみとなり、この夫がトリカブトを用いて計画的な殺人に及んだのではないか……との疑惑が噴出、大ニュースとなりました。
https://www.excite.co.jp/news/article/Tocana_201608_post_10544/
『世界毒草百科図鑑』 エリザベス・A・ダウンシー、ソニーラーション/著、船山信次、柴田譲治/訳 原書房 2018年発行
トリカブトアルカロイド より
トリカブトアルカロイドが含まれるのはキンポウゲ科のなかでもトリカブト属(Aconitum SPP.)とそれに近縁のラークスパーズなど少数の属に限られている。
しかしこのアルカロイドをもつ植物のグループだけでキンポウゲ科すべての種の約3分の1を占めることから、この化合物の存在が進化的に極めて有利に働いたと思われる。トリカブトデルフィニウムはこの猛毒化合物をゲラニルゲラニルニリンさんという物質から生産していて、この化合物は光合成に必要なクロロフィル葉緑素)の合成にも欠かせない。トリカブトアルカロイドにはベアチン、アチシン、アコニチンの3つの異なる骨格を有する化合物がある。このうち最後のアルカロイドが最も毒性が強いのだが、それは細胞膜や皮膚など脂肪を含む障壁を通り抜ける能力によると考えられている。そのため園芸家や花屋がトリカブトデルフィニウム素手で大量に扱ったり長期間にわたって切ったり、それらをつぶした素材を利用したりすると、刺すような痛みやしびれといった軽度の症状に見舞われることがある。
関節炎治療の漢方薬として昔からトリカブト属の植物が入浴剤やクリーム、軟膏として利用されてきた。トリカブトアルカロイドが皮膚を通して吸収され局所麻酔薬として作用するのである。またぜんそくや胃腸炎、さまざまな腫瘍の治療、補助的な滋養強壮剤として経口摂取することもある。トリカブト属の植物には強い毒性があり、少量でも心筋や呼吸筋に危険な作用を及ぼし死に至ることもあるというのに、どうしてそんなことができるのだろうか?
使用前に原料となる生の植物に「修治(しゅうち)」(毒性を除去する加工)を施すのである。加熱したり水に浸すことで副作用を最小化し治療効果が最大になるように加工する。こうした過程で毒性の強いアルカロイドが害の少ない化合物に変化するため、中毒の危険性が高いトリカブトであっても薬剤としての利用が根強く続いている。

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どうでもいい、じじぃの日記。
毒の強さは半数致死量(LD50)によって表すことができる。
最強の毒はボツリヌス菌らしい。
トウゴマの毒リシンは暗殺にも使われる猛毒である。トリカブトの毒アコニチンも犯罪に使われることがある毒として悪名高い。
トウゴマに含まれるリシンは、人体における致死量は体重1キログラム当たり0.03ミリグラムとされている。それに対して、トリカブトのアコニチンは、体重1キログラム当たり0.3ミリグラムとされている。
フグ毒のテトロドトキシントリカブトのアコニチン、化学合成されたサリンなどはいわゆる神経毒にあたる。
しかし、もともとトリカブトは非常に苦い味のためとアコニチンの特定が簡単にできるようになったため、食物に混入させても分かってしまうことが多い。そのためトリカブトを使用した犯罪はほとんどなくなったといわれる。