じじぃの「鳥を殺す矢毒クラーレ・筋弛緩作用を起こす植物!世界毒草百科図鑑」

Tribe hunting in the amazon jungle 動画 YouTube
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矢毒クラーレ

『世界毒草百科図鑑』 エリザベス・A・ダウンシー、ソニーラーション/著、船山信次、柴田譲治/訳 原書房 2018年発行
カラバシュ・クラーレ より
マチン属(Strychnos)には200近い種があり熱帯に広く分布している。植物に含まれる主要アルカロイドの違いにより動物に対する生理学的作用もさまざまで、儀式での利用や医薬品として重要なものも多い。南アフリカ原産のマチン属のうち少なくとも10数種の植物にカラバシュ・クラーレの成分が含まれることがわかっている。
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クラーレ矢毒に含まれるアルカロイドはふつうは腸からほとんど吸収されないため、食べても影響はない。しかし経口摂取で筋弛緩作用を起こす化合物を含む植物も存在する。
マメ科デイゴ属の植物だ。デイゴ属の活性化合物はエリトリナアルカロイドというベンジルイソキノリンアルカロイドと同じ生合成起源を有する特徴的な化合物群で、そのなかのエリソジンがクラーレとよく似た作用をもっている。デイゴ属は世界中の熱帯と亜熱帯地域に生育し、およそ130ある種のうち約半数が中央アメリカと南アメリカに生息する。デイゴ属の植物はふつう木本で高さ6〜30mになり、葉は三出葉で花は総状花序。その赤い花の受粉を媒介するのは一般的に鳥類で、アメリカ大陸の種のなかにはハシナガハチドリが媒介するものもあり、その花の形は豆の莢(さや)にそっくりだ。中央アメリカの一部ではデイゴの花を食用にしていて、穏やかな催眠作用があるといわれる。

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どうでもいい、じじぃの日記。
クラーレは南アメリカで「鳥を殺す」という意味であり、先住民たちの間で長年狩猟のために使われて来た矢毒である。
この毒を塗った矢があたると獲物は筋肉が弛緩して動かなくなり、やがて呼吸ができなくなって死んでしまう。激しい苦痛を与えることもなく死んでしまうことから「サイレント・キラー」とも呼ばれる。
クラーレは最近まで、手術時に筋肉のけいれんを取り除くための筋弛緩剤として使われていたが、現在では人工的に合成された筋弛緩剤が用いられているらしい。