じじぃの「麻薬で眠る・インカ・コカでハイな状態に!はじめて大全」

Virgins of the Sun and Incan Human Sacrifice

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=4zHge8wdPTk

Coca: A Blessing and a Curse

Coca: A Blessing and a Curse

History Magazine
South Americans have cultivated coca plants for about 8,000 years. Valuing the leaves as highly as gold, the Inca treasured coca not only for its myriad medicinal properties, but also for the integral part it played in their sacred rites and rituals.
https://www.nationalgeographic.com/history/magazine/2016/11-12/daily-life-coca-inca-andes-south-america/

『なんでも「はじめて」大全』

スチュワート・ロス/著、西田美緒子/訳 東洋経済新報社 2020年発行

健康と医療 より

麻薬で眠る

「麻酔(anesthesia)という語を生み出したのは米国の作家、オリバー・ウェンデル・ホームで、1846年のことだ。ただしすでに述べたとおり(モルヒネは1804年頃にドイツの薬剤師フリードリヒ・ゼルチュナーによって単離され、その3年後に発売されたなど)、アヘン、アルコール、大麻、ヘムロック、その他の薬草はずっと前から、(個別にまたは混ぜて)鎮痛薬や鎮静薬として用いられていた。量が多すぎて命を落とすこともよくあった。ケシは紀元前3400年という昔からシュメール(イラク)人によって栽培されていたと言われている。全身麻酔について、適度に信頼できるはじめての記録は2世紀の中国のもので、華佗(かだ)が「麻沸散(まふつさん)」と呼ばれる謎めいた薬(おそらく薬草、酒、大麻を混ぜたもの)を投与して、外科手術の前に患者の意識を失わせたとされる。投与された患者で意識を取り戻した者がいたかどうかは、記録はない。
日本の華岡青洲(和歌山)は、華佗が用いた薬の研究と西欧科学の知識とを組み合わせて「通仙散」を生み出した。これは非常に強力な麻酔薬だったので、1804年には全身麻酔を用いてはじめての信頼性のある文書に残った外科手術(部分的な乳腺切除)を行うことができた。一方の西欧では、科学者と医師が吸入麻酔に重点的に取り組んでいた――ジエチルエーテル(1275年に発見されたと思われ、1540年に合成され、1846年に米国で吸入麻酔薬として利用された)、亜酸化窒素(1772年にはじめて生み出された「笑気ガス」で、1844年に米国で外科手術――抜歯――に利用された)、クロロホルム(1847年に英国で全身麻酔に利用された)。はじめての静脈麻酔薬(チオペンタールナトリウム)は1934年に合成された。ドイツの化学者らが、1937年にはじめての合成鎮静薬メサドンを、続いて1939年にメペリジン(別名ペチジン)を作り出している。

コカイン

イングランドの哲学者トマス・ホップスによれば、人生は「不快で、残酷で、短い」。そのことに早くから気づいていた「ホモ・サピエンス」は、現実世界の苦境をしばし忘れられる物質を摂取することで、惨めな気持ちを和らげようとした。南アメリカの人々が好んだのはコカの葉を噛むことだった。この習慣は数千年も前からあると言われているが、はじめてその使用が記録に残されたのはミイラになったインカの子どもの体だ。1400年代に神に捧げる生贄にされる前に、コカでハイな状態にされていた。
その次の世紀にはスペインからやってきた侵略軍が、このドラッグを摂取しただけでなく、これに税をかけて利益を得た。医療の目的で利用――具体的には腐敗した傷口の治療――がはじめて提唱されたのは、それから間もなくのことだった。1855年にはドイツのの化学者フリードリヒ・ゲードケが、コカの薬から有効なアルカロイドを単離している。

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どうでもいい、じじぃの日記。
南アメリカの人々が好んだのはコカの葉を噛むことだった。この習慣は数千年も前からあると言われているが、はじめてその使用が記録に残されたのはミイラになったインカの子どもの体だ。1400年代に神に捧げる生贄にされる前に、コカでハイな状態にされていた」
植物毒は、その多くはアルカロイドなのだそうだ。
トリカブトのアコニチンやタバコのニコチン、ケシからとれるアヘン、キナの樹皮からとれるキニーネ、コカの葉から抽出されるトロパンアルカロイドなど、その多くは医薬品の原料として利用されている。
モルヒネアルカロイドの一種だが、チロシンから生合成されるオピオイド系の化合物でケシを原料とする。
モルヒネは脳内や脊髄に作用し、痛みを脳に伝える神経の活動を抑制し、鎮痛作用を示す。
末期がん患者へのモルヒネによる疼痛治療は標準的な治療とされている。
モルヒネから合成されたヘロインは禁断症状がひどくなったりするが、モルヒネは中毒になることはないのだそうだ。