じじぃの「歴史・思想_446_日本経済予言の書・デジタルチャイナショック」

日本の空き家の現状 その①

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=N0WtCn-srfs

2033年までに空き家率倍増、30%超か?その抑制策とは?野村総研が予測

2017/06/28 健美家
株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区代表取締役社長:此本 臣吾、以下「NRI」)が、新設住宅着工戸数の予測等とともに、2018~2033年までの空き家数・空き家率(総住宅数に占める空き家の割合)の予測を発表。
それによると、16年後の2033年までに、空き家数は2,166万戸、空き家率は30.4%まで倍増するという予測されている。
https://www.kenbiya.com/ar/ns/research/chintai_market/2861.html

『日本経済 予言の書』

鈴木貴博/著 PHPビジネス新書 2020年発行

第7章 日本崩壊を止めるには より

本書が予測する2020年代の日本の崩壊

ここでこれまで本書で予測してきた2020年代の姿についてまとめてみましょう。
まずコロナショック後の経済の立ち直りで日本は世界の先進国の中で立ち遅れます。観光産業、飲食業など痛手の大きい業種で倒産や廃業が相次ぎ、景気が落ち込みます。
その後、日本を代表する企業の安定が大きく崩れ始めます。自動車産業においてトヨタが盟主の座を降りるとともに、アマゾンエフェクトによって多くの小売業が衰退します。
労働環境としてはコロナがきっかけで業務の効率化が促進され、同時にAIが発展することによりホワイトカラー正社員の仕事が消滅し、非正規労働者労働人口の多数派になります。そして70代になった高齢者がまだ働かなければならない社会となるとともに、外国人労働者が激増することになります。
これらの変化は日本のGDPを縮小させ、企業の株価は長期下落に転じます。

社会環境としては少子高齢化が進行するとともに、地方都市だけでなくいよいよ大都市圏の過疎化が進行します。首都圏でも空き家が目立ち、若者の姿も今よりも相対的に少なくなっていきます。日本社会が老いていくのです。

そしてこれからの10年間は災害が増加する10年でもあります。気候災害としては地球温暖化で豪雨災害や熱波が繰り返し起きるようになるます。

アフターコロナとデジタルチャイナ

コロナ終息の世界になってみると、結果的に先進国の中で中国が比較的被害が少ないという状況になっているでしょう。それも経済の面で一番被害が少なく、一番早く立ち直るのが中国です。
ある意味で世界の先進国が中国の良いtころを取り入れる動きが2020年代を通じて起きることが予測されます。デジタルチャイナという考え方ですが、そのひとつの側面として中国政府が行っているITを通じた経済発展と監視社会化が、新しい時代の社会モデルとして優れているという評価があります。
非常に中のいい中国人の友人と話していたときのことですが、彼は習近平時代になって中国が本当に住みやすくなったと心から喜んでいました。それ以前の中国ではビジネスでも政治でも気が抜けないというか、他人をだましたり出し抜くことが横行していたいたのですが、習近平時代になるとそれが急速になくなって、周囲の中国人がみないい人になっていったそうです。
転機になったのは、すべての中国人がITでその信用度をレーティングされるようになって、信用度が下がると損をすることがわかったことでした。それで目先の利益で相手をだますことが損だと気づき、みな法律やルールを守るいい人になっていったというのです。
これがデジタルチャイナ方式の新監視社会で、みんな監視されていることを前提にいい人として振る舞う結果、社会がいい社会になる。そこに都市部に設置された莫大な数のカメラと、そのビッグデータを処理できるAIの出現で、さらに細かく社会をコントロールできるようになった。コロナで話題になったのは、中国では行動歴からQRコードが赤黄緑で表示され、コロナリスクの少ない緑の人しか市内を自由に移動できなくなったこと。それくらい監視が進んでいるのです。
一方でそのコントロール力を武器に、中国はITを武器とした国家の近代化を押し進めています。道路交通はAIがコントロールし、ゴビ砂漠に建設された巨大太陽光発電所から超高圧送電線網で電力が上海へと送られる。渋滞が激しい年では富裕層は1人乗りドローンで空を行き来する。そんなハイテク世界がお隣の国に出現しようとしています。これも発展するデジタルチャイナの別の側面です。

世界経済回復のカギを握る中国は何を狙ってくるか?

中国の強みが世界の工場であることを考えると、アメリカやEU、日本の経済が早く回復したほうが、一見、中国経済の成長率も高くなるように思えます。フランス人やアメリカ人や日本人が中国製品をたくさん買えば、確かに中国経済は潤うでしょう。
しかしこの機会に世界の構造を変えてしまうという選択肢も中国にはあります。
極端な別のプランを提示すると、先進国の経済がボロボロの状況に陥って中流層の多くが下流に転落する一方で、新興国や途上国で年収180万円レベルの新下流層の人口が十数億人レベルで増加する未来を中国が作ろうと考えたらどうでしょうか。
一帯一路の国々のインフラへ中国が100兆円規模の追加投資を行うことで、中国から東南アジア、南アジア、アフリカへの物流インフラが整うとともに現地の生活水準が上がる。そのこよでそれらの国がより多くの中国製品を購入する未来を意識的に作ることを計画するイメージです。
インドネシアパキスタンエチオピアなど新興国や途上国の新下流層が豊かになっても、そこではアメリカも日本もあまり儲けることはできない。しかし安い工業製品を大量に製造する中国は、そこで一番大きな経済恩恵を受けるようになる。一方で先進国の中流層が貧しくなれば、それはそれで中国製品に頼る生活になる。
だとしたら中国はわざわざG7の経済復興に手に貸す必要はなく、むしろ新興国のリーダーとしての基盤を強化する選択を意図的に選ぶ可能性があります。
このことは警告として予言をしておく一方で、私たち日本人にはそれにあらがう選択肢がない問題でもあります。

2030年のセーフティーネット

最後に、日本の中でこれから増加していく弱者を行政はどうしていけばいいのか、考えてみましょう。
日本社会のセーフティーネットの二本柱である年金と医療保険は2030年には実質的に制度崩壊することが見えています。
年金については第5章で述べたように75歳未満の高齢者にはセーフティーネットとして機能せず、75歳以降も十分な額の支給は期待できなくなります。
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おそらく日本がゆっくりと衰退する未来においては、社会保障のような公的な再配分は国民の期待を裏切らざるをえないものになっていくでしょう。その中で少しでも良い未来を招くために、配分の方針について政治家には決断していただいきたいものです。
その一方で結局のところ、これからの10年で国は国民を守れなくなるということは覚悟すべきでしょう。本書の予測のかなりの部分は当たるはずです。国全体が壊れれば国はあてにはできなくなります。
つまり、これからの10年についての予測を読んだうえで読者が個人としてできることは自衛です。具体的には日本が壊れる西暦2030年までに私たちは自分で自分を守るセーフティーネットを用意することが必要になるはずです。