じじぃの「歴史・思想_439_日本経済予言の書・はじめに・7つのショック」

Coronavirus: Will Japan cancel the Olympics?

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=mHqZ7-UiCFs

今年の10大リスク、首位はバイデン氏 米調査会社

2021年1月5日 日本経済新聞
米調査会社ユーラシア・グループは4日、2021年の世界の「10大リスク」を発表した。首位には米国のジョー・バイデン次期大統領を意味する「第46代」を選び、米国民の半数が大統領選の結果を非合法とみなしている社会分断の拡大を警告した。2位には新型コロナウイルスの長引く影響をあげて、世界政治や経済の安定を脅かすと予想した。
米中関係については2国間の緊張はさらに高まり、バイデン政権発足後も「昨年のような激しい対立」を予想した。気候変動対策でも米中の競争は激化し、電池や電力制御システムといった技術を巡る「クリーン・エネルギーの軍拡競争」になると予想した。
(1)アメリカ第46代大統領ハイデン氏
(2)長引く新型コロナの影響
(3)気候変動対策を巡る競争(排出0目標とGゼロの世界)
(4)米中の緊張拡大
(5)世界的なデータの規制強化
(6)サイバー紛争の本格化・転換点
(7)冷え切ったトルコ
(8)原油安の打撃を受ける中東
(9)メルケル独首相退任後の欧州
(10)中南米の失望
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN04AY5004012021000000

日本経済予言の書 2020年代、不安な未来の読み解き方 PHPビジネス新書

著者:鈴木貴博著 《経営戦略コンサルタントフューチャリスト
コロナ不況はどうなるのか? その後に日本経済を襲う「7つのショック」、そして「1つの希望」とは? 未来予測のプロが徹底予測。

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『日本経済 予言の書』

鈴木貴博/著 PHPビジネス新書 2020年発行

はじめに より

いよいよ来たるべきものが来る10年間。2020年代はこれまで叫ばれてきたさまざまな危機が現実化し、7つのショックが起きることによって「日本が壊れる10年間」と後に呼ばれる時代になるでしょう。この本は、私の専門分野である日本経済についてコロナ以降の未来を予言するレポートです。

2020年代に日本を襲う7つのショック

コロナショックについてはこれまでも繰り返し小規模なパンデミックを起きていました。
ですから一部の経営者は未来予測シナリオとしてそれに備えていた。一方で大半の経営者はそれを見落としていたために、コロナショックにより業績や事業計画の大幅な修正を余儀なくされました。
コロナショックは、スペイン風邪チフス、中世の黒死病など過去のパンデミックまでさかのぼって考えても、歴史に残るサプライズだと思います。しかし、私たちの目の前にある変化の種はそれだけではありません。
2020年代にはこれから新たに7つのショックが到来します。それは、
●アフターコロナショック
トヨタショック
●気候災害
●アマゾンエフェクト
人口ピラミッド崩壊
ポピュリズムショック
●デジタルチャイナショック
という7つの変化です。そしてそれぞれの変化は日本経済や日本社会に甚大な影響を与えます。
具体的にはコロナは2020年の夏からは経済問題へと性格を変えます。それとは別の原因でトヨタがこれからの10年間で衰退していくこと、巨大台風だけでなく熱波や熱帯性伝染病など新しいタイプの気候災害が日本を襲うこと、アメリカ同様に日本でも大規模小売チェーンが次々と閉店していくことなどのショックが予測されます。
日本社会では人口ピラミッドが崩壊する中で「高齢者が働かなければいけない社会」「増加する移民」「人工知能」への不満が高まり、縮小する経済の中で2020年代中盤にはふたたび政権交代の機運が高まるでしょう。

予測された未来は変えることができる

本書を読み進めていただければ、いかに2020年代が日本にとっての大きな転換点なのかがご理解いただけるはずです。

日本経済は長らく「ゆでガエル」の状態にあると言われています。カエルは熱いお湯に入れると驚いて逃げ出します。しかしゆっくりと温度が上がる状況だと、動かずにゆであがってしまうという、よく知られたたとえです。

過去30年間ずっと、私たち日本人が今年や来年といった少し先を考えて「こうすれば少し良くなる」「あのようにすれば改善する」と行動しているうちに、日本経済は世界の成長から大きく遅れてきました。まだ日本人の多くはその深刻さに気づいていませんが、日本はすでに中国には追いつくことができないほど距離をあけられてしまっています。
だからこそみなさんが今、目にすべきは10年後の「熱いお湯」を描いたレポートであるべきです。それを目にすることで、カエルはゆであがらずにお湯から飛び出すことができるかもしれません。
そしてこのレポートが描く「日本が壊れる10年間」についての予測が結果として外れれば、日本は壊れずにすむかもしれません。
予測された未来は変えることができる。それは確度の高い”予言”ですらそう言えます。その観点で、本書の最後の章では、トヨタを衰退させない方法を含めて「変えられる未来」についても提言することにしました。