じじぃの「アヘン戦争・もうすぐ・モルヒネを化学する!ケミストリー世界史」

What If Your Brain Stopped Working for 5 Seconds?

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=B4TUfDjZgAY

What Happens in Our Brain When We Die?


鎮痛剤オピオイド問題、経済や産業へも大きな影響(米国)

2019年9月17日 ジェトロ
米保健福祉省(HHS)の調べ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます によると、2017年に米国では1日当たり平均約130人が、鎮痛剤「オピオイド」の依存症で死亡した。

以上のような背景から、1990年代後半からオピオイド被害は増加を続け、2017年の依存症による死亡者数は4万7,600人に上った(図2参照)。その数は交通事故よりも多く、死亡要因としては心臓病、がん、慢性的下気道疾患、自殺に次いで5番目となった(全国安全協議会(NSC)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます )。特に、フェンタニルがその大半を占める合成オピオイドの死亡者数は1999年比で39倍に伸びており、オピオイド全体の約6割に当たる2万8,466人となった。
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2019/864c7f53070324bb.html

『ケミストリー世界史 その時、化学が時代を変えた!』

大宮理/著 PHP文庫 2022年発行

第12章 資本主義から帝国主義へ より

1839年 アヘン戦争――圧倒的なイギリス海軍力を前に中華帝国の落日

●貿易不均衡の是正のためアヘンを投入
イギリスでは中国産の茶(紅茶)の需要が高まりましたが、茶は中国商人が独占しており、しかも支払いは金と銀の地金のみしか認めていなかったので輸入超過になりました。毎年、現在の邦貨にして1000億円以上を銀で支払う必要があったのです。
ここから2つの潮流が生まれます。1つはアヘン戦争、もう1つはインドでの茶の栽培、アッサムやダージリンティの誕生です。
茶による貿易不均衡の是正のため、イギリスは中国に売りつけるものとして、インド・ベンガル産のアヘンを持ち込んで密売しました。アヘンは、ケシの未熟果の分泌液を取り出して乾燥させたものです。アヘンにふくまれる成分の1つであるモルヒネは、優れた鎮痛、麻酔の効果がありますが、最悪なのはその依存性です。
ケシはもともと地中海東部の原産で、古代文明から薬草として使われてきました。アレクサンドロス大王の東征でケシの栽培はインドまで伝わり(諸説あり)、さらに中国へ伝播しました。20世紀はじめまで、アヘンはシロップやリキュールなどのかたちで、アルコールより安く入手できたのです。また、むずかる子供をおとなしくさせるためにも使われました。

アヘン戦争勃発
1776年以前は約200箱だった輸入アヘンが、1838年には約4万箱にまでなっていました。アヘン中国の蔓延を見かねた清の政府は、特務大臣の林則徐を派遣し、広州でイギリスが持ち込んだ大量のアヘンをすべて没収します。
イギリスは、自由貿易の保護を名目に戦争に突入しました。1839年11月の最初の交戦では、2隻のイギリス軍艦が29隻の清朝の軍艦と交戦しました。1840年には、イギリス艦隊が覇権されて大規模な戦闘になり、旧式な清の軍艦は壊滅させられました。その後、結ばれた南京条約で、香港はイギリスの支配下になったのです。
これを機に、”中華”の帝国は丸裸にされ、列強諸国の中国への干渉が始まります。ボロボロになった清朝では、これを引き金にして困窮した民衆が太平天国の乱になだれこみ、死者およそ2000万人の惨禍が起こります。

●火砲の改良が進まなかった中国
中国は広大な平原と巨大な川をもち、古くから大掛かりな灌漑施設をつくるために中央集権的な官僚機構をつくられました。この官僚機構を維持するのが至上命令だったため、個人が技術を開発したり発明家を育てたり風土がなかったのです。ヨーロッパで火砲が改良を続けているあいだも、古典的なロケット弾や手榴弾を炸裂させる技術から脱け出せずにいました。
ポルトガルなどの商人からヨーロッパへの火砲が輸入されましたが、イギリスの新鋭艦隊に搭載された最新型の砲や最新式の銃(マスケット銃といわれる小銃)の前には歯が立たなかったのです。

モルヒネを化学する
アヘンには20種以上のアルカロイドがふくまれ、そのうち、もっとも多い成分はモルヒネです。1803年、ドイツの薬剤師フリードリヒ・ゼルチュルナーがケシの抽出物からモルヒネを単離し、ギリシャ神話に登場する夢をつかさどる神モルペウスから、「モルフィン」(モルヒネ)と名づけました。
モルヒネの分子構造(原子の3次元的なつながり方)を決定できるようになるには、その後、化学的な分析手法の進歩を122年待たなくてはなりませんでした。1925年に、やっとモルヒネの分子の立体構造が解明されました。
モルヒネがどうして鎮痛作用をもつのかといえば、脳内にある神経伝達に関与するタンパク質でできた受容体に作用して、痛みの信号をブロックしたり、神経の興奮を抑制したりするからだと考えられています。
モルヒネはヒトの中では合成されないので、モルヒネが脳内で作用するということは、もともとモルヒネに類似した分子がヒトの体内でつくられて作用していると推理できます。やがて、モルヒネより何百倍も強力な”脳内麻薬”といわれる分子が発見されます。

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どうでもいい、じじぃの日記。
お棺の中に納められた人の死体。
なぜか、安らぎを得たように微笑んでいる。

低酸素状態となった脳が起こす現象とは?

低酸素症患者を対象にした実験では、血中の酸素濃度が下がるほど、エンドルフィン値が上がる事が明らかになっている。この事は死の間際にエンドルフィン値が上がる事を示唆している。

「やがて、モルヒネより何百倍も強力な”脳内麻薬”といわれる分子が発見されます」

私も、もうすぐ、お棺の中で微笑みます。