じじぃの「平均寿命・日本はアメリカの2倍になる?不死の講義」

Only in Japan. This Is Why Japanese Are Living in Future

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=VOAniMMKtbQ

Japanese people live really long ?

Japan Demographics: What’s the Average Life Expectancy, Height, and Monthly Income?

16 May 2019 LIVE JAPAN travel guide
Major reasons for Japan’s famous longevity is modern medicine and eating habits. Compared to other developed countries, the national diet features little fat but plenty of fish, tofu, natto, miso, and other soy products. Green tea, a major staple drink in Japan, is rich in antioxidants such as Vitamin C and catechin, said to lower the risk of cancer and helps against arteriosclerosis. Factors that certainly contribute to a long life.
https://livejapan.com/en/in-tokyo/in-pref-tokyo/in-shinjuku/article-a0000962/

ケンブリッジ大学・人気哲学者の「不死」の講義』

ティーヴン・ケイヴ/著、柴田裕之/訳 日経BP 2021年発行

【目次】

第1部 「生き残り」シナリオ ーStaying Alive―

第2部 「蘇り」シナリオ ーResurrection―
第3部 「霊魂」シナリオ ーSoul―
第4部 「遺産(レガシー)」シナリオ ーLegacy-

第3章 科学vs死神――ノーベル賞学者を虜にした不老不死のビタミン療法 より

科学とテクノロジーがもたらした恩恵と「破滅の力」

ライナス・ポーリングは不死への「工学アプローチ」の先駆者であり、新しい科学が人類に健康と長寿をもたらす莫大な可能性を見て取った、大胆な思想家だった。
だが、ポーリングの展望に含まれていたのは、科学の恩恵だけではない。世界w作り変える人類の能力を軽率に発達させることによってもたらされる恐ろしい危険の数々も、彼は十二分に承知していた。実際、そのような認識があったからこそ、彼は初めて研究室から打って出て、政治の世界に飛び込む気になったのだ。その結果、後にビタミンCに熱を上げたときと同じぐらい多くの敵を作ることになった。
戦争遂行努力に懸命に取り組んできたポーリングは、1945年8月7日の朝、新聞を手にして、「日本、原爆による大損害を認める」という記事で、たった1発の爆弾がまるごと1つの都市を跡形もなく破壊した詳細な経緯を読み、ぞっとした。彼は、その破壊の規模に深く心を動かされた。原子爆弾製造計画の化学部門を指揮するように依頼を受けたものの、他に多くの責務を抱えていたという理由で辞退していたから、なおさらだった。
翌年、核技術の危険を世間に警告しようというエリートたちの組織である「原子力科学者による非常委員会」の設立に、アルベルト・アインシュタインに誘われると、ポーリングはただちに同意し、原子力兵器実験に対する反対意見を表明し始めた。
だがそれは、ジョセフ・マッカーシー上院議員の時代で、マッカーシーソヴィエト連邦の同調者たちがアメリカを陥れようと工作していると確信していた。だから、ポーリングのような高名な科学者が核兵器を非難すれば、目をつかられぬはずがない。
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1954年11月、ライナス・ポーリングノーベル化学賞を受賞することが発表された。それまで、ノーベル賞受賞者が賞を受けに行くのを妨げたのはナチス・ドイツだけだった。そして、アメリカ政府は授賞式の2週間前についに態度を軟化させ、ポーリングに無制限のパスポートを交付した。彼は、人類の新しいテクノロジーが持つ負の側面に反対する運動を継続し、やがて大気圏核実験の禁止につながる運動の参加者として、決定的な役割を果たした。大気圏核実験を禁止する条約の締結は、冷戦の緊張を和らげる努力における画期的な出来事だった。1963年、この条約が発効した日に、ノーベル委員会はポーリングの2度目の受賞を発表した。今度は平和賞で、彼は、2つのまったく無関係の分野で受賞した唯一の人となると同時に、単独で2つのノーベル賞を受賞した唯一の人にもなった。

この世の破滅を生き残れるか? ――「死」についての想像力の限界点

テキサス大学教授のスティーヴン・オースタッドという長寿研究者による2010年の計算では、医学的不死者の平均寿命は5775年になるだろうという。言い換えれば、もし老化や疾患を免れられるなら、誤って自動車で崖から跳び出したり、井戸に落ちたりするまでに、およそそれだけの年月を生きることが見込めるというわけだ。
この数字は、アメリカの9歳児の生存率に基づいて推定している。なぜ9歳児を選んだかと言えば、彼らは幼少期の疾患をすでに生き延びたものの、まだ老化と共に襲いかかってくる疾患の犠牲にはなっていないので、病気で亡くなる可能性が最も低いからだ。この推定値は非常に大まかで、9歳児は自動車を運転したり、銃を所有したりしないのが普通だからなおさらだ(自動車と銃は、共に事故死の主要な原因となっている)。
そして、それはあくまで平均にすぎない。1万年生きる人もいるかもしれない。これは、定住文明の始まる頃から、古代エジプトの盛衰を経て、現在に至るまでの期間を生きることに相当する。その反面、乗っていた飛行機が墜落して20歳の若さで死ぬ人もいるかもしれない。
事故が起こりにくい社会や、事故後の治療が得意な社会では、平均寿命はさらに延びるだろう。

たとえば、安全を重視する日本ではアメリカの2倍近くになるだろう。だが、世界のそれ以外の地域、とりわけ戦争や生活必需品の欠乏に苦しむ国々でははるかに短くなるだろう。

アメリカにおいてさえ、されほどの高齢まで生きるためには、現在のような生活状態が何千年にもわたって保たれる必要があるが、それ自体、極端に可能性が低い。人類史の多くは、安定した気候の下で平和と繁栄のうちに過ぎたわけではない。そして、未来がそれとは異なる道をたどる保証はまったくない。むしろその逆で、永遠への長い途上には、私たちを待ち伏せしていそうな脅威――私たち個人の存在と種全体としての存在に対する脅威の両方――が山ほどある。
それどころか、こうした脅威は増大している。
ライナス・ポーリングがはっきり認識していたように、世界についての私たちの知識が増すにつれ、世界を破壊する私たちの能力も増してきた。人類が核戦争による世界の破滅の瀬戸際まで行ったことを記憶している人は多い。破滅を免れたのは、1つには、無責任な実験を禁止したり、軍備拡張競争を止めたりしようとしたポーリングのような人々による根気強い運動があったおかげだ。冷戦が終結してから久しいが、国際的な同盟関係や敵対関係が再び変化し、いつの日か、核兵器による対決の危機に再び陥る可能性は大いにある。何と言おうと、核兵器は依然として存在しているのだし、たとえ軍備を縮小したとしても、核テクノロジーを消し去ることはできない。文明が続くかぎり、人類は自己破壊の能力と共に生きていかざるをえないのだ。

科学界の巨人の孤立と「生き残り」シナリオの破綻

4つある不死のシナリオの基本形態の第1である「生き残りシナリオ」は、すっかり浸透しているように見える。それは、文明が拠り所としている約束の一部を成し、現代における西洋的世界観の核心にある。進歩の概念にとって不可欠だ。すこしだけ長く、さらに長く、なおいっそう長く生きられるという希望こそが、人間社会の物質的側面のほぼすべての発展を促してきた。そして、今日その希望は、科学と医薬の巨大産業に動機を与えている。これらの分野は、現に私たちの人生を、より長く、より良いものにするような成果を上げている。