【世界の豆知識】人種のサラダボウル?!ニューヨーク(#367)
アメリカは坩堝か、サラダボウルか?
アメリカが「人種のるつぼ」から「サラダボウル」に変わった理由
2023-06-12 ビジネス英語習得の本質
アメリカは多くの民族から成り立っています。
白人が60%強を占めるマジョリティですが、ヒスパニック、黒人、アジア系など多くの移民がアメリカで暮らしています。
このように、アメリカが多くの民族から成り立つ様子が、「人種のるつぼ(メルティングポット)」、「人種のサラダボウル」と、たとえられます。
以下で、「人種のるつぼ」、「人種のサラダボウル」が意味する違いについて説明します。
https://ushikubou.com/culture-america-meltingpot
ゲシュタルト法則
コトバンク より
心理現象は要素の総和からは説明しえない全体性をもつと同時に構造化されているとして,このような性質を〈ゲシュタルトGestalt〉と呼んだ。
そして構造化される法則〈ゲシュタルト法則〉を見出した。各要素はその全体性の中で説明されるのであって(部分の全体依存性),その逆ではない。
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WHITESHIFT――白人がマイノリティになる日
【目次】
第1章………白人がマイノリティになる世界―ホワイトシフト
■第1部・闘争
第2章………ホワイトシフト前章アメリカ史におけるWASPから白人への転換
第3章………トランプの台頭―移民時代の民族伝統主義的ナショナリズム
第4章………英国― 英国保護区の崩壊
第5章………欧州における右派ポピュリズムの台頭
第6章………カナダ特殊論― アングロスフィアにおける右派ポピュリズム
■第2部・抑圧
第7章………左派モダニズム―一九世紀のボヘミアンから大学闘争まで
第8章………左派モダニズムと右派ポピュリストの戦い
■第3部・逃亡
第9章………避難― 白人マジョリティの地理的・社会的退却
■第4部・参加
第10章………サラダボウルか坩堝か? ―欧米における異人種間結婚
第11章……白人マジョリティの未来
第12章……「非混血の」白人は絶滅するのか?
第13章……ホワイトシフトのナビゲーション―包摂的な国の包摂的なマジョリティへ
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『WHITESHIFT――白人がマイノリティになる日』
エリック・カウフマン/著、臼井美子/訳 亜紀書房 2023年発行
白人マジョリティが徐々に、白人の伝統的文化を身につけた混血人種のマジョリティへと変容していくモデル。
英国では2100年代に混血の人々がマジョリティになると著者カウフマンは予見する。
第11章……白人マジョリティの未来 より
坩堝のなかの白人
西洋では白人が主流を定義しているため、白人のアイデンティティは独特なものではない。異国趣味と独自性が重んじられるなら、これは白人の拡大にとってマイナスに働くはずだ。しかし、異国のアイデンティティを求める人はごく一部だけである。たとえば、アメリカでは、白人は複数の欧州の血筋を引いていることも多い。なかにはイタリア人、アイルランド人、あるいはその他の欧州の血統の1つに帰属意識をもつ人もいるが、多くの人は自らを単に「白人」または「アメリカ人」と称している。白人やアメリカ人を自称する人は、アメリカ、特に田園地帯や南部に長い家族の歴史のある人であることが多い。英国系やアイルランド系という自己意識をのある人と比べ、彼らの政治的な考え方はかなりトランプよりである。その事実は両者のアメリカ居住期間の長さが同じでも変わらない。たとえば、リベラルなニューイングランドには、英国系やアイルランドという自己意識をもつ人が多く、その一方で、軟部に住む人は、彼らと同じ血統であっても自分を「アメリカ人」と呼ぶ傾向がある。
将来、これらの混血人種の人々は、同じように政治的な考えかたによって態度を変える可能性がある。たとえば、保守主義者や権威主義者は自分を白人とみなし。リベラルは自分の非欧州人あるいは先住民の伝統を誇示するようになるかもしれない。実際、マサチューセッツ州上院議員のエリザベス・ウォーレンは、ドナルド・トランプに「ポカホンタス」と呼ばれた。ビル・クリントンは、証明書はないものの、自分のアイルランドの血統について盛んに述べていた。歴史的に、英国系のリベラルと南北戦争以前のアメリカ北部の「ヤンキー」は、アングロサクソン人のアイデンティティをもち、また、英国系の保守主義者や南部のアメリカ人はノルマン騎士のアイデンティティをもっていた。
フランスでは、リベラルがガリア人の、保守主義者はフランク人の血を引くと語ってきた。ロシアやハンガリーでは、戦争によって、自らの「東洋の」非欧州系の大草原地帯の起源を好む伝統主義者と、「西洋の」欧州の血統を重視する現代現代主義者が戦った。国際的な背景もまた重要となる。権力、富、数の上で非西洋諸国は次第に有利となり、西洋の白人は、まさに今日のイスラム世界に住むエリートのように、追い詰められ、不安を感じるようになるかもしれない。それは、一部欧州人の血を引く人々に、他の血統の選択を促すことにもなる。
欧州で、将来、人種ではなく名前や文化が白人を定義する識別指標となるならば、西洋の白人マジョリティがⅣ利益を得るのは同化だけからになるだろう。白人あるいは一部白人の外見は十分な識別指標である一方で、多くの潜在的な構成韻には身体的にはっきりした違いはなくなるだろう。現在も高い地位を保つ建国集団として、セネガルではウォロフ人のような中核となるエスニック集団に向かって同化するように、同化は「白人」に近づく方向でおこなわれるはずである。一方、カリブ諸国、南アフリカ、モーリシャス諸島の白人の間で慣習となっているように、異人種間結婚に対して集団の境界が閉鎖され、混血人種の子孫が除外される場合は、それはうまくは働かない。西洋の白人は、異人種間結婚に対する開放性という点で、解放的クレオール(西インド諸島、中南米などで生まれ育ったヨーロッパ人。 特にスペイン人、フランス人をいう)やアフリカ人と、閉鎖的なアジア人との中間に位置している。そうだとしても、伝統的ば白人の外見が依然として集団の一員であるための必須条件である場合には、色の認識が白人の吸収力の可能性に制約を課している。その一方で、もし「白人」の民族性(エスニシティ)が、たとえ白人に見えなくても、欧州人の血統に帰属意識をもつ混血の人々に開かれているとしたら、「白人」は明らかなマジョリティでありつづけるはずだ。
坩堝かモザイクか?
西洋が坩堝の方向に向かうとしたら、その世界に同化する人々は、確立されたエスニック集団の周りに自分を位置づけるのだろうか、それとも新たなハイブリッドを形成するのだろうか?
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将来、北米やオーストラリア、ニュージーランドの混血の白人が、自分たちの出目について考える時、彼らは、祖先の神話としてアングロ・ヨーロッパやアフリカや先住民の血統が組み合わさっていることを重視する、メティ(カナダ・インディアンとヨーロッパ人の混血子孫)、メスティーソ(インディオとスペイン系白人との混血住民)、クレオールのグループに変化するかもしれない。この過程は、ゲシュタルトの法則のように、微々たる新しい要素や特色のない要素は排除するものである。植民者社会の未来の潜在的マジョリティのプロトタイプは、カナダのメティ、ニュージーランドのマオリと英国系の混血集団、または欧州人とネイティヴ・インディアンとアフリカ人の血統の結合したアメリカのメランジョンのなかに見出すことができる。
ハイブリッドのグループの誕生は、新世界ではありうるが、欧州ではありそうにない。未来の様々な色合いの「白人」欧州人は自分の祖先をフランスのガリア人やガロ・ローマ人のような欧州人の祖先のなかから選ぶ可能性がある一方、非欧州人の血統はあまりにも新しいために、意味やルーツの意識を求める人々に象徴的な資産を与えることができないからである。「白人」の実際の祖先は、もっぱら欧州の血統を重視するはずである。というのも、これらの白人は身体的には次第に独自性を失っていくが、それでも依然として自らを他の人種から区別する方法は必要だからである。そのためには、他の人々と比べて若干白色人種らしく見えるだけで十分だ。