じじぃの「カオス・地球_306_白人がマイノリティになる日・第8章・移民と人種差別」

The Most RACIST Countries in the World

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=hP0exVsr2XQ

Source: Ipsos-Mori Global @dvisor Survey, 18 countries, 15 March 2017. N=14,014. Aggregated data.


Is tribalism racist? Antiracism norms and immigration

July 9th, 2017 British Politics and Policy at LSE

Are ethnically-motivated restrictions on immigration racist? Eric Kaufmann draws on new data from an 18-country survey to explain how people answered this question and how their answer affects their own support for higher or lower immigration levels.

The racism v. racial self-interest divide strongly predicts variation in support for immigration, but is only part of the story. For instance, regardless of moral sentiment, countries such as Turkey or Sweden which have recently received large numbers of Syrian refugees, want less immigration.

What is especially interesting, though, is that the antiracism-pro immigration relationship holds more strongly in European-descended societies than elsewhere. The line of best fit for western countries is shown in red in figure 1. Notice that India, South Korea, Japan, Mexico, and Turkey fall well outside the line. This underscores the sharper value cleavage emerging in the West.
https://blogs.lse.ac.uk/politicsandpolicy/antiracism-norms-and-immigration/

シャーロッツヴィル事件、デモ主催者に2500万ドルの支払い命令 連邦地裁

2021年11月24日 BBC NEWS
シャーロッツヴィルでは2017年、南北戦争奴隷制維持を掲げる南部連合の軍を率いたロバート・E・リー将軍銅像撤去をめぐり、白人至上主義者たちが抗議集会を重ねていた。
8月12日には「右派の団結」を呼びかける人たちと、これに抗議する人たちの衝突が起きた。人種差別に抗議する人たちの中にジェイムズ・アレックス・フィールズ被告が自動車で突入し、ヘザー・ハイヤーさん(32)が死亡したほか、19人が負傷した。

また、当時のドナルド・トランプ大統領が「双方に責任がある」と主張。当時の与党・共和党内や政権内からもトランプ氏を批判する声が上がった。
リー将軍銅像は今年7月に撤去されている。
https://www.bbc.com/japanese/59397162

WHITESHIFT――白人がマイノリティになる日

【目次】
第1章………白人がマイノリティになる世界―ホワイトシフト
■第1部・闘争
第2章………ホワイトシフト前章アメリカ史におけるWASPから白人への転換
第3章………トランプの台頭―移民時代の民族伝統主義的ナショナリズム
第4章………英国― 英国保護区の崩壊
第5章………欧州における右派ポピュリズムの台頭
第6章………カナダ特殊論― アングロスフィアにおける右派ポピュリズム
■第2部・抑圧
第7章………左派モダニズム―一九世紀のボヘミアンから大学闘争まで

第8章………左派モダニズムと右派ポピュリストの戦い

■第3部・逃亡
第9章………避難― 白人マジョリティの地理的・社会的退却
■第4部・参加
第10章………サラダボウルか坩堝か? ―欧米における異人種間結婚
第11章……白人マジョリティの未来
第12章……「非混血の」白人は絶滅するのか?
第13章……ホワイトシフトのナビゲーション―包摂的な国の包摂的なマジョリティへ

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『WHITESHIFT――白人がマイノリティになる日』

エリック・カウフマン/著、臼井美子/訳 亜紀書房 2023年発行

白人マジョリティが徐々に、白人の伝統的文化を身につけた混血人種のマジョリティへと変容していくモデル。
英国では2100年代に混血の人々がマジョリティになると著者カウフマンは予見する。

第8章………左派モダニズムと右派ポピュリストの戦い より

本書では、左派モダニズムと、高まりつつある民族伝統主義的ナショナリズムが衝突した時に、一体、何が起こるのかを見ていきたい。シャーロッツヴィルの出来事が重要なのは、自己主張を強めていく左派モダニストと白人ナショナリストの活動家が、これを契機に、その後直接衝突していくようになるからである。
キャンパスや都市部における左派モダニストの抗議活動が急激な高まりを見せる一方で、他方には、白人意識の高まりや反移民政治運動があり、その衝突は、より大きなドラマに役割を果たしている。左派モダニズムの制度化により、人種差別の意味は見事に拡大されて、新たな政策分野が生み出され、社会規範によって特定の問題に関する議論が抑制されるようになっている。

左派モダニストの思想は、1960年代から1990年代の間にエリートの組織のなかできわめて着実な進歩を見せてきたが、現在、ナショナリストからの激しい抵抗にあいはじめている。
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移民と人種差別

左派モダニズムとポピュリスト保守主義を分ける主要な分岐線は、移民を中心とするものである。つまり、特に、文化的理由によって移民の削減を望むことが、人種差別になるかどうかということだ。移民の削減について話すことが多くの欧州諸国で受け入れられるようになった2000年代には、これは通常、賃金や公共サービスの圧迫の懸念という衣をまとっていた。西洋のハイカルチャーには、いまだに移民問題を取り上げることに対する居心地の悪さがある。このことがメディアの左派/右派のエコー・チャンバーへの分断化を助長する。そこには物事を都合よく解釈する状況があり、起こった事実に異なる処理を施して、自分体の陣営で優勢な世界観を強化していく。たとえば、テロ攻撃によって、左派のメディアは無実のムスリムの物語を語り、イスラム恐怖症の広がりを懸念する一方、右派は高まるムスリムの脅威からの保護と安全を強く求める。
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アメリカでは、道徳はジョナサン・ハイトが「束ねて盲目化させる」と言うように、党派の境界識別指標となり、論理的盲点を生み出している。アメリカ以外では、党派的な差異はそれよりも小さく、自国の白人マジョリティの一員が、白人のグループの割合を維持するために移民の削減を求めることを人種差別と考える人は少ない。
たとえばアメリカの白人で、これを人種差別だと考える人は37%なのに対し、英国のYouGov調査でこの意見が人種差別であると答えた白人の英国人は24%である。ほとんどの国でその違いを推測させるものは、移民に対する意見である。つまり、現状維持あるいは移民の増加を求める人々は、民族文化的理由で移民の受け入れ数を制限することを人種差別だと感じる傾向があり、また、その逆も言える。英国では、大卒で移民支持派のEU残留に投票した白人の英国人のうちの80%と、移民の削減を望む白人の英国人の大多数との間には、大きな意見の相違がある。たとえば、教育を受けた移民支持派のEU残留支持者を見ると、大学や文化産業に上層部で働いている人のほとんどが、この感情は人種差別だと述べている。だが、これは白人の英国人EU残留支持者全体では45%へと下落し、白人の英国人の離脱支持者ではわずか6%へと大きく下がっている。大卒資格のない英国人の離脱支持者で、この発言を人種差別だという割合は完全にゼロである。

イプソス・モリでも18ヵ国の代表調査で同じ質問をおこなっている。ここで私たちは各国に応じてマジョリティであるエスニック集団を変更し、ハンガリーでは「白人のハンガリー人」、インドでは「ヒンドゥー教徒」とした。「わからない」という回答を除いて国別に集計したところ、再び明らかになったのは、民族文化的理由で移民の削減を求めることは人種差別ではないと大多数が考えているということだった。この動機を人種差別だと考える率が高い国はアメリカで、36%の人がそう考え、低い国は南アフリカで、13%である(南アフリカではコーサ人が準拠集団[個人が自己の行動や立場を評価する際に、その基準となるようなグループのこと]である)。国内で大きく意見が相違することもある。カナダでは、英語圏カナダ人の37%がこれを人種差別だと述べている――これはアメリカとほぼ同じ比率である――一方で、ケベック人ではそう述べた人はわずか15%にとどまっていた。ベルギーでは、ブリュッセルの住民の32%がこれに同意したが、フランドル地方では同じ意見を述べた人はわずか19%となっていた。

移民の現状維持あるいは増加を求める人々は、移民の受け入れを制限することは人種差別だと考える傾向にある。

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最も注目すべきは、反人種差別と移民の受け入れに対する支持との関係が白人マジョリティ社会において他のどの社会よりも強い影響力をもつことである。図(画像参照)では欧米諸国における予測値を灰色の線で示している。
インド、韓国、日本、メキシコ、トルコはこの線からかなり離れていることに注目してほしい。これは、世界の他の地域と比較して、欧米では、個人の人種差別とは何かという見解に関する意見との間に関連があることを明確に示すものである。移民の受け入れと民族変化が進むにつれ、人種差別のタブーの適切な範囲をめぐる不一致は次第に大きな政治問題となっている。