じじぃの「ムーアの法則・半導体チップ・線幅のパラドックス!逆説の雑学」

【ゆっくりIT】ムーアの法則とは? ~CPU解説~ ゆっくり解説コンピュータ知識 No.024

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=grKYPyPmGs8


【図解】コレ1枚でわかるムーアの法則

2019/09/13 オルタナティブ・ブログ
1965年の春、フェアチャイルドセミコンダクタ社の創立メンバーのひとりでありインテルの創業者であるゴードン・ムーアは、「エレクトロニクス・マガジン」誌から同誌の35周年を記念して、コンピュータの未来についての記事を依頼されました。当時、集積回路の最先端の試作品でも1つのコンピュータ・チップに詰め込めるトランジスタ数は30個が限界でした。

そんな時代にムーアは記事を書くためにデータを集めていて驚くべきことを発見したのです。なんと1枚のチップに集積されるトランジスタ数は1959年から毎年倍増していたのです。この傾向がこの先も続くと仮定すると、1975年には6万5千個という途方もない数のトランジスタが集積されることになります。
https://blogs.itmedia.co.jp/itsolutionjuku/2019/09/1_48.html

『フューチャー・オブ・マインド 心の未来を科学する』

ミチオ・カク/著、 斉藤隆央/訳 NHK出版 2015年発行

第10章 人工知能 より

進歩の障害
では、ロボットがついに知能で人間に並び、人間を追い越すのはいつになるだろう? それはだれにもわからないが、すでに多くの予想がある。大半は、ムーアの法則が何十年も先まで成り立つと当てこんでの予想だ。しかしムーアの法則はそもそも法則ではないし、それどころか、その存続は結局のところ基本的な物理法則である量子論に反している。

そんなわけで、ムーアの法則が永久に成り立つことはない。事実、すでに法則のペースは落ちはじめている。10年後か20年後には頭打ちになるかもしれず、その影響は、とくにシリコンバレーには深刻なものとなりかねない。

問題は単純だ。現在、爪の先ほどのチップに何億ものシリコントランジスタをのせられるが、そうして詰め込める数には限界がある。現時点で、ペンティアム・チップも最も薄いシリコンの層は原子20個ぶんほどの厚みであり、2020年までには原子5個ぶんほどになる可能性がある。だがそこでハイゼンベルグ不確定性原理が働き出す。電子の居場所を厳密に決定できなくなり、電子が配線から「漏れ出る」おそれが生じるのだ。そうなればチップはショートしてしまう。おまけに、目玉焼きができるほどの熱を発する。したがって、こうした漏洩と熱によっていずれムーアの法則は破綻し、それに代わる何かが必要となるだろう。

平たいチップにトランジスタを詰め込んでコンピュータの性能を上げるのが限界に近づいているのなら、チップを三次元にしようと、現在インテル社は数十億ドルの賭けに出ている。このギャンブルがうまくいくかどうかは、時が経てばわかる(3Dチップの大きな問題は、チップの厚みが増すにつれ、生じる熱が急激に増す点にある)。

マイクロソフト社は、並列処理で二次元に広げるなど、別の手段を探っている。ひとつの可能性は、チップを水平にいくつも並べるというものだ。そしてソフトウェアが取り込む問題を細かく分解し、それぞれを小さなチップに振り分けて解き、結果を最後に組み合わせる。しかしこれはややこしいプロセスだろうし、ソフトウェアは、ムーアの法則でわれわれにはおなじみのとてつもない指数関数的なペースよりも、はるかにゆっくり進歩している。

こうした一時しのぎの策は、ムーアの法則を何年か延命させるかもしれない。しかし、やがてそれも終わる。量子論に必ず支配されるのだ。

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じじぃの日記。

ミチオ・カク著『フューチャー・オブ・マインド』という本に、「進歩の障害」があった。

2020年6月、理化学研究所富士通が共同開発したスーパーコンピューター「富岳(ふがく)」がスーパーコンピューターの性能を競う世界ランキング「TOP500」で1位を獲得した。

日本が1位を取るのは2011年11月の「京(けい)」以来、8年半ぶり。
2位にランクされたスパコンは米オークリッジ国立研究所で、富岳は速度で約2.8倍の差をつけての断トツ1位にランクされた。

世界一となった富岳の正体

富士通が開発したプロセッサー「A64FX」により高性能化を達成した。
・台湾の半導体企業TSMCが持つ最先端技術を用いて生産した。
 CPUの製造はTSMC社が担ったが、回路の配線の間隔は7nmと世界最高密度であった。

2023年11月14日、スパコンの世界ランキングは4位に転落したが、2部門(HPCG、Graph500)で6期連続世界1位を獲得している。
   

「だがそこでハイゼンベルグ不確定性原理が働き出す。電子の居場所を厳密に決定できなくなり、電子が配線から「漏れ出る」おそれが生じるのだ。そうなればチップはショートしてしまう。おまけに、目玉焼きができるほどの熱を発する。したがって、こうした漏洩と熱によっていずれムーアの法則は破綻し、それに代わる何かが必要となるだろう」

スパコン富岳の回路の配線の間隔は7nmだったが、TSMCは米国内で2nm世代以降も生産を計画している。

回路線幅を細くし回路を小さくすると高性能になるが、これ以上線幅を細くすると、ムーアの法則の壁(パラドックス)にぶつかる。

半導体工程におけるフッ化水素の役割

フッ化水素半導体の生産工程でシリコンウエハーへの回路形成や洗浄などに使われる。

回路の配線の間隔を小さくすればするほど、高純度のフッ化水素が必要とされる。

フッ化水素最高純度は現在「99.9999999999%」(トゥエルブ・ナイン)といわれている。
不純物の濃度が、1兆分の1で、現在、ステラケミファ、森田化学工業ダイキン工業といった日本企業しか製造できていないとされる。
   

今日(日本時間 4月22日)、ドジャース大谷選手のメジャー通算HR176号が出ました!