じじぃの「科学・地球_154_鉱物とは何か・鉱物は世界のどこで産出するのか」

Top countries by refined copper production (1977-2018)

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=-LcKOAzvDrY

私たちの生活を支える金属鉱物資源 (外務省)

外務省: わかる!国際情勢 金属鉱物資源をめぐる外交的取組~ベースメタルとレアメタルの安定確保に向けて

●安価な資源の時代の終焉
近年、新興国の急速な経済発展などにより、世界で消費される金属鉱物資源量は大幅に増大。特に、中国の金属消費量は、2001~07年の6年間で、銅が2.1倍、鉛が3.6倍、ニッケルは4.0倍と急増しました。供給面に関しても、レアメタルは、ベースメタルの副産物として鉱山から産出されることが多く、主産物の生産状況の影響を受けるため、安定的に供給を確保することが容易ではありません。また、量が豊富とされてきた銅も、スマートグリッドや電気自動車の普及に伴い、世界的に需要の急増が見込まれ、枯渇の可能性が指摘されています。
このような需要の増加及び供給不安に伴い、金属の国際価格についても上昇傾向が続いています。非鉄金属、特にレアメタルは、供給源が特定の国に偏っていることから、価格の高騰が起こりやすい傾向にあります。加えて、鉱物資源業界では、市場シェア拡大などを目的とする大型の企業買収・合併が進み、業界の寡占化が金属鉱物資源価格の高騰にますます拍車をかけています。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/pr/wakaru/topics/vol69/index.html

鉱物の秘密がわかる本

科学雑学研究倶楽部(編)
第1部 鉱物の基礎を学ぶ
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第2部 鉱物と宝石図鑑
・鉱物編
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『鉱物の秘密がわかる本』

科学雑学研究倶楽部 学研プラス 2016年発行

第1部 鉱物の基礎を学ぶ

面白くてためになる鉱物の知識 より

世界と日本の鉱物産出状況を見る 鉱物は世界のどこで産出するのか?

日本はかつて資源大国だった

4つのプレートがせめぎ合う日本は、世界でも有数な火山列島のひとつだ。火山活動の影響によって、日本では多種多様な鉱物が産出する。古くは金の採掘で世界的にも知られ、「黄金の国ジパング」などと称される。また、銅や硫黄などを輸出していたこともある。
高度経済成長期には、金・銀・銅・鉄鉱・鉛・亜鉛マンガン石灰岩など、さまざまな鉱山が日本各地に存在し、盛んに採掘が行われていた。しかし、高度経済成長が終わると、資源の枯渇や質の低下が起こった。さらに、海外から安い鉱物が輸入されるようになり、鉱物の採掘事業が縮小して、多くの鉱山は閉鎖してしまった。また、環境問題に対する関心が高くなったことも、要因のひとつに挙げられる。
現在の日本は、「ベースメタル」と呼ばれる銅・亜鉛・鉛だけでなく、多くの資源を海外からの輸入に頼っている。

生産量が多い中国・南米・アフリカ

世界的なベースメタルの生産量で見ると、銅はチリ、鉛・亜鉛は中国が多く生産している。その他の鉱物を見ても、生産量が多いのは中国や南米、アフリカなど、いわゆる発展途上の国々だ。これは国土が広いと言うだけでなく、労働者の賃金が安い、つまり採掘コストが安いことが理由に挙げられる。ただ、中国では労働者の賃金が上昇しており、これまでと同じような生産が続くかは不透明だ。また、中国がその9割を生産していたレアアースのように、政治的な理由で輸出制限がかけられることもある。
太平洋南西部の珊瑚礁にあるナウル共和国は、20世紀末まではリン鉱石の採掘によって栄えた国で、世界的にも豊かな生活を送っていた。だが、リン鉱石が枯渇してしまうと経済が崩壊し、世界各国の支援に依存するようになってしまった。ナウル共和国の例は極端かもしれないが、鉱物や地下資源は有限だ。限りある資源を有効に利用する世界規模での知恵が必要だろう。