じじぃの「科学・地球_73_世界の気象現象・雪と氷」

Ice crystals - Nature at it's most beautiful - YouTube

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=l7kjfoZLrj4

Ice Crystal Leaf Leaves

『世界の気象現象 奇跡と神秘の科学』

ロバート・J・フォード/著、戸田早紀/訳 河出書房新社 2020年発行

雪と氷 より

雪と氷は、私たちがその上でスケートやスキーをしたり、おもちゃにして遊んだりするためだけのものではない。もちろん、単なる「気象」というだけでもない。雪と氷は、地球の気候を維持する上で重要な役割を果たし、私たちは何千年にもわたって雪と氷に適応し、それらを最大限に利用してきた。
地表の雪と氷は、その真っ白な輝きによって太陽エネルギーのほとんどを大気中に跳ね返し、エネルギーのすべてが地中に吸収されるのを妨げることで、地球の気候と温度を調節する役に立っている。雪と氷はまた、真水を蓄える重要な手段でもある。冬の終わりに雪と氷が溶けることで、川や湖の水が補われ、作物の灌漑用水だけでなく、人間や動物のための飲料水も確保される。
しかし、近年、気候は変化してきており、世界的な気温の上昇により、雪や氷に覆われた土地の面積に重大な影響が現れ始めている。冬の期間が短くなり、夏場の海水の面積が減り、湖や川での氷の崩壊が前年よりも加速し、氷河や極地の氷冠が収縮しているのだ。地球上の雪と氷の変化は気象パターンに影響を与え、水資源、生態系、野性生物の生息地、ひいては地域経済と世界経済に直接影響を及ぼし、将来的には人が住む場所を追われる事態も引き起こしかねない。
この章では、霜から氷山、そして吹雪まで、無数の美しい形で雪と氷が生み出す自然の驚異をとり上げる。

かすかな霜

ドイツ ガイベルグ
気温が極端に低くなると、湿った空気に含まれる水蒸気は、氷のように冷たい何かの表面に触れた途端に氷の結晶となり、霜を作る。氷の結晶が空気を含んでいるため、霜は白く見える。この写真で示されている、ふわふわした針のような霜は白霜(しらじも)と呼ばれ、穏やかな夜に作られる。