about 20,000 years before present, in northern Europe
ミランコビッチ・サイクル
Glaciers extended over much of Europe during the last ice age
APRIL 10, 2019 U.S. Geological Survey
During the last age, ending about 20,000 years ago, glaciers extended over much of northrn Europe and also over much of Canada and some of the northern United States.
This map shows Europe during its last glaciation, about 20,000 to 70,000 years before present, in northern Europe called Weichselian Glaciation, in the Alpine Region Wurm Glaciation.
https://www.usgs.gov/media/images/glaciers-extended-over-much-europe-during-last-ice-age
ミランコビッチ・サイクル
ウィキペディア(Wikipedia) より
ミランコビッチ・サイクル(Milankovitch cycle)とは、地球の公転軌道の離心率の周期的変化、自転軸の傾きの周期的変化、自転軸の歳差運動という3つの要因により、日射量が変動する周期である。
1920 - 1930年代に、セルビアの地球物理学者ミルティン・ミランコビッチは、地球の離心率の周期的変化、地軸の傾きの周期的変化、自転軸の歳差運動の三つの要素が地球の気候に影響を与えると仮説をたて、実際に地球に入射する日射量の緯度分布と季節変化について当時得られる最高精度の公転軌道変化の理論を用いて非常に正確な日射量長周期変化を計算し、間もなくして放射性同位体を用いた海水温の調査で、その仮説を裏付けた。
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気候の働き より
気候――大気の低層部で、持続して支配的な気象条件の統計として定義される――とは、数百万年以来、太陽の日射や地表が発する熱放射、大気中の化学物質と大気の循環、海流、風。植物の光合成などが、地球の自転や大陸の移動、火山の爆発、隕石の落下などで乱される、力学的均衡の働きにある。
水と炭素の循環は、すべてがオーケストラのように、非常に異なる時間的スパンで、4つの自然のあいだでの組織的な交換によって行われいる。4つとは、生物圏(植物、動物など生物全体)、岩石圏(陸地および海域の表土層と底土)[リソスフェア。地球表層部の地殻と岩盤をあわせた総称]、水圏(海、太陽、湖、川)、大気圏である。大気圏の大量の空気と、大洋の大量の水の循環は、エネルギーを過剰な地域から不足する地域へ、とくに熱帯地方から極地方へと運搬する役をになっている。
氷期と温暖化、過去の気候
200万年前から、氷期[俗にいう氷河期]と間氷期が交互におとずれているのは、地球にとどく太陽光の分布に働く「軌道強制力」[本項のミランコビッチ・サイクルで後述]のせいである。ほかのいくつかの自然要因も、地球の気候を長期的に変え、また、正負のフィードバックも変化を強め、あるいは弱めることがある。それぞれの要因は、10年単位から数万年単位まで、異なる時間的スパンで変化する。
古気候学
放射能測定で年代が確定できる[原子核崩壊などを測定して、岩石や化石の年代を推定]ようになったおかげで、地球の年齢――岩石が溶解していた原始大陸地塊の成長が終わり、表面に冷却した地殻が出現した年代で定義するという意味において――は、45億5000万年と断定できるようになっている。ちなみに太陽の年齢は45億7000万年である。地球上の生命が、初期の細胞の形で出現したのは、38億年から35億年前である。この最初の生物体には、水に溶けた大気中の二酸化炭素を回収し、酸素を徐々に大気中に増やしていく(光合成)能力があり、こうして水と気候の大循環が作動しはじめた。
では、最初のヒト科が誕生した約400万年前は、どんな気候だったのだろうか? わたしたちには詳しいことはわからない。そのかわり、氷河などから取り出された氷床コアの記録のおかげで、ここ数百万年の気候はかなりよくわかっている。特徴的だったのは、氷期(約8万年)と温暖化[間氷期](約2万年)が10万年ぐらいの周期で、交替していたことだ。人類が出現して以来、地表の平均気温が約15℃に対して数℃変化しているだけである。
ここで手短に気候の歴史を展望したのは、異なる時間の尺度を紹介するためで、氷期を基準にした気候の自然な変化を理解するには、これをおさえておくことが必要だからである。地質学的な時代の民度は数億年、氷期は数万年、対して、人間の時間の尺度は数年単位である。
ミランコビッチ・サイクル
温暖期と氷期が定期的に交替するのは、天文学で説明できる。1924年、セルビアの ミルティン・ミランコビッチ(1879-1958)は、それぞれ独立した3つのパラメータが、太陽のまわりをまわる地球の軌道を特徴づけ、季節によって地球が受け取る太陽エネルギーの量を変化させることを証明している。これらのパラメータはそれぞれ、独立した期間で短時間で変化し、それらが結合することで、北半球の氷冠[山頂部などをおおう氷河]の形成、あるいは消滅がいくらか促進される。氷冠は気候で決定的な役割をはたすものだ。
炭素の役割
5億4100年前(541基底年代=Mya[数値の単位、100万年前])の古生代初期、空気中の二酸化炭素は現在の5倍から10倍だった。以降、この率は何度も変化してきた。
たとえば、古生代前期のオルドビス期(485基底年代)は、二酸化炭素濃度は現在の20倍。それによって植物が爆発的に多様化し、大気中の二酸化炭素を大量に消費した。それが引き金となって2000万年後、気温は5℃低下し、氷期をもたらしている。また、古生代後半の石炭紀の後期(300基底年代)は、二酸化炭素濃度は現在の50パーセントだった。それによって温室効果が低下、氷河が形成されることになる。これら二酸化炭素濃度の差は、軌道の動きによる日照時間の変化だけではとうてい理解できない、大気の気温の変化を説明している。つまり二酸化炭素は、気候の要因の増幅役をになっているのである。気候が寒いと、二酸化炭素は水に溶けやすく、大気中の濃度が低くなることから、気温が下がることになる。対して、暑いと水に溶けにくいので、海は二酸化炭素を大気中に放出する。それが温室効果を高めて、気温も上昇、海はさらに温かくなるというわけだ。