The Ediacaran Period: Glimpses of the Earth's Earliest Animals
エディアカラ動物群
エディアカラ動物群
オーストラリアの地質学者のレッグ・スプリッグ(RegSprigg)が、1946年に南オーストラリアのフリンダース山地の西端、エディアカラ・ヒル近くの廃坑でこの種の化石を見つけた。
スプリッグの発見に敬意を表してエディアカラ生物と総称されている。(ガブリエル・ウォーカー著「スノーボールアース」早川書房p240)
http://fnorio.com/0080evolution_theory1/Ediacara_fauna1/Ediacara_fauna1.htm
『もうすぐいなくなります――絶滅の生物学』
池田清彦/著 新潮社 2019年発行
スノーボールアースがきっかけで、多種多様な姿の動物が出現した より
「スノーボールアース(Snowball Earth)」は、直訳すれば「雪球地球」ですが、「全球凍結」あるいは「全地球凍結」とも呼ばれ、地球全体が、赤道付近も含めて完全に氷床や海氷に覆われた状態になることです。
スノーボールアース現象はこれまで少なくとも2度あったと考えられています。1回目のスノーボールアース現象はいまから約24億5000万年前~22億年前にかけて起こっています。そして、2回目のスノーボールアースは、約7億3000万年前~6億3500万年前のスノーボールアース現象の後に、エディアカラ動物群が出現しています。
オーストラリアのエディアカラ丘陵で化石群が大量に発見されたのでそう呼ばれるエディアカラ動物群は、前述のように、いまからみればへんちくりんな姿形の動物群です。いまの生物にない形の特徴をもっていて、地球惑星科学が専門の川上紳一と古生物学者の東條文治によれば、その特異性は「対称性」に注目すると明確になるといいます。
たとえば、三つ巴紋のような形状のトリブラキディウムという海綿類やクラゲ類に似た動物の形態を見ると、巴状の紋様が外側に向かって反時計回りに流れていて、中心の周りに120度回転対称性があるのですが、鏡映対称性はありません。鏡映対称性とは、鏡に映った像がそれ自身と重なることですが、トリブラキディウムを鏡に映すと、巴状の紋様は外側に向かって時計回りに流れることになりますから、もとの像とは重ならないというわけです。
いま存在している多細胞動物のグループは、不定形の海綿動物などを除けば、すべて鏡映対称性をもっているのですが、エディアカラ動物群の化石をみると、鏡映対称性を持たない動物もいたのです。もちろん鏡映対称の動物もいたわけで、対称性に関する多様性は現在より高かったのです。
スノーボールアースは、いまの生物にはないそのような特異な特徴をもっていたエディアカラ動物群の出現のきっかけになったのではないかと考えられています。
約24億5000万年前~22億年前のスノーボールアースについては、その前、約28億年前に光合成細菌のシアノバクテリアが発生して酸素をたくさん供給していたので、それによって――酸素濃度が高くなると大気の温度は下がるので――地球が冷えていったのが原因ではないか、という説があります。
ともあれ、いちどスノーボールアースになった地球の氷は何によって溶けるのでしょうか。仮説として、凍結中も火山活動によって二酸化炭素の供給は続けられていて、大気中の二酸化炭素炭素濃度が高まっていったことによる気温上昇で氷床が解凍されていったのではないかと考えられています。いまは、炭酸ガスのほとんどを海が吸収していますが、そのころは、二酸化炭素が噴き出すと、それを吸収する海がありませんから、二酸化炭素濃度はどんどん高くなったはずです。約7億3000万年前~6億3500万年前のスノーボールアースが解凍したときには、二酸化炭素濃度がいまの400倍ぐらいになったという説があります。それによって地球が熱くなったというわけです。
そんな気候の変化、環境の激変が、生物の体に何らかのインパクトを及ぼして、それでエディアカラ動物群が生まれたのではないかと考えられています。
エディアカラ動物群というのは、姿形はへんちくりんに見えますが、地球上で生まれた最初のまともな多細胞生物です。それまでも多細胞生物がいなかったわけではないでしょうけれども、それらにおいては細胞の「分業」があまりなされていなかったのです。
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どうでもいい、じじぃの日記。
「地球温暖化」とかいわれていますが、結構寒い日が続いています。
「スノーボールアース現象はいまから約24億5000万年前~22億年前にかけて起こっています。そして、2回目のスノーボールアースは、約7億3000万年前~6億3500万年前のスノーボールアース現象の後に、エディアカラ動物群が出現しています」
ずいぶん昔のことですが、地球全体が氷に閉ざされていた時期があったのだそうです。
その頃、誕生した「エディアカラ動物群」とか「シアノバクテリア」とかが、その後の地球の生態に大きな影響を与えた。
のだとか。