じじぃの「生命の痕跡と石の記憶・40億年前に原始生命が誕生した?地球大進化」

Early plate tectonics & the oldest rocks on earth

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=61f5DWmyX1s

Earth's oldest sedimentary rocks, found in Greenland

地球最古の海洋堆積物から生命の痕跡を発見! 約40億年前の微生物から炭酸固定の証拠

2017.09/28 東京大学

4.発表内容

[背景]
生命がいつ、どこで誕生したのかを解明することは自然科学のみならず、人が持つもっとも本質的な問題であるが、その解明は未だ道半ばである。特に、冥王代(注 5)のみならず、原太古代(注 6)の岩石や地質体は極めて稀であるため、直接過去の生命の痕跡を探索するのは極めて難しいとされてきた。
現在知られている最古の生命の痕跡は、西グリーンランド南部・イスア地域の堆積岩中から発見された低いδ13C値を持つグラファイトで、37~38億年前のものとされる。
それより古い37.5億年前のカナダ・ヌブアギツック地域や38.3億年のグリーンランド・アキリア島などからもグラファイトが報告されているが、生物起源であることが疑われており、地球初期の岩石から生命の痕跡を探ることの難しさを物語っている(図 1)。
近年、小宮らによって、カナダ・ラブラドル地域に産出するヌリアック表成岩帯の詳細な地質調査およびジルコンのウラン鉛年代測定(注 7)が行われ、この地域に少なくとも39.5億年前の堆積層が存在することが報告された。本研究ではこの堆積層を対象に、岩石に残存するグラファイト同位体地球化学的分析を行うことで、地球最古の生命活動の痕跡を探索した。
https://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/news/topics/files/20170928pressrelease.pdf

地球大進化 46億年・人類への旅 1 生命の星 大衝突からの始まり NHKスペシャル

NHK地球大進化」プロジェクト/編者 日本放送出版協会 2004年発行
1章 生命の痕跡と石の記憶 より

38億年前の生命

コペンハーゲンにあるデンマーク地質博物館のミニック・ロージング博士が世界最古の生命痕跡を見つけたというその岩は、露岩の斜面のしたに、ポツンと鎮座していた。大きさは畳半分ほど、厚さは数十センチ。素人の私が見ても、堆積岩らしいことがわかる。右上から左下方向へ縞(しま)模様が走っている。海底で長い年月かけて土砂が堆積してできた縞模様だ。この岩は38億年前のものだという。それはつまり、海底で土砂が降り積もってこの岩が押し固められたのが38億年前だった、ということになる。
縞模様の中荷、厚さ30センチほどの黒い帯が見える。これこそが生命の痕跡だという。とはいっても化石が含まれているわけではない。
顕微鏡で黒い帯の部分を拡大すると、その秘密がわかる。黒い帯は、黒色のごく薄い層が幾重にも重なってできていた。さらに拡大すると黒さの正体がわかった。グラファイトと呼ばれる、無数の炭素の粒だったのだ。鉛筆の芯の材料と同じ物質だ。
炭素といえば、生物の体を構成する主要な元素だ。たとえば私たちの体を元素単位にまで分析すると、1位が水素で約60%、2位が酸素で約20%、3位が炭素で約10%、4位が窒素で約2%となる。だからロージングさんが発見したグラファイトの粒は、生物の体を構成していた有機物が、38億年という長い歳月の間に変成したものである可能性がある。
しかし、一方で生物に関係のない炭素も数多くある。たとえば二酸化炭素は火山から常に大量に供給されているし、炭酸イオンも海水の中には大量に含まれている。

ロージングさんの発見した炭素が生命由来か否か、知る手立てはあるのだろううか――じつはあるのだ。

炭素原子には種類がある。陽子6個と中性子6個を持つ<重さ(質量)12>の炭素12と、陽子6個と中性子7個を持つ<重さ(質量)13>の炭素13なのだ。両者は炭素13の方が中性子1個分重い、という以外、性質にはまったく違いがない。
ところが、生物がまわりから炭素を取り込んで利用するとき、なぜか軽い炭素12の方をより好みして使うのだ。これは詳しくいうと、炭素から有機物を合成する合成経路に、軽い炭素の方が乗りやすいからなのだが、好き嫌いがあると考えていただければ十分だ。この性質を利用すれは、何億年前の炭素だって、それが生物由来か否か、区別できる。つまり、無機物の平均に比べ、炭素13の値が低ければ、それは生物由来ということになる。

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どうでもいい、じじぃの日記。
2012年8月、日本テレビ全国高等学校クイズ選手権 第32回全国高等学校クイズ選手権 最強頭脳No.1決定戦」という番組があった。
2008年にノーベル物理学賞を受賞した益川敏英さんからの挑戦状!

問題 マンモスが生きていた時代を調査結果をもとに推定しなさい。

自然界には、重さの違う3種の炭素同位体(12C,13C,14C)が存在します。このうち14Cは放射性同位体と呼ばれ、地球上に絶え間なく降り注ぐ宇宙線が大気中で原子核反応をして作られる一方、半減期5730年で放射壊変により減少していきます(5730年で半分に減少します)。こうして生成量と減少量がつりあい、環境中の14C濃度は一定となります。

正解 マンモスが生きていた年代は1.82×104 = 18200年前。

ロージングさんの発見した炭素が生命由来か否か、知る手立てはあるのだろううか――じつはあるのだ。

約40億年前、地球にはまだ大陸がなく、地球表面は海水で覆われていた。
海底には原始生命が誕生していた。
その後 地球表面はマグマの影響により、プレートの移動と共に海底の土は堆積岩となって地表に現れた。
さて、ロージングさんの発見した堆積岩の中の炭素(グラファイト)。炭素12と炭素13の比率を調べたところ、はたして、炭素12の割合が通常の炭素の塊と比べてより高いことがわかった。
ロージングさんはこの炭素は生物の体を構成していた炭素に違いない、と確信した。
というわけで、地球での生命誕生はその当時の堆積岩(海底の土)の年代から約40億年前ということになったのです。