じじぃの「ワンダ・ウルツ・猫と私!死ぬまでに観ておきたい世界の写真」

Ich und Katze

Exposure: Cat and I by Wanda Wulz

03.10.15 Design Observer
That shift of context might deflect the way it’s perceived, rendering Wulz’s self-portrait merely fluffy or cute, a lolcattish wish-fulfillment fantasy in which the cat fancier’s emotional identification with the beloved pet and its admired attributes achieves perfect consummation.
In 1928, when her father died, Wulz (1903-84) and her sister Marion took over the family’s photographic studio in Trieste in Italy.
https://designobserver.com/feature/exposure-cat-and-i-by-wanda-wulz/38801

『死ぬまでに観ておきたい 世界の写真 1001』

ポール・ロウ/著、小川浩一、竹村奈央、風早仁美/訳 実業之日本社 2019年発行

猫と私 より

ワンダ・ウルツ
撮影年:1932年
撮影地:トリエステ、イタリア
フォーマット:ゼラチンシルバープリント
ワンダ・ウルツ(1903~84)は、肖像写真家の娘であり、孫娘だった。
ウルツ家は何十年にもわたって、イタリアのトリエステで専門の肖像写真スタジオを経営し、成功を収めていた。彼女もそこで生まれた。1928年に父親が亡くなると、彼女と妹マリオンがスタジオを引き継いだ。2人は実験的写真にも挑戦し始めた。たがいにポーズを取り合い、共同作業で楽しく表情豊かなポートレートを作り上げた。
ウルツはその後、未来派を知る。活力やエネルギー。新しいものや刺激的なものをすべて取り入れたこの芸術運動は、1909年に理知的なフィリッポ・トンマーゾ・マリネッティが重要なマニフェスト未来派宣言)を発表して以来、続けられていたが、1914年までには自然に消滅した。1920年代二なると、機械的なものに焦点を絞った未来派第2の波が訪れた。ウルツが関わるようになったのは、この2回目のブームのときである。
彼女の写真で最も有名なのがこの猫の合成写真で、これは、彼女が家で飼っていた猫と自分の顔を写ったネガを合成して作られている。この写真をはじめとするウルツの実験写真がマリネッティの注意を引き、彼女は、1932年にローマで開催された全国未来派写真展に作品を出品するよう依頼された。