じじぃの「科学・芸術_241_ハゲワシと少女」

Kevin Carter slideshow - The Sudanese Child and Vulture 動画 Youtube
https://www.youtube.com/watch?v=pQtapbvB3eM
ハゲワシと少女

有名な写真『ハゲワシと少女』をめぐって色々と考えさせられた件 togetter
●『ハゲワシと少女』。インパクトの大きさと有名さゆえに批判されることも多いこの写真。
メディアの必要性や効果が軽視されてるなら、そこにあるのは無関心であって、批判・非難ではないよね。「本物」とやらが、批判によって生まれないなら、それこそ「本当のジャーナリズム」ってなによ?と思うし
https://togetter.com/li/645263
『世界の特別な1日未来に残したい100の報道写真』 マルゲリータ・ジャコーザ、その他/著、村田綾子/訳 日経ナショナル ジオグラフィック 2017年発行
1993年3月 スーダン、アヨド 「ハゲワシと少女」 (一部抜粋しています)
時が止まった、衝撃的な写真。そこには目を背けたくなるほどの痛ましさがある。
無駄はいっさいなく、トリックもない写真だ。対角線上に置かれた2つの被写体は、むきだしの乾いた地面とのコントラストでさらに際立つ。少女はひどく瘠せ衰え、もう力は残っていない。うずくまった彼女は餓死しようとしている。表情はわからないが、倭や士たちは彼女の疲れと苦しみを感じることができる。彼女の背後では、1羽のハゲワシがじっと待ちかまえている。死が迫っている。写真の撮影アングルと対角線を活かした構図から、この鳥は今にも動き出そうとしているかに見える。
南アフリカの報道写真家ケビン・カーターは、長年にわたり母国のアパルトヘイトと血みどろの暴力を記録していた。1993年、彼はスーダンの国民を死に追いやる深刻な飢饉を取材する。この国は内戦と貧困、病気の蔓延ですでに瀕死の状態だった。植えた人びとに食糧を配給している国連のキャンプからそう遠くないアヨド村の近くで、カーターはこの光景に遭遇した。彼の写真「ハゲワシと少女」は1993年3月26日に『ニューヨーク・タイムズ』紙に掲載され、翌94年にカーターはピュリッツァー賞を受賞するが、激しい非難にさらされた。目の前に助けを必要としている少女がいるのに、何もせずにただ写真を撮っていた、と。
実際のところ、写真を撮ったあと少女を救ったのかどうか、彼がはっきり語ることはなかった。状況を明らかにし、自分の行動を説明する時間がなかったか、明快な説明をできなかったのか、いずれにしても数ヵ月後、彼はみずからの命を絶った。33歳だった。彼は自分のカメラがとらえた痛みに鈍感でいられなかったのだ。