じじぃの「米国・建国から続く陰謀論・Qアノンの正体・トランプ支持者か陰謀論か?報道1930」

米大統領選挙の“陰謀論”の源流は建国にあった】報道1930 まとめ20/11/23放送

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=1XZzyYkoInM&feature=emb_title

Trump supporting proponents of the "QAnon"

Dozens of Trump supporters championed the ‘QAnon’ conspiracy at his Tampa rally. Here’s what you need to know.

Aug. 2, 2018
Dozens of Donald Trump supporters championed the bizarre "QAnon" conspiracy theory at Tuesday's Tampa rally, a fact that instantly drew national media attention.
https://www.tampabay.com/florida-politics/buzz/2018/08/01/dozens-of-trump-supporters-championed-the-qanon-conspiracy-at-his-tampa-rally-heres-what-you-need-to-know/

報道1930

2020年11月23日 BS-TBS
【キャスター】高畑百合子、松原耕二 【コメンテーター】堤伸輔 【ゲスト】中山俊宏(慶應義塾大学教授)、森本あんり(国際基督教大学教授)
誰かが裏で米国を操っている…。「陰謀論」が広がる米国社会。
ロシア疑惑や貿易戦争などで迷走するトランプ政権を支持する人たちの間で、新たな勢力が影響力を強めている。ネット上の匿名の投稿者、「Q」の主張を信奉するQAnon(キューアーノン)と呼ばれる人たちだ。
トランプ氏を熱烈に支持するQの言説は、「世の中を動かしているのは、実は○○だ」といった類いの陰謀論である。そうした考えが浸透する背景には何があるのか。
●米国に巣くう“陰謀論
米国は今1日に20万人に迫る勢いで感染が広がっている。
米国・アイオワ州のレストランで撮影された写真では、みな間隔をあけることなく座っている。
共和党の支持者たちでマスクもつけていない。
米国では陰謀論が取り沙汰され、その中には「コロナの脅威は米国を支配している影の政府が仕組んだ」というものもある。

米国では、新型コロナウイルスは中国政府が生物兵器としてつくり出したものだと信じている人が40%もいる。

イリノイ州・エザイク公衆衛生局長は「コロナは現実だ」と異例の会見を行った。
●建国から続く“陰謀論
米国はなぜ建国から数百年もの間「陰謀論」が続くのか。
ワシントンやフランクリンらのフリーメイソンによって米国が建国された。
中山俊宏、「英国から渡ってきた清教徒たちによって米国は建国された」
堤伸輔、「芥川龍之介の『蜘蛛の糸』。最初に渡ってきた清教徒が糸を昇っていると下から次々と移民たちが糸を昇ってくる。本当のところは下の糸を切りたい。移民が自分達よりも豊かになることを嫌う。自分達と違う人種や宗教の人達が自分達よりも社会で恵まれたところにいることを非常に嫌う。警戒する気持ちが米国の移民が始まった歴史の中にあり、それが米国人の中で定着してしまった」
さらに、トランプ大統領によりそれが拡大されたと指摘。
●白人が持つ“深層”の恐怖
なぜ米国の保守層に陰謀論が根付きやすいのか。
「ディープストーリー」という物語で米国の社会学者・ホックシールドが白人保守層を5年間取材した物語を解説。
「ディープストーリー」とは、「心の奥深くで感じる物語」のこと。
それによると、人々は山頂には米国ンドリームがあると信じ長い行列に辛抱強く並んでいるが、列に割り込んで先に行くものがいる。それは移民であり、マイノリティであるという。すなわち、不正があるというのがディープストーリーである。
もはや米国は“ユナイテッド・ステイツ"ではない。なぜ分断はこれほど深いのか。カリフォルニア大学バークレー校の著名学者が共感を遮る「壁」を越え、右派の心へ向かう旅に出た。全米最貧州の一つ南部ルイジアナでの5年間、ティーパーティー運動を支える人々から聞き取ったディープストーリーを丹念に描く。
陰謀論とQアノン
Qアノンと呼ばれる陰謀論
Qアノンに傾倒しているとされる議員が4人も誕生している。
「Qアノン」とは米国がディープステートに支配されて彼らと戦う救世主がトランプとする陰謀論支持者のことをいう。
中山俊宏、「本当のところQアノンというのは分からない。彼らはゲームを楽しんでやっているように見える」
https://www.bs-tbs.co.jp/houdou1930/

『賢い人ほど騙される 心と脳に仕掛けられた「落とし穴」のすべて』

ロブ・ブラザートン/著、中村千波/訳 ダイヤモンド社 2020年発行

架空の敵と戦う勇者という「自画像」――だから、陰謀論は論破できない より

ところで、陰謀論には死者の数が示されているものもある。陰謀論は暴力的な過激主義に関しては、私たちのもっとも暗い偏見を利用しているし、ワクチンに対する懸念に関しては、愛する人を守りたいという気持ちを利用することもある。
だが、陰謀論を避けて安全な場所へ逃げ込む前に、たいていの陰謀論はあまり煽動的でないことを指摘しておく。確かにみんなが、ユダヤ人が世界滅亡の陰謀に関わっている、あるいは、人の命を救うワクチンが毒であると信じたら厄介だ。しかし、エルヴィス・プレスリーが生きていて、ミシガン州のカラマズ1[1984年まで、楽器メーカーのギブソン・ギター・コーポレーションの本拠地だった]で元気に暮らしていると信じるとしたら、あまり気をもまなくてすむだろう。
とは言うものの、害のないように見える考えでさえ、不運な結果を招くこともあるだろう。1995年、リサ・バトラーをリーダーとするスタンフォード大学の3人の心理学者が、陰謀を描いた、オリバー・ストーン監督の1991年の映画『JFK』を観にきた人に、上映直前か直後にインタビューした。映画館に入ろうとしている人に比べて、映画館から出てきた人は、来る選挙で投票したち、選挙運動を手伝ったり、寄付をしたりしないだろうと言う割合が高かった。たんに映画を見るだけでも、少なくとも一時的には、市民として選挙に関わろうという気持ちが損なわれたのだ。
つい最近では、ジョー・ウシンスキーとジョセフ・ペアレントが、2012年の大統領選挙の直後に米国人に対して調査をした。陰謀論を信じる人ほど、選挙で投票しなかったことがわかった。また、そのような人が、政治的な表明をしたり、集会に参加したり、候補者の手伝いをしたり、寄付したり、選挙に出馬したりする傾向はなかった(だが、陰謀論を信じる人には、選挙結果が不正操作されると思う傾向があった)。
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だがここで問題となるべきは、政府内の陰謀ではなく、政府が無能であることだ。集団特有の、関係機関内のコミュニケーション不足――もっとも必要としている人に情報を伝えなかったこと――によって、すべての人が、自分たちのすぐ目の前にある明白かつ現在進行中の危機に気づかなかった。間違いが起こると、それに関心を向けることで、将来同じ間違いが起こるのを避けられるかもしれない。それでも、米国の諜報機関とテロ対策機関のネットワークは、これまでよりも複雑で冗長になり、かつてないほど官僚主義に陥っている。政府は潜在的な脅威に対する膨大な情報(何百万人もの害のない市民に関する情報は言うまでもない)を集めているものの、テロリストを見過ごしている。このような本当の問題は、陰謀論ほどには大衆やメディアから注目されない傾向がある。
もちろん、無能だという理由ではすべてを説明できない。本当の陰謀もある。だが、陰謀主義の皮肉の1つは、本当の悪事はいつも、取返しのつかないほど腐敗していると思われる支配体制そのものの中で働いている内部告発者、ジャーナリスト、研究者、役人によって暴露されうということだ。
陰謀論者は、ある一点は正しい」とジャーナリストのチップ・バーレットが書いている。「世界――そして世界自体への脅威――には是正しなければならない権力や特権の不平等があうのだ」。それでも、陰謀主義はほぼいつも、調査研究や社会改革という大変な仕事から注意をそらす、と彼は主張する。「陰謀論は多くの魅力的な疑問にスポットライトを浴びせる――だが、意味のある答えには、ほとんど光を当てない」

陰謀論支持者の世界観では、世界は白と黒で塗り分けられている――巨大な陰謀と戦っている勇敢な陰謀論者が描く、漫画のような肖像画だ。だが、現実はグレーの影だ。陰謀論は、架空の陰謀家という生贄をつくることで、現実的で修正可能な問題から人々の注意をそらす。存在しない陰謀と戦っている。だから、あなたは陰謀論に勝てないのだ。