じじぃの「歴史・思想_359_ユダヤ人の歴史・米国のユダヤ人社会」

The Success Story of Jews Community

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=puhs0afBCGs

The True Success Story of Jews in the 20th Century

Why do people think Jews are so successful?

A look at the history and culture of Judaism is enough to demystify the stereotype that being Jewish = being rich
https://www.ecnmy.org/engage/people-think-jews-successful/

民主党副大統領候補カマラ・ハリス氏とユダヤ人の関係 2020.8.26

オリーブ山通信
8月11日に正式に民主党大統領候補ジョー・バイデン氏から副大統領候補に指名された、カマラ・ハリス氏(55)カイフォルニアの次席上院議員アメリカ史上、初の黒人女性副大統領候補である。
ハリス氏は、ジャマイカ系の父と、インド系の母を持つ黒人で、黒人票を期待できるだけでなく、左派ではあるが、ユダヤ人の夫にもち、親イスラエル派とされ、トランプ大統領の支持層であるユダヤ人票、キリスト教福音派層の票が流れる可能性もあると指摘されている。ハリス氏とは、どんな人物なのか。
https://mtolive.net/%E6%B0%91%E4%B8%BB%E5%85%9A%E5%89%AF%E5%A4%A7%E7%B5%B1%E9%A0%98%E5%80%99%E8%A3%9C%E3%82%AB%E3%83%9E%E3%83%A9%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%82%B9%E6%B0%8F%E3%81%A8%E3%83%A6%E3%83%80%E3%83%A4%E4%BA%BA/

ユダヤ人の歴史〈下巻〉』

ポール ジョンソン/著、石田友雄/監修、阿川尚之/訳 徳間書店 1999年発行

米国のユダヤ人社会 より

19世紀末から20世紀にかけて、米国のユダヤ人社会はいっそうの拡大と統合を実現した。これは、ユダヤ人の歴史の中で、イスラエル国家創設に劣らぬ――ある意味ではそれ以上の重要性を有している。迫害に苦しむ離散ユダヤ人たちは、シオニズム運動成功のによっていつでも逃れてゆくことのできる安全な土地を確保し、自己の運命を決定し防御する主権をかちとった。これに対し米国におけるユダヤ人社会の成長は、彼らにまったく異なる性格の力を与えた。この地上最強の国家の政策決定過程に関与し、重要で正当かつ恒久的な役割を果たすようになったからである。それは、かつて宮廷ユダヤ人がもっていた脆弱な影響力のようなものではなく、その民主主義的信条とユダヤ人人口動態に見られる特殊性の結果である。
1970年代末、米国のユダヤ人人口は578万960であった。これは同国総人口のわずか2.7パーセントにしか過ぎない。ただし極端なほど都市部、ことに大都市に集中していた。そして大都市は、小さな町や村あるいは田舎に比べ、文化、社会、経済すべての面で指導力を発揮し、さらに政治的影響力も強いのである。
20世紀の終わりになっても、ユダヤ人は依然として大都市居住者である。
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それぞれ侮(あなど)りがたい力を有する民族別政治組織のなかでも、ユダヤ人票は最もよく組織され巣同社の指示に最もよく応え、その結果最も効率よく影響力を行使する場合が多い。
しかし、ユダヤ人票がどれだけよく統率されていても、彼らの直接的な政治への影響は誇張されてきたきらいがある。1932年以降ユダヤ人はその圧倒的多数が民主党に投票し、ときには85から90パーセントという高支持率を見せてきた。民主党の大統領やその政策に対して、ユダヤ人が支持率相応の決定的影響力を行使しえたかどうかについては、はっきりとした証拠がない。実際のところ1960年代から1970年代にかけてユダヤ人投票者が引き続き見せた民主党への忠誠は、ユダヤ人社会の利害よりむしろ情緒的、歴史的理由に基づいていたようであり、その傾向はしだいに強まりつつあった。選挙の分析者がいささか驚いたほど、1980年代に入っても大抵のユダヤ人は依然として民主党に投票した。ただしその比率は60パーセント前後にまで落ち込んでいる。1984年の選挙で、ユダヤ人は無神論者を別にすれば、民主党候補支持が多数を占めた唯一の宗教グループであり、黒人を別にすれば唯一の少数民族グループであった。ユダヤ人は自分たちに関わる経済や外交政策を考慮してではなく、貧困層と社会の負け犬に対して依然抱く同情心に基づいて投票した。20世紀最後の四半世紀までに、米国政界における「ユダヤ・ロビー」という概念は、ある程度単なる神話に過ぎなくなっていた。
こうしてユダヤ系市民の米国への関わり方全般に、以前とは著しく様相を異にするはるかに重要な変化が現れた。すなわちユダヤ人少数派が、米国社会の中核的存在に変貌したのである。20世紀を通じて米国のユダヤ人は、この国が彼らに提供した機会を最大限に利用し続けた。大学に通い、医者、弁護士、教師となり、男女を問わずあらゆる種類の専門的職業に就いた。政治家や官吏となり、また従前と同様、金融やビジネスの世界で成功した。
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そのようなわけで、米国文化におけるユダヤ的要素を特定し区別することは難しくなった。彼らはこの国の文化にとって不可欠な要素となり、全体と調和している。米国の政策でユダヤ人の利益を配慮したと思われるものを見分けるのは、さらに困難である。全体として米国の利益と重なり合う部分が、ますます大きいからである。この傾向は、特に対イスラエル政策に顕著である。イスラエル生存権を保障するように米国の指導者を説得する必要は、もはやない。それは当然のこととされている。イスラエルは、法の支配と文明化された行動基準がおろそかにされがちな地域にあって、それらの価値を高く掲げ、自由民主主義の拠点として孤高を保っている。そのようなイスラエルが米国の支持を得たのは自然であり、不可避でもあった。唯一残されたのは、最も賢明な支持提供の方法は何かという議論であった。1980年代における世界の現実に照らして、たとえ仮に米国のユダヤ人社会が存在しなかったとしても、イスラエルは中東における米国の最も信頼に足る友邦として留まり、米国はイスラエルの最も信用できる友人としてふるまい続けるに違いない。
それでもなお米国のユダヤ人社会は、厳として存在する。そして単に規模の大きさだけでなく、その性格ゆえに離散ユダヤ人を体の中で独特の地位を確立している。完全に米国に同化しながらユダヤ人としての自覚を保持する。彼らは自分たちが完全な米国人だと考え、同時にユダヤ人であると思っている。かつてこのような現象がユダヤ人の歴史に存在したことは、一度としてなかった。米国の生い立ちとその人口構成にかかわる特異な状況がなければ、決して可能とならなかっただろう。
永遠に「よそ者であり、寄留者」であるユダヤ人が最終的に見つけた安住の地こそ、すべての人々がよそ者としてやってきた国、米国であった。