じじぃの「バイデン演説・就任100日の評価・分断は深まったのか!プライムニュース」

習近平主席を「独裁者」と表現 就任100日バイデン大統領が対抗姿勢鮮明に

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バイデン“演説”分析 米国の現状と重要課題 就任100日の評価は 【後編】

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バイデン“演説”分析 米国の現状と重要課題 就任100日の評価は 【後編】

プライムニュース 「バイデン“演説”分析 米国の現状と重要課題 就任100日の評価は」

2021年4月29日 BSフジ
【キャスター】長野美郷、反町理 【ゲスト】古森義久産経新聞ワシントン駐在客員特派員 麗澤大学特別教授)、中山俊宏(慶応義塾大学総合政策学部教授)、ピーター・ランダース(ウォール・ストリート・ジャーナル東京支局長)
日本時間4月29日の朝、バイデン大統領が上下両院合同会議で演説を行う予定だ。
本来であれば、就任後に間を置かず行われる『一般教書演説』が、コロナ禍の影響などで未だに行われておらず、バイデン大統領の目指す“方向性”が不透明なままだったが、就任以来およそ100日になろうとするタイミングの演説で、政策の方向性が一定程度示されると見られる。
演説では、経済の復活やワクチン接種などのコロナ対策の推進、気候変動問題に一石を投じた国際会議の開催など、成功事例を強調すると見られるが、バイデン大統領の移民容認政策に端を発したメキシコ国境への入国希望者殺到や、民主党支持の判事を増やすことに繋がる最高裁判事の増員法案提出など、国内の分断がより深くなりかねない動きも見られる。
熾烈さを増す米中対立など、内外共に厳しい情勢に取り囲まれる中、バイデン大統領は演説で何を語るのか?

バイデン大統領演説 「対中競争」の行方と本音は

●バイデン大統領が施政方針演説 異例「対中包囲網」強化言及
バイデン大統領は28日に施政方針演説を行い、新型コロナウイルス対策の成果をアピールした他、中国包囲網を強化する姿勢を鮮明にした。
バイデン大統領は演説の中で「中国・習主席は世界最強の国を目指し、民主主義は時間がかかるため21世紀には衰退すると思っている。米国がインド太平洋地域で強力な軍事的プレゼンスを維持することを習近平国家主席に伝えた」と述べた他、台湾情勢を念頭に「紛争を起こすのではなく紛争を防ぐためだ」と強調。
新型コロナ対策でワクチン接種の実績をアピールした他、8年間で240兆円規模になるインフラ投資計画をあげて政権としての取り組みを強調した。
バイデン大統領の施政方針演説「今世紀最悪のパンデミックで、大恐慌以来最悪の経済危機であり、民主主義も南北戦争以降で最悪の攻撃を受けた。米国は再び動き出した。我々は21世紀を勝ち抜くために中国やほかの国々と戦っている。未来の製品や技術を開発し、圧倒しなくてはいけない。民主党共和党で争っている場合ではない。中国・習近平国家主席は世界で最も重要かつ存在感の強い国になりたがっている。私は習主席に米国はインド太平洋でも強力な軍事的存在を維持すると伝えた。NATOやヨーロッパと同じように、紛争を始めるためではなく避けるために。基本的人権が露骨に侵害された時は米国大統領は黙っていられないと指摘した」。
●バイデン大統領演説 「対中競争」の行方と本音は
ピーター・ランダース、「インド太平洋をNATO、ヨーロッパと同じように防衛したいと。アジア太平洋をヨーロッパと同じような形にするならどのような条約を作るのか、どのような仕組みを作るのか」
中山俊宏、「ミドルクラス外交と言っている。中産階級にとって意味を成す外交安全保障政策でなければいけないと。国際主義をどうやって維持するか、米国1人で責任を引き受けるわけではない、パートナーや同盟国が一緒にいると。日本や同盟国、パートナーにもっとやってくれと圧力がかかる」
古森義久、「中間層を強くすることが中国との競争に負けない一番いい方法だと。対外的な戦略と対内的な目前の選挙戦略が結びついたのがバイデン政権の中間層重視」
●バイデン大統領演説 「民主主義」強調の背景と効果
バイデン大統領は「群衆が議事堂を襲撃し民主主義を汚す映像がいまも我々の脳裏に鮮明に残っている」。
バイデン大統領の施政方針演説「民主主義」について。
ピーター・ランダース、「他国に対して成功していることを見せるために民主主義があるというのは論理的にどうかという気がする」
1月の議会襲撃事件は今も米国に暗い影を落としているのか。
中山俊宏、「バイデン大統領が演説で民主主義を重視したのは民主主義が米国の内から、さらに外でも後退しているという認識で、米国自身がトランプ時代にそういう現象と共鳴しあっちゃっているという認識」
アメリカファースト、主権、トランプ外交、国益、人権について言及。
ピーター・ランダース、「インドは先進国ではないが民主主義国だ。他国に対して民主主義というのを訴える力がある」
古森義久、「バイデン大統領が1月の事件を内乱と呼んで、南北戦争以来、米国の民主主義に対する最大の攻撃だなんて第二次世界大戦や9.11は何だったのか。これは共和党攻撃、トランプ支持者の攻撃。今回のバイデン大統領の演説は党派性が強く、追いかけていってやっつける。とことんトランプが体現したアイデオロジーパラダイムには根本から反対している」

長野美郷、「バイデン政権になって分断はどうなったのか」

古森義久、「分断は深まっている。黒人への人種差別やアジア人へのヘイトクライムなどひどくなっている」
中山俊宏、「分断はそんな単純なものではない。私はトランプ政権のほうが分断が大きかったと思っている。銃規制などに対して意外と共和党支持者にもバイデンの政策を支持しているのが多い」
トランプ政権で移民に対して厳しい対抗措置でやっていると見えていたがバイデン政権になって状況はどうなったのか。
民主党政権に期待値が上がり、迎え入れてくれるのではとホンジュラスコスタリカから押し寄せてメキシコ・米国の国境においてはトランプ政権の時よりひどい状況が生まれているというのは本当か。
ピーター・ランダース、「一部では、どの政権も明確な手段はない。オバマ政権の時も入ってきた人を追放する強い手段を使っていた。これから更に厳しくする必要があるかもしれない」
国境に押し寄せる移民希望者、子どもを密入国させる様子の映像。
古森義久、「子どもが入ってきても違法であればトランプ政権は帰した。今はバイデンは入れて認めた上で審査している、寛容、いま1ヵ月で18万人ぐらい子どもの逮捕者が出ている。2、3ヵ月前は半分以下だった」
●バイデン大統領演説 「生活&雇用支援策」に米国民は?

バイデン大統領の施政方針演説主な内容

ワクチン接種、レスキュープラン(困窮者支援・医療保険改革など)、ジョブズプラン(雇用創出)、ファミリープラン(生活・教育支援)、収入格差是正法人税などの強化)、対中国姿勢、安全保障(抑止力強化・アフガニスタン撤退など)、人種差別の是正、民主主義の回復。
ピーター・ランダース、「全部合わせると600兆円ぐらいになるのではと言われている、結構積極的に金を使う。バイデン政権になって民主党がやりたいことを丸出しにしていると思った」
米国議会の勢力図(上院、下院)。
古森義久、「民主党は一気に勝負をかけていると思う。大企業、所得の高い人がなんとなく悪いという感覚的なものがリベラリズムにはある。共和党は、米国第一主義がトランプだったがバイデン政権は気候変動第一主義だと言っている、これもリベラルの考え方。バイデンの本当の任期は2年だという考え方がある、それは中間選挙と年齢ということがある。その後はレームダックになるのではというのがあり、民主党も切迫感というか時間がない」
富裕層などに対する増税は米国ではどう評価されているのか。
ピーター・ランダース、「世論調査を取ると高く評価される。共和党支持でも、お金持ちならばどうでも良いのではという人が多いなか、共和党の議員はほとんど反対だと思う。中間層、中流階級を一番フォーカスしている大統領なので中流階級が支持してくれればそれで越したものはないと」
古森義久、「リベラルのポピュリズム的な要素があって、金持ちじゃない人のほうが多い。背後には保守とリベラルのイデオロギーパラダイムの戦いがずっとある」
ピーター・ランダース、「お金持ちに対する税率が4割を超えることにはなるが、50年代は一番高い税率が7割ぐらいだった」
古森義久、「振り子はレーガン時代から」
中山俊宏、「財源は明示しないと責任を果たしていないという意識が有権者にあるのではないか。今回富裕層に対する増税を示して、明らかにウォールストリートを敵に回した。しかし米国は意外に大企業に対する不信感が強い」
ピーター・ランダース、「トランプ政権の時も税金の色々なものは変わったので、過渡期の混乱はどうしてもあると思うが、経済全体を揺るがすような影響はないのではないか」

【提言】 「日本はバイデン政権とどう向き合うべきか?」

古森義久 「より強固で明確な主張を」
 中国の関係で言うとバイデン政権の対中政策はまだら模様だ。これからどんな方向にいくのか分からない。米中の間が緩和されたらそれが日本にとっていいことになるとは限らない。今のところバイデン政権は日本のいうことを聞いてくれている。日本の国益に沿った主張をつらぬくべきだ。
ピーター・ランダース 「価値観の調整」
 人権のついての価値観が日本と米国では必ずしも一致していない。これから価値観の調整が必要だ。
中山俊宏 「宿題に非ず」
 バイデン政権になり日本が最前線に立たされることが出てきた。今までのやり方では済まなくなっている。すでに宿題ではなく課題なのだ。
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