じじぃの「米国軍撤退・アフガン20年戦争検証・今後のバイデン政権は?プライムニュース」

米国撤退でバイデンはアフガン20年戦争検証国内外への波紋と影響』 【後編】

動画 fnn.jp
https://www.fnn.jp/articles/-/233656

米国撤退でバイデンはアフガン20年戦争検証国内外への波紋と影響』 【後編】

プライムニュース 「米国撤退でバイデンは アフガン20年戦争検証 国内外への波紋と影響」

2021年9月2日 BSフジ
【キャスター】長野美郷、反町理 【ゲスト】長島昭久衆議院安全保障委員会筆頭理事 元防衛副大臣 自由民主党衆議院議員)、木村太郎(ジャーナリスト)、ピーター・ランダース(ウォール・ストリート・ジャーナル東京支局長)
バイデン政権は8月30日、20年間に渡って駐留したアフガニスタンからの米軍完全撤退を声明で発表し、現地の日付が変わる直前には、最後の米軍輸送機が首都カブールの空港を離陸した。
まさに急展開となった、タリバンによるアフガニスタンのほぼ全土掌握によって、撤退をめぐる混乱が広まる中、カブールの空港などで発生したテロによって米兵13人が死亡しただけでなく、未だ脱出を希望する100人以上の米国民がアフガニスタンに取り残されており、その救出が急がれる状況だ。
バイデン大統領の、国民からは「自国民を見捨てた」など、厳しい声が上がっている。政権の支持率も下落し続けており、撤退の判断とその手法やタイミングが来年の中間選挙に向けた共和党の攻撃材料になることは必至で、米国の内政は先行きが不透明な情勢だ。

米国軍撤退・アフガン20年戦争検証・変わる米国に同盟国は?

●バイデン大統領・判断の是非
バイデン大統領は8月31日、武装勢力タリバンが権力を掌握したアフガニスタンからの米軍撤退について、「終わりなき撤退を延長させるつもりはなかった」と演説をした。
米国・バイデン大統領の演説について。
長島昭久、「戦闘のシーズン真っ盛りの時に、インテリジェンスや軍は雪で覆われる冬まで待つべきだと進言していたにもかかわらず、それを振り切ってなぜこのタイミングだったのか。9.11の20周年が迫っていた。軍事的合理性というよりは政治的な動機が非常に勝っていたということだろう。米国人の今の関心はコロナであり経済。米国人はこの20年間、有益かどうか分からない戦争に付き合わされてきたから早く忘れたいと思っていると思う」
木村太郎、「米国はこの20年間、ひとり相撲をとっていた。最後に自分でこけて終わった。それをどうやってあそこまで正当化できるのか。この戦争は9.11で始めた。あの国はウサマ・ビンラディンを匿っているからと攻めて政権を潰した。例えばカルロス・ゴーンを匿っているレバノンはけしからんと日本は攻め込むか。20年戦って米国人2500人、NATOを入れると3500人が死んだ。9.11で亡くなった方は3000人いない」
●バイデン大統領「判断」と「手際」の是非
木村太郎、「バイデン大統領が元々タリバンに対して甘く見ていた。2009年、バイデンが副大統領になって最初のアフガニスタンの問題で、何万人という軍隊を出してタリバンを征伐しようという会議に出た時に1人反対したのがバイデン副大統領だった。タリバンはそんなに悪いやつではなく、米国にとって脅威にならないと言ったという」
ピーター・ランダース、「撤退を決めたのはトランプ前大統領で、ガニ大統領の頭越しにタリバンと直接交渉した。その結果、2021年の間に米国軍が完全にアフガンから撤退するという合意をした。バイデンが大統領に就任した今年1月20日に大変難しい選択を迫られていた。撤退計画を撤回するとなると、また大変な戦争になって米国軍の犠牲者が出るだろう。撤退を遂行せざるを得ない状況にはなっていたと思う」
●なぜ引き際を見失ったのか?
日本時間昨日未明、バイデン大統領は「我々は10年以上も前にアフガニスタンで成し遂げようとしていたこと(ビンラディンの殺害)を達成したがそれからさらに10年間駐留してしまった。この戦争を終わらせる時が来た」と語った。
米国が民主化にまで踏み込んだのはなぜか。
木村太郎、「米国の価値観を世界に広めるために米国人も血を流して、同盟国の人間も力を合わせて米国の価値観を世界に広めようというのがネオコンの考え方。米国の価値観を他の国に押し付けていくということ」
長島昭久、「イラク戦争の失敗で否定された。ネオコンみたいな考え方はうまくいかないんだということになったが、アフガニスタンではロジックとしてはテロの温床にしないためには国内の治安を維持できるようなしっかりした統治機構が必要だ。できれば民主的な統治機構が良いということで民主化に励んでいった。8月16日にアフガニスタン復興特別監察官が四半期ごとに報告書を出すが、そこに“安定した平和なアフガニスタン建設はそもそも最初から達成し難かった。米国はアフガニスタンの社会、経済、政治のダイナミクスさを全く理解しておらず、欧米の経済軍事モデルや現地の人々が理解できない最新兵器システムを押し付けようとした。大半が非公式な方法で解決法を探る人々に対して法の支配を押し付けようとしても機能するはずもなかった”と書いてある。これが結論。アフガニスタンの人口が約3900万人で2019年に投票した人が190万人。フガニスタンには全く民主主義は根付かなかった」
●「民主化」失敗の原因は?
長野美郷、「米国の価値観をアフガニスタンに押し付けようとしたことは、戦後の日本に対しても同じことを行ったが」
長島昭久、「日本とアフガニスタンとでは受け入れる土壌が全く違う。日本には民主主義を受け入れる素地があった」
反町理、「非民主国に対して民主主義を植え付けていくという国家的な使命のようなもの、それに対する国内の議論は今回のアフガン撤退から湧いてくるものなのか」
ピーター・ランダース、「湧いてくると思う」
長島昭久、「トランプ、バイデンという流れはその前の民主化に何が何でもするんだという流れとは明らかに違う。そういう意味ではトランプとバイデンは同じ座標軸にいる。他国を作り変えるための軍事作戦の時代は終わったとはっきり言っている。このコンセンサスは共和党民主党も共有しているのではないか」
木村太郎、「トランプは米国ファーストで完全にネオコンの反対側、米国以外知らないと。バイデン政権はブリンケン国務長官国務長官になったときのヒアリングで、自分の養父がホロコーストの犠牲になりそうになって逃げ出し森の中で米国兵に助けられた。自分はこういう米国というのを一番大事にしたいと。彼は基本的にはネオコン。バイデン大統領もこういう時代は終わったと言ってはいるが、就任演説で米国の価値をもう一度友好国と一緒に世界に根付かせようと言っている。基本的な考え方はネオコン
長島昭久、「問題はそういうことをやろうとする理想すらあるかということ。中国という最大のライバルと肉薄している状況なので無駄なものは全て降ろさないと対抗できないという時代的な要請がある」
●米国「アフガン撤退」の波紋 「変わる米国」に同盟国は?
バイデン米大統領は8月16日、アフガン政権の崩壊後に初めて演説し、米軍撤退について「正しい決断だ」として、20年にわたる駐留を終えることは国益につながると正当性を主張した。政権崩壊は「予想以上に早かった」と誤算を認めたが、原因はアフガン政府側にあると釈明した。

また、「アフガン政府軍が戦おうとしない戦争で、米兵が戦って死ぬべきではない」と語った。

反町理、「尖閣の問題で日本が何人死んだら米軍が一緒に戦ってくれるのか。アフガン政府軍でも一緒に戦った人がいたはずだ」
ピーター・ランダース、「選挙の真っ最中に戦争が勃発した場合、日本国民の心構えは出来ているのかどうか。選挙の中でどう訴えるのか」
長島昭久、「我々が参加すること、一緒に戦うことがどういう国益になるかということの議論をきちっと有権者に説明するということ」
木村太郎、「戦後だけでも米国が守ると言って守りきった国は1つもない。若い米国人が血を流してまで日本を守るということは期待しない方がよい」
長島昭久、「こういう議論を中国がどう見ているか。アフガニスタン・カブール陥落の翌日に環球時報がなんと言っているかというと、米国は同盟国や友好国を見捨てて自国の利益しか考えない、台湾は考え直したほうが良いと言っている。中国は米国は守ってくれないという疑心暗鬼を我々の間に広めようとしている」
木村太郎、「中国とタリバンがうまくいくわけがない。新疆ウイグル自治区で中国が何をやっているかといったらイスラム教徒を殺している。それをタリバンが放っておくわけがない」

【提言】 「米国のアフガン撤退をどう捉えるべきか?」

長島昭久 「対中戦略シフト」
 自由で開かれたインド・太平洋を押し進める。
ピーター・ランダース 「党派を超えた米国ファースト」
 米国の海外戦略は民主党共和党とも共通した価値観にシフトしている。
木村太郎 「バイデン政権の終わりの始まり」
 来年の米中間選挙でバイデンは負けるだろう。バイデン政権の2期目もないだろう。
https://www.fnn.jp/subcategory/BS%E3%83%95%E3%82%B8LIVE%20%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9