じじぃの「櫻井よしこが一刀両断・米軍撤退アフガン情勢・中国の狙いは!プライムニュース」

櫻井よしこが一刀両断 米軍撤退アフガン情勢 中国の狙い・宮家邦彦』 2021年8月25日(水)

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櫻井よしこが一刀両断 米軍撤退アフガン情勢 中国の狙い・宮家邦彦 【後編】

プライムニュース 「櫻井よしこが一刀両断 米軍撤退アフガン情勢 中国の狙い・宮家邦彦」

2021年8月25日 BSフジ
【キャスター】新美有加、反町理 【ゲスト】櫻井よしこ(国家基本問題研究所理事長)、宮家邦彦(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)
バイデン大統領がアフガニスタンからアメリカ軍を完全に撤退させると発表してからわずか4ヵ月、イスラム主義の反政府武装勢力タリバン」が、ほぼ全土を制圧して政権を倒した。
アメリ同時多発テロの直後から20年という“史上最も長い戦争”におけるアメリカの失敗は世界をどう変えるのか。「タリバン」や周辺国に急接近している中国の狙いは何なのか。日本はどのような対応が必要になるのか。

米軍のアフガン撤退 タリバンに接近する中国の狙いは

●米国軍アフガン撤退が示すこと
米国軍がアフガニスタンからの撤退に踏み切ったことで武装勢力タリバン」が首都・カブールを含めてアフガニスタンのほぼ全土を制圧したことは世界にどんな変化や危機をもたらすのか。
アフガニスタンをめぐるバイデン大統領の発言について。
米国・ABCキャスターは「米軍のアフガニスタン徹底で混乱が生じている。徹底は間違いではないのか」と問うた。
バイデン大統領は「アフガニスタン政府の指導者が飛行機で国外に逃げ、アフガニスタン軍の大部分が崩壊し、逃げた。いま問われているのは9月1日に延期した期限内に撤退するのか、現地にもっと多くの兵士を送るかだ」と述べた。

2001年9月11日、米国同時多発テロが発生。
首謀者であるアルカイダビンラディン容疑者をタリバン政権が匿っているとして、10月に米国の主導でアフガニスタンへの空爆を開始。
12月、タリバン政権が崩壊。
2011年5月、米国軍がビンラディン容疑者を殺害。
米国軍やNATO軍がアフガニスタンに駐留し、民主的な手続きを通じて新たな憲法が制定されたり、大統領選挙が行われるなど民主主義国として歩み始めた。
2014年5月、オバマ大統領(当時)が米国軍撤退を発表。
2020年2月、トランプ政権でタリバンとの和平合意成立。
2021年4月、バイデン大統領が米国軍の完全撤退を発表。
8月、タリバンが首都・カブールを制圧~ほぼ全土を掌握。
櫻井よしこ、「トランプ前大統領が5月1日までに完全撤退すると言っていた。政権交代が起きてバイデンが大統領になって8月に延ばしたという経緯がある。アフガン撤退は専門家から反対論が出ていたし、NATO諸国からも懸念する声が出ていた。バイデン大統領は公約にこだわったのか、軍事専門家の意見を聞かずに性急にやってしまった」
●米国とアフガンの20年は…
櫻井よしこ、「戦略としては間違っていないと思うし、日本人としては中国の正体を知って中東からアジアにシフトしてくると考えていた。戦術は間違っている。20年間、大変な数の人が戦死し、NATOからも1000人を超える人たちが亡くなっている。引き上げる時にあたかも米国一国のことのような形で引き上げる。NATOにも相談していなかった。NATOが最初から米国と一緒の戦略としてやった。バイデン大統領は同盟国を大事にすると言っていたが、今回のやり方を見ると同盟国のことを大事にしていないと少なくともNATOの人たちは考えている。英国、ドイツ、フランスから批判が出ている。インドはクアッド(日米豪印4ヵ国による安全保障や経済を協議する枠組み)からインド太平洋戦略を米国も含めて一緒にやろうとしている。中国に対峙するということもあるが、インドにとっては中国とパキスタンの関係がものすごく恐い。バイデンはインドに何も相談なく撤退してしまった。バイデンに対する不信感が強い」
●アフガン情勢と米中の思惑
日本のアフガニスタンへの支援は、インド洋における「不朽の自由作戦」での海上阻止活動に対する洋上補給、選挙支援、警察官の訓練支援、インフラ整備、教育や職業訓練など(外務省「日本のアフガニスタンへの支援」より)。
櫻井よしこ、「洋上補給は自民党政権の時にやって民主党政権で1回やめた。我が国が国際社会の連携の輪にどこまで入り込めるかという問題を度々突きつけられた。湾岸戦争の時は何もできなくて130億ドルを出したにもかかわらず、クウェート政府からお礼も言ってもらえなかったという屈辱的なことがあった。あの頃から日本は今のままでいいのかと、憲法改正もしなくていいのかという議論がずっとあった。民主党政権岡田克也が『日本が与える油は軍事に使ってはいけない』と言った。そういう訳の分からない日本であり続けることに対する疑問をいろんな場面で感じてきた」
宮家邦彦、「日本はアフガニスタンについて良い意味で評価されていると思う。米国とは一線を画した協力をやってきて、国連を通じてもやったし、選挙、警察、インフラ、教育は長い目で見えた国づくりには絶対に必要なもの」
アフガニスタンとテロ組織
櫻井よしこ、「アフガニスタンはこれからテロリストと言われる人たちの中心地になっていくのではないかと思う。タリバン勢力がどうやって国を治めていくのか。タリバンパキスタンは非常に良い関係にありパキスタンは得をした。パキスタンの持っている核兵器がいつの日かテロリストの手に渡らないという保証はない」
宮家邦彦、「パキスタンはインドと対立している。インドと対峙するためには戦略的重心性で後背地が必要。それでアフガニスタンに対する影響力を国策として考えてきた。その意味ではうまくタリバンを利用してきた。中国が関心を持つのはそれはそうで、アフガニスタンで力の真空が出来てウイグルをトレーニングでもされたらたまったものではないので、アフガニスタンについてはどうしても治安をしっかりしてもらわなければいけない」
タリバンに接近する中国
中国とタリバンについて。
7月28日、中国・王毅外相とタリバン幹部が会談(天津)。
王毅外相→ウイグル独立派組織の東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)と一線を画すよう求める。
8月16日、中国外務省・華春瑩(カシュンエイ)報道官は「中国はアフガニスタン国民が自らの運命を独自に決定する権利を尊重する」と発言。
タリバンによる政権掌握を事実上容認。
櫻井よしこ、「中国はアフガニスタンで、かつて英国やソビエトが失敗し今米国が失敗しているのをよく見ている。おそらく急いで入っていくということはない。経済的な中国の拡張路線という意味では非常にこれを重視していると思う。中国は少し隙間があるとすぐに入っていく。米国がいなくなったところに中国が行くというのはもう当たり前。中国とパキスタンとは既に一帯一路で組み込まれている。それをアフガニスタンまで拡張することになる。2001年9月11日の米国での同時多発テロ事件で、中国政府はブッシュ政権の唱える対テロ戦争への支持を表明した。中国はテロとウイグル人を結びつけて弾圧してきた」
●アフガン情勢と日本の安保
櫻井よしこ、「菅首相も4月の日米首脳会談で、米国がアフガンから退くと言った次の日に日本との首脳会談をやった。その首脳会談で日本は、日米同盟の強化と防衛省の力を強化すること、米国との戦略的な提携を深める、台湾海峡の平和と安定の重視を言った。日本が今までとは違って軍事的な手段も用いて日本周辺、東アジア周辺の安全と平和に貢献するとコミットした」
宮家邦彦、「カブールが陥落したからといって状況が変わるわけではなく、2001年と今で最も違うのは中国の潜在的な脅威が顕在化しつつあるということ。日本がやらなくてはいけないのは、相手を抑止するために戦い方改革」

【提言】 「アフガン情勢から日本が教訓にすべきこと」

櫻井よしこ 「現実に基き独立自尊
 現実を知れば今のままの日本ではいけない。自分の国は自分で守る。
宮家邦彦 「自らを助くる者を助く」
 カブールの教訓は、自分の国をちゃんと守らないと見捨てられるということ。
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