じじぃの「結核・映画『あゝ野麦峠』の主演は誰?池上彰のニュース検定」

スイスのサナトリウム

池上彰のニュース検定

2020年7月10日 テレビ朝日 【グッド!モーニング】
きょうのキーワード 「結核と富国強兵」。

問題 「1979年映画『あゝ野麦峠』の主演は?」

大竹しのぶ
吉永小百合
栗原小巻
正解 大竹しのぶ
池上彰さん解説】
 「結核は年間10万人以上が犠牲となる恐ろしい病気で、長い間「死亡の病」と呼ばれていました。日本政府が推し進めた富国強兵・殖産興業に大きな影響を与えました。1979年大竹しのぶが主演した映画『あゝ野麦峠』では明治時代に製糸工場で働く10代の少女が描かれています。農村から集められた少女たちは低賃金、重労働により結核にかかりました。会社は結核にかかった少女らを解雇し農村に戻しました。その結果、農村で結核が広がりました。当時の日本の輸出の主力は生糸や綿などの繊維産業です。繊維産業で外貨を獲得し、戦艦などを購入するのが国の方針だったのです。日清戦争、三国干渉で活躍した外務大臣陸奥宗光や、日露講和条約の調印に尽力した外務大臣小村寿太郎結核に感染しました」

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『ヒトはなぜ病み、老いるのか―寿命の生物学』

若原正己/著 新日本出版社 2017年発行

寿命の生物学 より

実験動物でカロリー制限をすると、本当は栄養不足だから生理活性も落ちて、生殖もしにくくなり体も弱くなって病気にもかかりやすくなっているはずだが、何しろ無菌状態で手厚く保護されているから、長生きできるのだ。
ヒトの場合は、無菌の実験室で100年間実験するのは無理だし、生殖せずに寿命をやみくもに伸ばしても意味がないから、実験動物とヒトとでは全く条件が違う。だから動物実験だけからではそうした結論を得るのは難しいのだ。
現在サーチュイン遺伝子説にも少し陰りが出てきたようだ。個人的な意見だが、サーチュイン遺伝子はヒトにもあるし、それが活性化すると寿命が延びるかもしれないが、寿命を決めているのはそれほど単純なものではない、と思っている。
今述べたようにヒトでは実験ができないから結論をだしのは難しい。一方、現在カロリー制限による健康法がもてはやされているし、糖質制限が寿命を延ばすだの、ロカボ(ローカーボン食)、低糖質が健康の秘訣だなどなどいろいろな説が流行している。メタボリック・シンドロームという言葉が社会にも定着し、テレビのコマーシャルを見ても、メタボ対策の健康食品が次から次へと宣伝されている。ビールも糖質オフとかカロリーゼロをうたい文句にしたものが売り上げを伸ばしているようだ。場合によってその糖質制限の提唱者が急死したりして、話題になっているからこの問題を少し整理しておこう。
1つは、過激なダイエットは健康に良くないし、長寿命につながらないという点だ。特に中年期以降は、鉤来なダイエットは勧められない。なぜかと言えば、若いうちはともかく年をとると栄養が大事なのだ。少し小太りの方が長生きだというデータがある。太りすぎると糖尿病になり、心筋梗塞脳梗塞になって死を早めるというのが厚生労働省をはじめとする公式的な考えだが、一部の研究者はダイエットをやりすぎると免疫能が低下すると主張している。

寿命に関係する要因はたくさんあるが、なかでも重要な免疫能は栄養状態に依存する。たとえば戦前戦後の死因の1番は結核だった。当時は栄養状態が非常に悪く免疫能が低下していたので、結核菌が体内で増殖し国民病として恐れられた。

今や栄養状態もよくなり国民全体免疫能も高まっているので結核はかなり克服されたが、今でもたとえばホームレスなどでは結核が多く発症している。栄養不足は免疫能を低下させ寿命を短くするのだ。
BMI(ボディ・マス・インデックス)はすでに多くの国民が知っている。肥満傾向があるかどうかを簡単にチェックできる体格の指標だ。BMIが高ければ高いほど肥満傾向が強いが、肥満が強くなれば、生活習慣病になりやすく、脳神経系の病の危険率が高まると言われている。
しかし、高齢期に入った人については、BMIと死亡率は関係がないことがわかってきた。むしろBMIが低い人たちの方が死亡率が高いという。それがBMIパラドックスだ。だから、多少太っていた方が長生きするのだろう。痩せたほうが明らかに寿命が短い。