じじぃの「医療崩壊の真相と構図・イタリア死者6000人超!プライムニュース」

感染による死者が世界で2万人超 伊は中国の2倍(20/03/26)

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=14M8FGMxjtk

イタリア 死者6000人超

新型コロナウイルス イタリア 死者6000人超 外出規制を一層厳しく

3月 24, 2020 Pars Today
イタリアでは23日、死亡者が新たに600人以上増えて6077人となり、6000人を超えました。
https://parstoday.com/ja/news/world-i60107

プライムニュース 「イタリア死者6000人超 感染拡大の実情と背景 医療崩壊の真相と構図」

2020年3月26日 BSフジ
【キャスター】長野美郷、反町理 【ゲスト】ヤマザキマリ(漫画家・随筆家)、杉本匡史(三重大学医学部附属病院中央検査部助教)、田中理(第一生命経済研究所主席エコノミスト
新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大が続くイタリア。10日以降、全土で移動制限措置が開始されているものの、未だ収束の見通しは立っていない。19日には死者数が中国本土を上回って世界最多、致死率も約9%と他国に比べ際立って高い状態だ。
こうした中、治療に携わる医師や看護師は殺到する患者に対応しきれず、医療機材・設備の不足、あってはならないはずの医療従事者の感染など、まさにワーストケースとも言える惨状が繰り広げられているという。さらに、イタリアの多くの産業で生産活動が停止し、世界経済に及ぼす影響の深刻化も懸念されている。
こうした感染者数と死者数の急拡大の背景には、どのようなイタリア社会の実情と課題があるのか?
日本や他の国々はイタリアの状況から何を教訓として、今後の対策に活かしていくべきなのか?
イタリアの医療体制や生活の現実、ここまでの政治・経済の動きを熟知するゲストを迎え、イタリアで何が起きているのかを問う。
●なぜ?感染爆発のイタリア 国民性・文化・社会構造はどう影響?
      死者   至死率

                    • -

イタリア 75032人  10.0%
スペイン  3434人   7.2%
中国    3287人   4.0%
アメリカ  673人   1.3%
日本     43人   3.6%
杉本匡史、「至死率の高さというのは全体から見て重篤者を優先的に治療するかしないかで比率が変わってくる。深刻なのは医療関係者が亡くなっていることだ」
ヤマザキマリ、「イタリアは最初から政治や政治家のことは誰も信じていない国。物事が正しいかどうか自分たちの脳で考えなければいけないという社会。ロンバルディアが封鎖されるとなった時に皆が結構危機感を持ったという感じ。イタリア人は家族と離れ離れになることへの恐怖感がすごい」
田中理、「政府が封鎖するというのが前日に噂のリークという形で出てきてしまい、ミラノ在住の地方出身者が一気にミラノの駅に行って地方に持ち帰ってしまった、感染拡大にもつながったかもしれない。欧州委員会がヨーロッパで取った調査によるとイタリア人は毎日、あるいは毎週どこかで家族と友人と必ず会うというのが6割。これが北部のヨーロッパと比べると非常に多い。家族とのふれあいを重視しているのでこれが感染源になっているのではないか」
ヤマザキマリ、「日曜は必ず実家に戻らなくてはいけない、家族や近所の人と10人ぐらいで食事をして2時間も3時間も喋っている」
田中理、「ビジネスの立場で出張でビジネスマンと面会しているときもイタリア人はバーっと話し始める位イタリア人はお話が大好き」
●“感染爆発”で“医療崩壊” 今イタリアの医療に何が?
日本とイタリアの医師数・病床数(2016年・人口1000人あたり))
【日本】
病床数 13.11床
医師数 2.43人
【イタリア】
病床数 3.17床
医師数 3.95人
イタリアの看護師の悲痛な叫び。
「残念ながらもう医療を維持できない。感染があまりにも深刻で死者数も数えられない」
「いますぐプロの人材が必要。もう時間がない」
杉本匡史、「イタリアという枠組みで一致団結ができているのかというと各都市ごとで引っ張り合いや駆け引きもあったりするのかと思う。たとえば医療現場に人工呼吸器などがローマからやってこない。イタリアの病床数が少ないのは国としてはベッドを減らして、人件費を削減したいから」
田中理、「イタリアの医療水準は高い。高齢化が進んでいるということは医療水準は高いことを意味している。ただ財政の関係で病床数が次第に少なくなっている」
●“感染爆発”で“医療崩壊” 「命の選択」ガイドライン
・イタリア麻酔鎮痛集中治療学会(SIAARTI)ガイドライン

「集中治療室が限られている状況下では高齢で回復が望められそうもないもの、余命の短い者より助かる見込みの高い患者を優先する」

3月16日に発表されたもの。
反町理、「かなり厳しいと思う。このガイドラインは医師として問題があると思うが」
杉本匡史、「現場で死者がたくさん出て医療資源が限られて上限に達してしまい助けることができない状況で、実際に働いている医療従事者の側が助けたくても助けることができない個人的な葛藤にさいなまされてしまう。その中でも刻々と変わる状況に対応しなければいけない。学会として限られた資源で、こういう判断をしても私達はあなたをサポートしますという声明として出された」
ヤマザキマリ、「80代の神父が自分の人工呼吸器を若い人に譲って亡くなったことを大きく報道されているということは、こういう状況が受け入れられているという1つの告知になる。人工呼吸器は足りない状況だがフェラーリフィアットが協力して人工呼吸器を製造する形で同意をしたというニュースが出ていた」
田中理、「イタリアでもともと人工呼吸器を作っているメーカーは1社しかない。EUとして足りない医療資源を提供するなり医療スタッフを派遣するなり然るべきだが、各国で感染拡大して医療資源が足りなくなることが目に見えている中でイタリアにばかり回すわけにいかない現実がある」
●なぜ?感染爆発のイタリア 聖職者の死者続出の背景
カトリックの儀式・感染拡大について。
イタリアで約67人のキリスト教の聖職者が死亡→信者が重篤になると聖職者が呼ばれ臨終に立ち会う儀式の際に患者から感染。
ヤマザキマリ、「イタリアでは高齢者のもとを神父が訪ねたりするのが当たり前。家族の誰かが苦しんだり何かをしなければいけないときは家族全体がそれを見守っている状態。今回神父がいなければ一人ぼっちで、亡くなる前のお祈りさえなく死んでいくというのは悲しみの極みになる」
杉本匡史、「亡くなっていく患者に対し緩和的医療が何も行うことができず、それをするだけの余裕もなく、十分なケアができないまま亡くなっていく現状を非常に悲しく思うと現地の医療者がリポートしていた」
ヤマザキマリ、「今日“戦争”という言い方をイタリアの家族がしていたが、戦争でも置き換えられないぐらい、なぜこんな目に遭わなくてはいけないのかと、家族と触れ合うことが間違っていたのかと根幹からゆるがすような疑念が湧いてきてしまっている。ある意味での天災に対してただ向き合って壁を乗り越えていくしかないという意識をイタリア人と話していると感じる」
●“感染爆発”窮地のイタリア 中国「支援」の真意と行方
イタリアと中国の新型コロナを巡る動きについて。
中国の医療チーム約20人と支援物資がローマ到着、習近平主席がコンテ首相との電話会談で感染対策の支援を約束、中国の別の医療チームがミラノ着。
杉本匡史、「スタッフと物資が有り難いということと、おそらく武漢での経験がある方たちが送り込まれることが強いサポートになると思う。中国も責任感があり実際のスキルがある人を送り込んでいるのではないか」
ヤマザキマリ、「イタリアの人は中国からの医療支援について感謝していた。日本人がアジア圏を見ているレイヤーはヨーロッパ人にはない。否定的な見方は一切していない。それぐらい彼らは切羽詰まっているという考え方も出来る。些末なところに何かを向けてわーっとやるのはナンセンスだと歴史で学んでいる部分がある。全体として考えてみると、そこで中国に対して怨嗟を抱えたから何と答えは出ない。中国との経済的繋がりは深いので結束はそのまま継続されていくのではないか」
【提言】 「イタリアの現状から学ぶべきこと」
ヤマザキマリ 「緊張感」
 イタリアと日本の緊張感が違う。これからどうなるのか分からないので緊張感を持つべきだ。
杉本匡史 「油断」
 日本はこんな状態でちょっと勝てるかなという感覚があるかもしれない。油断をしないように。
田中理、「分散」
 エネルギー資源のように過度な資源に依存しないこと。医療物質など1つのところからだけ輸入しないこと。
https://www.fnn.jp/subcategory/BS%E3%83%95%E3%82%B8LIVE%20%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9