じじぃの「科学・芸術_946_世界の陰謀論・巨大資本の陰謀」

Titanic: The Ship That Never Sank

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Exnjkvesd2A

Titanic: The Ship That Never Sank?

13 Titanic Mysteries That May Never Be Solved

Reader's Digest
What caused the ship to break into two pieces?
https://www.rd.com/culture/titanic-mysteries-never-solved/

『ビジュアルストーリー 世界の陰謀論

マイケル・ロビンソン/著、安納令奈/訳 ナショナル・ジオグラフィック 2019年発行

巨大資本の陰謀

すでに本書では、石油業界が環境に優しい代替エネルギーの開発に対して積極的ではないし、自分たちに都合よく価格や市場も操作している、という考えを紹介した。医薬品企業は私利私欲に走り、そのしわよせは消費者に行っている。ほかにも巨大資本のからむ陰謀には、保険金の損失や補填しようとした偽装工作や、金融機関による欠陥商品の企画、販売、それに立場が弱く、しかも何の疑いも持たない市民を狙い、金を巻き上げようとするインターネット詐欺などがある。こうした悪だくみの大半が結局はあばかれ、しかるべき処分を受けている。しかし1つだけ、この先も十分に解明されない謎がある。それは”不沈船”タイタニック号が海の泡と消えた海難事故だ。

タイタニック

ロビン・ガーディナーは1998年に発表した著作『なぜタイタニック号は沈められたのか』(原題:Titanic: The Ship That Never Sank?)のなかで、1912年4月にイギリスのサウサンプトン港を出港したのはタイタニック号ではなく、その姉妹船、オリンピック号だったと主張する。1910年に進水したオリンピック号は外観がタイタニック号とほぼ同じで、航海の少し前の1911年8月に英国海軍の船と衝突事故を起こし、修理をしたばかりだった。その後、衝突の過失はオリンピック号にあるとわかり、担当保険会社だったロンドンのロイズは、タイタニック号とオリンピック号を保有するホワイト・スター・ラインへの支払いを拒否。そのため、この2隻の船はすり替えられた。タイタニック号の完成が遅れていたため、”つぎはぎ”したオリンピック号にタイタニック号と名乗らせ出港させた、というのだ。
この説を裏づける証拠のなかで、何よりも説得力があるのは、タイタニック号の左舷側にあった、わずかな傾きである。この特徴は、オリンピック号が事故で被害を受け、その修理をした部分とまぎれもなく一致する。これ以外にも、この船の実質的なオーナーである銀行家のJ・P・モルガンが、金融界のライバルをつぶそうとした、という説も以前からささやかれている。当時、米国政府は連邦準備金制度を立ち上げて経済の安定化を図ろうとしており、モルガンはそれを全面的に支援していた。これに反対していたジョン・ジェイコブ・アスター4世(1864~1912年)とベンジャミン・グッゲンハイム(1865~1912年)はいずれも、タイタニック号に乗船して命を落としている。