じじぃの「超AI・ノイマン型コンピュータからは創造性は生まれない?グーグルが消える日」

The Carbon Age

The Future of Homo Sapiens

Xapiens at MIT
https://xapiens.mit.edu/the-future-of-homo-sapiens

『グーグルが消える日 life after google

ジョージ・ギルダー/著、武田玲子/訳 SBクリエイティブ 2019年発行

機械学習」は本当に成功するのか? より

2017年8月、カリフォルニア州クパチーノで開催されたホットチップスでは、「ディープラーニング」向けのチップが売り込まれていた。「ディープラーニング」とは、シリコンバレーの流行語で、何層もの処理を用いたパターン認識、対比、修正、フィードバックを大幅に加速して、パフォーマンスの改善を蓄積していく手法である。
また、「ラーニング」という言葉は、AIのベンチャー企業が使い始めたものである。「推定する→エラーを数える→修正する→フィードバックする」という手順は、グーグルのデータセンターで標準的に行われており、グーグル翻訳やグーグルサウンドライター、グーグルマップ、グーグルアシスタント、ウェイモの自動車、検索、グーグルナゥなどにもリアルタイムで反映されている。
2012年時点では、グーグルのAIは犬と猫を区別するのにも苦戦していた。ユーチューブでは猫の動画が大人気だが、コンピュータに猫をうまく認識させることができなかったのだ。
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シリコンバレーの伝説的人物であるカリフォルニア工科大学カーバー・ミードが何十年もかけて脳の構造を模したコンピューティングの実験で明らかにしたように、おそらくすべてのAIが、シリコン製の基板ではなくカーボンベースの素材を使用しなければならなくなるはずだ。
カーボンにはおよそ20万の化合物があり、また、シリコンの何倍も順応性があり、化学的に複雑でもある。
近年、新しいカーボンs材も次々と登場しており、有機発光ダイオードや光センサーなどは、徐々にディスプレイ市場に浸透している。中でも有望なのが、炭素原子1個分の厚さで、透過性のあるシート状のグラフェンである。丸めればカーボンナノチューブ、何層にも重ねればブロック、球状にすればC60「バッキ―ボール」になる。
グラフェンには、多くの長所がある。たとえば、張力はスチールの60倍、導電性は銅の200倍だ。バンドギャップがないため導電性は低下せず、電子の平均自由工程(衝突から衝突までに進む平均距離)は、60ミクロンと比較的大きい。
ナノテクの専門家であるライス大学のジェームス・ツアーが実証しているように、グラフェン、渦巻き状のカーボンナノチューブなどの化合物を使えば、様々な機械、乗り物、エンジンをつくることができる。
まだ先の未来のことではあるが、量子コンピュータのような新たなコンピュータ・アーキテクチャーが実現し、高い知能を持つようになる可能性がある。
シリコンバレーの現役世代は、全盛期初期のフォン・ノイマンゲーデルの発見、クロード・シャノンやグレゴリー・チャイ・ティン、アントン・コルモゴロフ、ジョン・R・ピアースの情報理論における画期的成果を受け入れるべきである。アルゴリズム情報理論のアイデアを発見したチャイ・ティンは、ゲーデル不完全性定理を現代の事象にもあてはめている。
シリコンバレエ―のAI理論家は、20世紀の数学やコンピュータ科学の最も重大な発見を無視している。彼らは、すべての論理的スキームが不完全であり、証明できない定理に依存してしまっているのだ。
いかなる論理的議論や数学的議論も、極論すれば(無限大を適合できようが、パラレルワールドが存在しようが)、科学者たちはゲーデル不完全性定理に行きつかざるを得ない。
チャイ・ティンの「創造的数学」によると、テクノロジーを進歩させるためには、既存のコンピュータ業界に浸透している決定論的な数学の論理を超越しなければならない。

決定論的な思考からは、けっして真の創造性は生まれないのだ。

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どうでもいい、じじぃの日記。
従来のノイマン型コンピュータは、データを「0」か「1」のどちらかの情報として保持した上で、2つの演算方式の組み合わせで演算を行う。
一方、量子コンピュータは、特定の条件で物質が量子的な振る舞いをするという特性を活かし、1単位あたり「0」、「1」、そして「0でも1でもある状態」の3通りで表現することができる。
パラダイム シフト」という言葉がある。
従来のノイマン型コンピュータ的な思考が続く限り、真の創造性は生まれないようか気がする。