じじぃの「オオカミの家畜化・ヒトとオオカミイヌがネアンデルタール人を絶滅させた?ヒトの秘密」

A brief history of dogs - David Ian Howe

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=8_KWmzLObQ4

the self domestication of dogs

犬はどうやって人間の親友に? 家畜化の新証拠

2017年07月21日 BBCニュース
犬はおそらく、2万年から4万年前に特定の場所で狼から進化した可能性が高いことが、このほど発表された研究で明らかになった。
「人間と犬ははるかな昔から、じっくり時間をかけて、これほど仲良しになりました。ゲノム情報が増えれば増えるほど、ついに真相が解明できるようになるかもしれない」
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-40679096

ヒトとイヌがネアンデルタール人を絶滅させた amazon

パット・シップマン (著)、河合信和(訳) 原書房 2015/11
●監訳者あとがき より
きわめて刺激的な本である。一般の人にも強い関心があり、永遠のテーマでもある「ネアンデルタール人はなぜ絶滅したのか?」の謎に、最新かつ総合的なアプローチで、原著者パット・シップマンはこれまで想定されたことのなかった推論を導き出した。
アフリカから中東をへてヨーロッパに進出した現生人類は、気候変動や遺伝的多様性の欠失で衰退しつつあったネアンデルタール人を、意図せざる結果として滅ぼした。それには、この頃にいち早く家畜化されるようになったイヌ(原著者の言う「オオカミイヌ」)の存在があった――という説である。
この説を提起したパット・シップマンがベースにしたのは、おおまかに言ってふたつの発見である。
ベルギーのゴイエ洞窟のイヌ科動物が実は家畜化されつつあったオオカミイヌであり、その年代がそれまで想定されていたよりもはるかに古い3万6000年前頃(較正年代)という早さであったこと、そして昨年(2014年)の英科学週刊誌『ネイチャー』8月21日号で報告され、考古学と古人類学の研究者に衝撃を与えた、オックスフォード大学のトマス・ハイラムらのチームによるネアンデルタール人の絶滅と現生人類のヨーロッパへの拡散と制覇の新たな年代的見直しである。
こうした最新知見を基に、動物考古学者として生態学の観点から、上記の説を説得力をもって論述しているのが本書である。

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『若い読者のための第3のチンパンジー

ジャレド・ダイアモンド/著、秋山勝/訳 草思社文庫 2017年発行

大躍進 より

ヒトが類人猿の系統から分岐してから何百万年というあいだ、私たち人類は見た目がいささか立派なチンパンジーにすぎなかった。西ヨーロッパでは、わずか6万年前まで、芸術や進歩などとはほとんど無縁のネアンデルタール人がここを占領していた。ところが、突然の変化が訪れる。解剖学的には現生人類と同じ、つまり見た目には現在の私たちと変わりのない、芸術と楽器、交易と進歩を携えた者たちがヨーロッパに出現したのだ。ネアンデルタール人は間もなくその姿を消していく。
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ネアンデルタール人は、ヨーロッパの地においてクロマニヨン人へと進化したのだろうか。どうやらそうではないらしい。6万年前以降の時代を生きた最後のネアンデルタール人の頭蓋骨は、完全にネアンデルタール人のままでありながら、一方、そのころヨーロッパに現れた最初のクロマニヨン人の場合、完全に現生人類と同じ体をしていた。解剖学的に現代人と同じ人たちは、すでに何万年もの前からアフリカや中東に存在していた。現生人類はヨーロッパで進化したというより、アフリカや中東方面からヨーロッパに侵入した公算が高いだろう。

侵入してきたクロマニヨン人ネアンデルタール人と遭遇したとき、どんなことが起きていたのだろうか。

はっきりしているのはその最終結果だけである。ネアンデルタール人はごく短期間のうちに絶滅していた。
私には、クロマニヨン人の到着がネアンデルタール人の絶滅のなんらかの原因となっていたとしか考えられない。大躍進の時代にヨーロッパで起きていたのは、現代の世界でもたびたび起きていること、つまり、進んだ技術をもつ大勢の人間が、技術や人口に劣る土地に侵攻したり、あるいは植民地化したりした場合にかならず起きてしまうことが、このときにも起きていたと思えるのだ。
たとえば、ヨーロッパの入植者が北アメリカに侵入した際には、北アメリカの先住民は、侵入者がもたらした疫病が原因で死亡している。生き残った先住民の大半は、殺されるか、それとも自分の土地から追い出されていった。それさえ生き延びた者のなかには、ヨーロッパの技術(馬と鉄)を採用して、つかの間の抵抗を試みる者がいた。そうしなかった者は、入植者が見向きもしない土地に追いやられるか、あるいは、ヨーロッパじんと混血していった。
平原インディアンが馬と銃でヨーロッパ人に挑んだように、ネアンデルタール人にもクロマニヨン人の方法を学び、しばらくは抵抗を続けた者がいたかもしれない。

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どうでもいい、じじぃの日記。
「侵入してきたクロマニヨン人ネアンデルタール人と遭遇したとき、どんなことが起きていたのだろうか」
3~4万年前まで、ヨーロッパに居たネアンデルタール人が短期間に絶滅した。
この頃に現生人類のホモ・サピエンスがオオカミを家畜化し始めた。
ホモ・サピエンスが家畜化されたオオカミイヌを連れて大型動物やネアンデルタール人を襲った、とする説が急浮上しているのだそうだ。
コミュニケーション能力の高いホモ・サピエンスが、コミュニケーション能力の劣るネアンデルタール人を追い払ったという説よりも説得力があります。