じじぃの「4色色覚・未来の人間が月を見たらどう見えるのだろうか?ゲノムが語る人類全史」

Color Vision 8: Opsins and the Evolution of Color Vision 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=8DGYsYU5yqQ
人によって違った色に見えるバラ

人によって違った色に見える月

The women with superhuman vision 5 September 2014 BBC - Future
The question of whether we all see the same colours has a long history in philosophy and science. In the past, there seemed little reason to expect huge differences.
We know that almost everyone has three types of “cone cells” in their retina that each respond to a different bandwidth of light. The colour of an object depends on the particular combination of those signals, but although the exact sensitivity may vary between people, overall one person’s colours should roughly match another person’s. The exceptions were thought to be colour-blind people, where one of the cones is faulty. With reduced sensitivity at certain wavelengths, they struggle to tell the difference between reds and greens, for instance.
http://www.bbc.com/future/story/20140905-the-women-with-super-human-vision
『ゲノムが語る人類全史』 アダム・ラザフォード/著、垂水雄二/訳 文藝春秋社 2017年発行
ホモ・サピエンスの未来 より
私たちの鼻の形は、実際に遺伝子によって引き受けられていて、それは集団内の異なる対立遺伝子の頻度の変化によって実現されるのだが、それこそが進化の物差しなのである。
鼻の形というのは、たぶん良い例ではないだろう。なぜなら、大きな鼻をもつ人と小さな鼻をもつ人は、同じ繁殖成功度をもつと私は信じているからである(少なくとも私の知る限り、鼻の大きさと繁殖成功度の関係は研究されたことがない)。ヒトという種の未来の進化が本当にかかっているのは、繁殖成功度を減退または増進させる対立遺伝子やその根底にある健康といったより微妙な問題なのである。「私たちはいまでも進化しているのですか?」というのは、遺伝学者が何度も受ける質問だが、ここにその答えがある。「イエス」なのだ。
私たちのゲノムこそ、進化が起こる場所なのだ。私たちのDNAは時間につれて、世代ごとに変化する。そうした変化の大部分は軽微で、多くは瑣末なものである。なかには、思わせぶりなほど興味深いものもある。
私たち人類は3色色覚で、つまり3つの色でものを見る。私たちの眼の裏側には光受容体があり、これは、瞳孔を通り抜けて入ってくる光の光子を文字通りにつかまえることを目的とした高度に分化した細胞である。
一般に棹体および錐体と呼ばれる2つの部類があり、棹体は、動きと、暗い光を拾い上げるように調整されており、網膜の周辺部の位置を占めている。これこそ、はっきりとではないが何かが動くのを眼の片隅でとられられる理由である。
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そうしたことのすべては、人類が出現するずっと以前の数千万年前に起ったのだが、それと少しばかり似たことがいまヒトで(実際には、私たちのうちの半分ほどに)起きている。一部の女性は4色色覚をもってるかもしれない。彼女たちは、もう1つのランダムな偶然の重複によって、1本のX染色体上に第4のオプシンを獲得したのである。女性のおよそ8人に1人は、この余分の変異型遺伝子をもっていると推定されているが、それが4色色覚を授けるかどうかは、いまのところまだわかっていない。この力を実際にもつ人間は、私たちにはモノトーンに見える場面で色を見ることができる。それは新しい研究分野で、まれにしか現れない症状で、十分な説明はなされていない。少数の女性が研究されていて、彼女らは、正常な3色色覚とは異なる。明瞭な色の違いを見ることができるように思われる。
赤緑色盲色覚異常)の検査をするとき、いわゆる石原式では円のなかに異なる色合いの円をもつ表を提示する。ありふれた図(通常の色覚をもつ人にとって)に隠されているのは数字で、色合いの配置でその数字が浮かび上がるのだが、色覚異常のヒトには、この数字が見えない。4色色覚検査もまた、私たちのはオリーブ色しか見えないところで、明確な緑色の色合いを区別できる能力によっている。
私たちが3色色覚を進化させた理由の背後にある理論は、多種多様である。そうした理論の多くは、緑でごった返す林冠(りんかん)に漿果(ベリー)類の赤さを識別する能力が、銛のなかで腕渡りしていたサル時代の祖先に大きな利益をもたらしたであろうと想定している。
一方、4つの色を識別できる能力の利点は謎である。多くの動物は、私たちの3つよりも多くもっているが、ヒトの3色色覚は新しく、ランダム(機会も時期も)に生じた可能性が高いが、これまで負の淘汰を受けてこなかった突然変異であるため、おそらく、いかなる表現型上の問題を引き起こすことはないだろう。それは、単純にそうだということでしかない。私たちの無限の変異の、よくある1例でしかないのだ。

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どうでもいい、じじぃの日記。
たぶん、あなたが見ているバラの色はわたしが見ている色とは異なっているでしょう。
人間の進化は着実に進行しているのです。
あなたは、この地球の生命がそれぞれ見事な色に満ち溢れていることを知らないのです。
未来の人間が見る月の色も今とは違って見えているかもしれません。